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連覇狙う佐久長聖とノーシードの松商学園が同ブロックに!また最激戦区は第7シードブロック

2019.06.26

 第101回全国高校野球選手権長野大会(7月6日~21日・[stadium]松本市野球場[/stadium]ほか)の組み合わせ抽選会は6月22日に行われ、参加84チーム(連合2チーム)の対戦カードが決まった。
 昨年の大会から始まったAシード(春季県大会ベスト8)とBシード(春季大会ベスト16)方式は今回も継続(Aシード校とBシード校は4回戦まで対戦しない)。第1シード東海大諏訪と第3シード上田西が優勝争いの軸と見られる中、組み合わせ的にどこが対抗してくるのか。8つのAシード校のブロックごとに、注目校や見どころを展望する。

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第101回 全国高等学校野球選手権 長野大会

連覇狙う佐久長聖ブロックに〝最強〟ノーシード校

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昨年の覇者・佐久長聖は今年の県内屈指の強さを持っている

 昨年の覇者佐久長聖の下ヤマに、一昨年の覇者松商学園が入った。大会序盤から目が離せないカードが続く。

 第1シード・東海大諏訪ブロック×Bシード・赤穂
 東海大諏訪が投攻守で頭一つ抜けている。最初に挑戦するのは、ともに昨秋県大会に出場している中野立志館上田東の勝者。Bシード赤穂のヤマも混戦状態だ。やはり昨秋県大会に出場している長野西小諸赤穂に挑む。
 長野西は強打で昨秋は8強入りし、小諸は3年生に高い能力の選手がそろっている。赤穂はエースで4番の竹内健太郎を軸にしぶとい戦いが持ち味。松川も昨秋は地区予選でシードを取っている力があるだけに侮れない。

第8シード・佐久長聖ブロック×Bシード・飯田(第1シードブロックと準々決勝で対戦)
 2連覇を狙う佐久長聖の下ヤマに、ノーシードの松商学園が入った。昨夏の甲子園メンバーがほぼ入れ替わった佐久長聖は昨秋県16強、今春県8強と上位争いに絡めていない。ただ目下、7年連続で決勝進出を果たしており、夏にはきっちり合わせてくる。特に昨年甲子園でも登板したエース北畑玲央は140キロ後半の速球を放る県内屈指の好投手。松商学園はこの春、3、4番を故障で欠いたこともあり、地区予選準々決勝で敗退し、秋に続き2季連続で県大会を逃している。しかし3、4番打者、主戦格の投手も故障から復調しベストメンバーで臨めそう。まずは箕輪進修阿南連合との初戦を勝って、佐久長聖との挑戦権を得たい。
 田川長野工も力が拮抗し、好ゲームが期待される。Bシード飯田はエースで4番の下平健太が投打で引っ張る。投手のいい軽井沢や、秋は県大会に進んでいる上田染谷丘などしぶといチームが対抗する。

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長野商は昨秋県8強、今春県4強と安定した強さを持っている

第4シード・長野商ブロック×Bシード・伊那弥生ケ丘
 昨秋県8強、今春県4強と安定している長野商の優位は動かないが、実力校が入った。長野商の下ヤマは松本国際―飯田OIDE長姫松本国際は昨夏の4強だが、メンバーが大きく変わり昨秋、今春とも地区予選敗退。しかし私立だけに個々の能力は低くない。飯田OIDE長姫も力のある選手がそろい、予断を許さない試合になりそう。Bシード伊那弥生ケ丘は非常にしぶといチーム。春は県大会で佐久長聖に1対3と惜敗したように私立にも大崩れしない粘りがある。好投手がいる屋代などが対抗できるか。

第5シード・松本深志ブロック×Bシード・小諸商 (第4シードブロックと準々決勝で対戦)
 すべて公立校というブロックとなったが、8シードで最も手ごわいと見られる小諸商が入った。松本深志は継投と力のある中軸打線が特長。中野西松代などが挑戦権を狙うが、深志打線をどれだけ抑えられるかが鍵。深志は昨夏もシード校で臨んだが、初戦敗退。同じ轍を踏まないように心得ている。
 小諸商はBシードだが近年、夏はコンスタントにベスト以上に絡んでおり、今年も十分に力はある。ただ下ヤマには投手力の高い松本工、やはり投手のいい塩尻志学館、さらに個の能力が非常に高い下伊那農などどこが上がってきても気が抜けない戦いが続く。

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第7シードブロック、最激戦区に

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上田千曲も上位進出を狙える力を持っている

第7シードの松本第一ブロックには岡谷南、ウェルネス筑北など有力校が集中した。

第2シード・東京都市大塩尻ブロック×Bシード・須坂
 春はエース三澤直也の好投としぶとい打線で県大会準優勝と躍進した東京都市大塩尻。三澤を含む投手陣と小幡英矢捕手とのバッテリーがしっかりしているのは心強い。昨秋初めて県大会に進んだ岡谷東と打撃向上中の佐久平総合技術が、都市大への挑戦権を争う。
 その横のブロックには昨秋の県大会2回戦で都市大を3対2で破った飯山が入った。飯山は今春地区初戦で不覚を取ったが、左右に好投手がいるのが強み。須坂は2本柱と好調打線でBシードを獲得。昨秋県大会出場の松本県ヶ丘上田などが挑んでいく。

第7シード・松本第一×Bシード・岩村田 (第2シードブロックと準々決勝で対戦)
 最激戦ブロックになった。昨秋の県準優勝校で北信越でも1勝している松本第一。公立校には取りこぼしなくAシードを取った。しかしすぐ下ヤマには、昨夏4強のレギュラー数人が残るノーシード岡谷南が入った。強打が売りの岡谷南だが、ここにきて投手陣も安定。まずは長野高専との初戦に臨む。
 その隣、上田千曲長野俊英の対戦も好カード。長野俊英エースの大澤優人は140キロの速球を持つ。Bシード岩村田はエース栁澤司の投球が鍵。対抗するのは日本ウェルネス筑北。好投手板倉大和が投打の軸となり、上位を狙う力を備える。初戦の長野東伊那北も好ゲームが期待される。

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春はエースの阿部巧雅が不在もきっちりと第3シードを確保した

第3シード・上田西ブロック×Bシード・篠ノ井
 春はエース阿部巧雅を故障で欠きながらもきっちり第3シードを確保した上田西。その阿部が復調するなど投打で主力が揃った。その上田西以外はすべて公立校で、秋、春で県大会に出場したのはBシードの篠ノ井のみ。上田西にとっては戦いやすい顔ぶれとなったと言えそうだ。
 対戦校は打撃戦になると厳しいだけにロースコアで上田西にくらいつけるか。まずは長野飯田風越などが挑戦権を争う。篠ノ井は左腕エース駒村怜央の好投が県大会出場の原動力となった。県大会1回戦でも上田西を2対5と手こずらせた。篠ノ井に挑む、古豪丸子修学館大町岳陽長野吉田諏訪清陵とも力が接近している。

第6シード・長野日大ブロック×Bシード・木曽青峰 (第3シードブロックと準々決勝で対戦)
 私立はAシードの長野日大だけ。中堅クラスの公立校が多く入ったが、長野日大が一歩リードした状況だ。春は投手力に課題を残した長野日大だが、攻撃陣でカバーしていく。下ヤマに入った野沢北上伊那農、隣の松本蟻ヶ崎高遠とも力が拮抗した好カード。野沢北高遠には好左腕がいる。春は快進撃の木曽青峰だが、その分マークが厳しくなることが予想される。下ヤマの更級農業には大型スラッガー小玉涼真がいる。その隣、昨秋県大会に初出場の須坂創成には好投手・高野凌が健在。小海のエース飯出永遠も力があり、それぞれ木曽青峰への挑戦権を争う。

文=小池剛

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第101回 全国高等学校野球選手権 長野大会

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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