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まだまだいる近畿の逸材!隠れた逸材野手、スーパー1年生たちをピックアップ!

2019.06.01

 今年の近畿大会はドラフト候補以外の選手にも注目すべき逸材が多いということだ。今回は近畿大会4試合のレポートで取り上げられなかった逸材を紹介したい。

まだまだいる近畿の逸材!隠れた逸材野手、スーパー1年生たちをピックアップ! | 高校野球ドットコム近畿大会4試合のレポートはこちら!

智辯学園vs智辯和歌山

近江vs高田

郡山vs大阪商業大高

神戸国際大附vs京都国際

智辯学園、大商大高には逸材野手がずらり

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強肩外野手・白石陸(智辯学園)

 まず智辯学園。レポート以外では触れられなかったが、7回裏に適時打を放った白石陸(2年・右投げ左打ち・174センチ70キロ)のプレーに目を奪われた。シートノック時、ライトに入っていた白石のスローイングに驚かされた。

 深い位置からでもダイレクト返球。さらにコントロールも良く、大学生の強肩外野手を見ているような軌道だった。白石は奈良県大会でも捕殺を記録しており、全国的に見ても強肩外野手と分類しても良い選手ではないだろうか。

 打撃でもレベルスイングを心がけ、打球も鋭い。背番号は14だが、来年以降は重要なポジションを任されるだけの力量は備わった選手である。

 近江住谷湧也(3年・左投げ左打ち・170センチ70キロ)は3安打の活躍。軸がぶれない安定した打撃フォームは更に力強さが増し、打球も速くなった。

 ボールに逆らわず、右、左に打ち分ける巧さがあり、いつでもヒットが期待できると感じさせるアベレージヒッターだ。足でも魅せ、第1打席は一塁手を強襲した打球はセンターの方へ転がったが、住谷はそれを逃さず二塁へ陥れた好走塁も見事だった。

 1回戦で敗れた大商大高は、エース・上田大河が注目されているが、センターラインの殆どは2年生で占められており、能力も高かった。1番・山本晴登(2年・右投げ右打ち・171センチ67キロ)はパワフルな打撃と強肩が魅力のレフト。5番・上田 真照(2年・169センチ68キロ・右投げ右打ち)は2安打を記録。スクエアスタンスで構え、インサイドアウトのスイングから振り抜いた打球は非常に鋭く、セカンドの守備を見ても切れの良い動きを見せる。

 7番・松田直生(2年・右投げ右打ち・172センチ72キロ)はパンチ力ある三塁手で、腰を鋭く回転させて打つフォームで、打てるポイントも広く、7番打者ながら印象に残った。また三塁守備も身のこなしが軽快で、スローイングも強い。来年には中心打者になっていそうだ。

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投打ともに注目したい佐久間大翔(大阪商業大高)

 2番手としてマウンドに登った佐久間大翔(2年・左投げ左打ち・170センチ62キロ)は勢いのあるオーバースローから投げ込む直球は常時125キロ前後だが、ボールの質は悪くないので、体重が増えてパワーアップすれば、球速アップが見込めるだろう。また打撃もよく、左中間へ三塁打を放つ打球は鋭く、投打ともに注目したい選手だった。

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神戸国際大附もスタメンの殆どが逸材 智辯和歌山の1年・徳丸は別格だった!

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松浦隆己(神戸国際大附)

 神戸国際大附は6番・隠地 尊俊(2年・右投げ左打ち・181センチ95キロ)とガッシリ体型の一塁手で、ゆったりとした構えをしていて、分厚い太ももがパワーの源となっており、打撃の形もよく、レベルスイングで腰を鋭く回転させてうちに行くので打球の速さは6番打者とは思えない。粗さもないので、高確率で安打にできる。

 7番・浅成 翔天(3年・右投げ左打ち)は俊敏な動きと巧打が光る三塁手。打撃技術も高く、広角に強い打球が打てるのが強みだ。

 そして遊撃手・松浦隆己(3年・右投げ右打ち・175センチ66キロ)の攻守の安定感は抜群。守備では低い姿勢からボールを追いかけていき、軽快なグラブさばきでボールを処理。また視野も広く、オールファーストだけではなく、フォースプレーにしたほうがアウトにできる確率が高ければその選択も瞬時にできる。

 京都国際戦では一死二、三塁のピンチの場面で、中間守備をとっていた松浦のもとに打球が転がり、三塁に進んでいた二塁走者を見逃さずアウトに決めた。1点には取られたが、二死一塁にしたことで投手の負担を軽くするプレーだった。打者としても3安打を記録。レベルスイングで甘い球を逃さない鋭さは1番打者に相応しく、大学関係者から人気になりそうな逸材だった。

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147キロ右腕・酒井海央(京都国際)

 京都国際は背番号10の147キロ右腕・酒井海央(3年・右投げ左打ち・182センチ72キロ)はリリーフ登板。京都大会中に肩を痛め、まだ本調子ではない。そのためストレートは常時133キロ~135キロで、最速138キロだった。

 酒井は左肩を大きく上げてから振り下ろす投球フォームが特徴だが、これはこの動作をすることで、反動を与え、その力を使って上半身を鋭く旋回させる狙いがある。ただ酒井にとってはまだ投球フォームの完成度についてはまだまだだったようで、上半身・下半身の連動ができれば、140キロ台の直球も蘇ることだろう。

 野手では小柄ながらパンチ力ある打撃と軽快な三塁守備が光った中村泰河(3年・右投げ左打ち・167センチ63キロ)も印象に残った。

 最後の1年生では、智辯学園の1年・前川右京(左投げ左打ち・175センチ80キロ)は均整が取れた構えからレベルスイングで、広角に打ち分ける打撃が特徴。外野手としてはスローイングを磨き、攻守でスキのない選手になりたい。

 そして智辯和歌山の1年生4番・徳丸 天晴(右投げ右打ち・183センチ79キロ)は別格の逸材だった。スクエアスタンスで構え、トップを深くとって、弧を大きく描いたスイングから二塁打を放った当たりは非常に強烈だった。

 体格、雰囲気を見ても実に堂々としている。打撃が注目される徳丸だが、肩の強さも見逃せない。ライトのポジションに入っていた徳丸はダイレクト返球を見せており、強肩外野手と分類できるものがあった。スケール抜群のスラッガーに育つことを期待したい。

文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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