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福知山成美や京都翔英、京都外大西などがノーシードと京都は大混戦の模様!【京都大会展望】

2019.06.28

 7月6日から開幕する第101回京都大会の組み合わせ抽選会が22日に行われた。京都国際乙訓龍谷大平安など春季大会で8強入りしたチームがシードされているが、福知山成美京都翔英京都外大西などノーシードのチームにも有力校が揃っている。今回は混戦が予想される京都大会をゾーンごとに展望していきたい。

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第101回 全国高等学校野球選手権 京都大会

甲子園通算103勝の名門・龍谷大平安が3季連続の甲子園出場を決めるか?

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制球力抜群・野澤秀伍

 Aゾーンはセンバツ8強の龍谷大平安がシードされている。制球力の高いエースの野澤秀伍(3年)にカーブが武器の豊田祐輔(3年)、潜在能力の高さを徐々に発している橋本幸樹(3年)と投手陣は充実。打線も三尾健太郎(3年)、水谷祥平(3年)、奥村真大(2年)と中軸に勝負強い打者が並んでいる。甲子園通算103勝の名門が、3季連続の甲子園出場を決めることができるだろうか。

 龍谷大平安と初戦で対戦するのは花園。春にも同じカードが組まれたが、この時は7対0の7回コールドで龍谷大平安が勝利している。だが、花園も一昨年に立命館宇治、昨年に京都外大西と強豪校に勝利した実績がある。今年も大物食いとなるだろうか。元横浜ベイスターズの投手で昨年に乙訓の部長として甲子園を経験した染田賢作監督がこの春から率いている西城陽にも注目だ。

 Bゾーンのシード校は春8強の北嵯峨。攻撃力が高く、一度火がつけば手が付けられないチームだ。エースの市田一成(3年)の出来がチームの命運を握る。昨夏8強の塔南はエース左腕の北﨑響生(3年)が注目の好投手。キレのある変化球と制球力の高さは府内でもトップクラスだ。春は野手に故障者が数人出たが、主力が万全なら上位を賑わせるだろう。その塔南と初戦で対戦する京都精華学園は今年から野球部が創部され、この夏が初めての公式戦となる。1年生だけのチームがどこまで食い下がれるか。

 Cゾーンはセンバツ出場校の福知山成美に春準優勝の乙訓、3年ぶりの甲子園を目指す京都翔英が名を連ねる激戦ゾーンとなった。福知山成美はエースの小橋翔大(3年)が大黒柱としてチームを引っ張る。野手にも東原成悟(3年)や原陽太(3年)ら能力の高い選手が多く、2季連続の甲子園出場を目指す。

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最速143キロ右腕・林翔大(乙訓)

 乙訓は秋から春にかけて大きく成長したチーム。投手は最速143キロの林翔大(2年)が軸となる。打線は中軸を打つ嘉門凌大(3年)や中村志遠(3年)を中心に勝負強い。昨春の甲子園を経験した選手はいないが、夏初出場に向けて戦力を整えてきた。

 投手力でこの2チームを凌駕するのが京都翔英だ。エースの遠藤慎也(3年)は力のある最速145キロのストレートを投げ込み、府内最高の投手との呼び声も高い。昨夏にエースナンバーを背負った今井大志(3年)はツーシームを武器にインコースを強気に攻める投球が持ち味。岩井俊介(3年)は遠藤にも劣らないスピードボールを投げる本格派で夏の秘密兵器になるかもしれない。山本祐大(DeNA)の弟である山本仁(3年)ら打撃陣が援護できれば十分に頂点を狙えるはずだ。

[page_break:東山対京都すばるという好カードが1回戦で実現]

東山対京都すばるという好カードが1回戦で実現

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ドラフト候補・上野響平(京都国際)

 Dゾーンでは1回戦で東山京都すばるという好カードが1回戦で実現した。東山井上敦貴(3年)、湊佳大(3年)らを中心に打撃力のあるチーム。京都すばるは切れ味抜群のスライダーを投げ込む藤川紘斗(3年)が投打でチームの中心となる。

 このカードの勝者が2回戦で対戦するのがシード校の立命館宇治。投手は左腕・髙木要(3年)、右腕・森井舜也(3年)の2枚看板で挑む。打撃陣も今野優斗(3年)、浅野彰久(2年)ら巧打者が揃い、攻守のバランスが取れている。準優勝に終わった昨夏の悔しさを晴らすことができるだろうか。このゾーンには秋に福知山成美と延長11回の激闘を繰り広げた福知山もいてCゾーン同様に激戦となりそうだ。

 Eゾーンは春優勝の京都国際が頭一つ抜けている。投手陣はグラブを高々と上げる独特のフォームから最速147キロの速球を投げ込む右腕の酒井海央(3年)と技巧派左腕の生駒拓也(3年)の二人が中心。野手では確実性の高い守備をウリとする主将の上野響平(3年)がこの秋のドラフト候補に挙がっている。ミート力の高い早真之介や豪快な打撃が魅力の釣寿生といった2年生打者にも注目だ。

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府内屈指のスラッガー山下航汰(京都外大西)

 Fゾーンにも有力校が複数いる。京都外大西は強力打線で9年ぶりの甲子園出場を目指す。打線の中心となる4番の18152(2年)は府内屈指のスラッガー。上羽功晃監督の次男である上羽哲平(3年)と右下手投げの田辺啓太(3年)の継投で失点を最小限にとどめたい。

 シード校の立命館も打線を武器とするチーム。スケールの大きな野球には見ごたえがある。2年ぶりの甲子園を目指す京都成章は、春に京都国際と10対12の打撃戦を繰り広げた。夏に向けてどれだけ戦力を整えてくるだろうか。

 Gゾーンは京都鳥羽対京都共栄が注目の好カード。シード校の京都は小技を絡めて着実に得点を重ねていく攻撃スタイルが持ち味。昨秋から投手に転向した主将の吉賀瑛音(3年)がどれだけ踏ん張れるか。京都共栄は大阪の進学校である春日丘を1982年夏の甲子園に導いた神前俊彦監督の采配に注目。スライダーを武器とするエースの本城楓己(3年)が試合の流れを作りたい。昨夏に46年ぶりの8強進出を果たした西舞鶴にも注目だ。

 Hゾーンではシード校の峰山と一昨年4強の綾部が初戦で激突。あやべ球場で行われる北部の実力校対決は大熱戦が期待される。このゾーンは実力が拮抗しており、多くのチームに上位進出のチャンスがありそうだ。

 大会全体を俯瞰すると龍谷大平安京都国際を中心に展開されることが予想される。乙訓福知山成美京都翔英立命館宇治東山京都すばるといった有力校は厳しいゾーンに入り、投手起用が勝敗の明暗を分けそうだ。

 混戦でハイレベルになりそうな今年の京都大会。酷暑にも負けない球児たちの熱い戦いに期待したい。

文=馬場 遼

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第101回 全国高等学校野球選手権 京都大会

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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