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横浜、東海大相模を阻む学校は現れるか?ノーシードの実力校も分析!【後編】

2019.06.10

 夏の神奈川大会展望。続いて後編である。今年は春優勝した東海大相模、準優勝した桐光学園に敗れた横浜は4位扱いになり、例年、ヤグラでいうと2位vs3位、1位vs4位が配置となり、東海大相模横浜は順調に進めば、準決勝で対戦する可能性がある。ただそう簡単に勝ち抜けないのが、今年の神奈川なのだ。

 日大藤沢ブロックが最も熾烈!鎌倉学園、桐光学園の戦いの行方は?【前編】

横浜、東海大相模 夏へ向けての課題

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帰ってきた井上 恵輔(東海大相模)

 今年の東海大相模は圧倒的な打撃力、機動力を駆使して、早々と大量点を取るチーム。投手陣は130キロ台を超える左腕・野口裕斗、138キロサイド・紫藤大輝、130キロ前半の速球と切れのあるスライダーを投げる冨重 英二郎、夏でもベンチ入りを狙う1年生左腕・石田 隼都は最速138キロを誇り、夏では140キロ超えに期待がかかる。

 打線では強打の捕手・井上 恵輔、二刀流・遠藤 成山村 崇嘉西川 僚祐の2年生スラッガーと破壊力は全国トップクラス。ベンチ入り争いは激しく、春活躍した選手がそのまま出るのか、それとも新たな選手が浮上するのか。最強の20人を形成し、夏に臨むことを期待したい。

 同ブロックで対抗馬となりそうなのが慶應義塾だろう。慶應義塾の攻撃力は県内屈指で、横浜のエース・及川雅貴も恐れるほど。

 打線の中心はスラッガー・廣瀬隆太、2年生スラッガー・本間颯太朗。夏にかけてどこまで打線を仕上げるか。投手陣では秋に活躍した右の好投手・田口義将慶應義塾)が鍵となる。ただ東海大相模と同じく、強打で圧倒し、試合を優位に持っていく展開が理想となるのではないだろうか。例年、夏に仕上げる慶應義塾だけに怖い存在となるのは間違いない。

 藤沢翔陵足柄と百合ヶ丘の勝者と対戦。藤沢翔陵は昨秋はベスト32、今春はベスト16と1つずつ力をつけてきたチームだ。

 また別ブロックの相洋は、県立川崎藤沢総合の勝者と対戦。1番・北川大和を中心とした打線は強力だ。また同ブロックにはノーシードから浮上する武相にも注目だ。

 公立の強豪・戸塚はいきなり瀬谷橋本の勝者と対戦。実力公立校同士の対決は盛り上がりそうだ。

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調子を戻しつつある及川雅貴(横浜)

 横浜寒川と横浜旭陵・相模向陽館の勝者と対戦する。横浜関東一との親善試合で連勝。さらに香川県の招待試合でも4戦全勝と日増しに状態が上がっている。

 平田監督は香川県の招待試合で、「まずは自分たちのチームの完成度を高めていくことが一番大事で、しっかりと準備をしていく」と、1年生を起用しながら、全体の底上げを果たした。

 絶対的なエース・及川雅貴は香川県の招待試合で最速147キロをマークし、球速表示だけではなく、スピンがかかった速球を投げ込んでおり、順調に仕上がっている様子。また2年生左腕の松本隆之介も最速147キロをマーク。

 さらに、140キロ前半の速球と120キロ後半のスプリットを投げ込む木下幹也、1年生ながら最速140キロを計測した1年生左腕・金井慎之介、リリーフで支える黒須大誠とやはり投手陣の力量は神奈川ナンバーワンどころか、全国でもトップクラス。香川の招待試合では失点の多さが気になるが、それも、夏へ向けて良い薬となっただろう。

 気になるのは、日程が過密だということ。中1日、中2日、連戦と、短い間隔で回っており、投手陣の運用がポイントとなるだろう。投手陣の負担を減らすためには打線の奮起が重要となる。

 打線も内海貴斗度会隆輝を中心に仕上がってきた。春の大会よりも打席の内容は格段に良くなっており、夏でも期待が持てる打線となってきた。横浜としてはあまり疲労度を残さず、勝ち進み、試合のグレードが高くなる準々決勝、準決勝、決勝と迎えたいところだろう。

 ただ同ブロックは法政二、実力校・平塚学園、大型右腕・渡邉 倫太朗擁する三浦学苑と実力校が揃っている。

[page_break:湘南学院ブロックは星槎国際湘南、相模原、日大高と実力校がひしめく]

湘南学院ブロックは星槎国際湘南、相模原、日大高と実力校がひしめく

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142キロ右腕・一柳大地(星槎国際湘南)

 シードの光明相模原は初戦で霧が丘伊勢原の勝者と対戦。強打・忍足貫太上原 享平の2年生強打者コンビが牽引。好左腕・西野拓を中心とした投手陣も力量がある。全体を底上げして、上位進出を狙いたい。

 また、藤沢清流大和西と神奈川南の勝者と対戦。藤沢清流小田嶋 優は投げては140キロ近い速球、打っては本塁打連発と投打で高い才能を秘めた二刀流だ。準々決勝で東海大相模に敗れた経験を夏に活かすことができるか。

 同ブロックで注目したいのは、ノーシードで登場する横浜商。昨秋ベスト8だった横浜商は春は3回戦で破れたものの、実力は十分。今年は春の県大会2回戦で7回参考記録ながらノーヒットノーランを達成した好右腕・篠崎悠人、ショートストップ・関大斗、スラッガー・小田樹など能力が高い選手を揃えており、昨夏に続き、シード校を破る快進撃を見せるか。

 シード校の湘南学院は140キロ近い速球を投げ込む福島勇世、左腕から130キロ後半の速球を投げ、3番打者としてもチームを牽引する古謝 樹が中心。また全体的に打力は高く、上位進出ができる実力は備わっている。しかし初戦は星槎国際湘南海洋科学の勝者との対戦となった。

 星槎国際湘南横浜打線を苦しめた技巧派左腕・三浦舞秋、142キロ右腕・一柳大地の2人の投球が鍵。また守備力はシード校に遜色ないレベルにあり、星槎国際湘南が勝ち上がれば、非常にハイレベルな戦いが期待できそうだ。

 他では日大高、しぶとい戦いを見せる県相模原も見逃せない。

文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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