篠木、藤井など来年のドラフト候補生とスーパー1年生たちを徹底紹介！【関東大会総括】
最終回は関東大会で活躍を見せた1，2年生たちを紹介したい。今大会も楽しみな下級生が多かった。
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東海大相模相手に力投を見せた3投手たち
篠木健太郎（木更津総合）
今回、ピックアップする2年生投手はいずれも東海大相模相手に好投、もしくは高い潜在能力を示した投手たちである。
その筆頭となるのが篠木健太郎（木更津総合）だろう。1回戦・東海大相模戦で先発した篠木は8回途中まで2失点の好投。最速144キロを計測したストレートと切れ味抜群のスライダーの切れ味は素晴らしく、東海大相模打線を苦しめた。その後、東海大相模が強打と巧打を発揮して優勝したのを見ると、篠木の能力は全国クラスだったことが伺える。
豆田泰志（浦和実）をまずピックアップしたい。上半身、下半身が連動した投球フォームから繰り出す速球は135キロ前後ながら空振りが奪え、強打の山梨学院相手に6回11奪三振の好投を見せた。140キロを出すことはなかったが、キレのあるストレートと出所が見難い投球フォームをにしたい投手にとってはお手本となるような投球フォームだった。準々決勝の東海大相模戦では5回を投げて、3失点の力投。持ち味は十分に示した。
豆田泰志（浦和実）
最速147キロ右腕の藤井翔（東海大菅生）は決勝戦の東海大相模戦で2イニングで140キロ超えは22球を計測し、120キロ中盤の縦スライダーの切れ味も抜群。さらに投球術を磨いて、全国区の投手へ成長することを期待したい。
投打で高いパフォーマンスを発揮したのが安達 壮汰（桐光学園）だろう。投げては角度のある投球フォームから140キロ近いストレートとスライダーを投げ分け、2試合11イニングを投げ、3失点の好投。打者としても13打数5安打2打点の活躍。1回戦の東農大三の145キロ右腕・飯島一徹から外角高めの140キロストレートをレフト超えの適時二塁打を放った当たりは強烈だった。大型でありながら、技術を兼ね備えた二刀流の今後の進化が楽しみだ。
やはり突き抜けていた東海大相模の2年生野手たち
茂谷光（東海大相模）
打者では優勝した東海大相模から多くの2年生野手の活躍が目を惹いた。大会前までには高校2年生ながら高校通算30本塁打を超える山村 崇嘉、西川 僚祐の2人が注目されたが、その2人を超える活躍を見せたのがセンターの鵜沼 魁斗、遊撃手の茂谷 光だ。鵜沼は今大会24打数12安打、1本塁打5打点の活躍。打撃動作を見ると、タイミングの取り方が抜群に上手く、軸のブレが小さく、打ち損じが少ない。速球、変化球の対応も優れ、さらにパンチ力もあり、高校2年生の外野手として文句なしのパフォーマンス。2011年センバツ優勝メンバーだった臼田 哲也（東京ガス）を彷彿とさせる選手だった。俊足であり、センターからの強肩も光る。
茂谷は18打数9安打と鵜沼と同じく打率5割の活躍。重心を低くして、グリップを体の近くにおいて、浅いトップからインパクトを迎える巧打者。ボールを当てるセンスが優れ、安打を連発。守備でもスタートを速く切れるために「スプリットステップ」を採用。打球反応も優れ、グラブ捌きも軽快で、捕ってから投げるまでの動きも速い。東海大相模は次々と好遊撃手が生まれるが、スピードという点では近年の東海大相模の遊撃手でもトップクラス。今大会の活躍を自信に、さらにレベルアップすることを期待したい。
山村は23打数6安打に終わったが、決勝戦では東海大菅生の藤井が投じた141キロのストレートを左中間に鋭い打球をはじき返すなど、潜在能力の高さを発揮し、西川も安打になる打球はいずれも強烈だった。
平尾 柊翔（春日部共栄）
2年生野手では平尾 柊翔（春日部共栄）は7打数6安打の活躍を見せた。大谷翔平のような大きく構え、広角に打ち分けるバットコントロールの高さは今大会でもトップクラス。春日部共栄の打者陣の中でも打撃技術の高さはピカイチだ。
あとは甘く入ったボールを本塁打にできる技術が備われば、OBの斉藤彰吾（埼玉西武）のようにドラフト候補として注目されるようになってもおかしくはない。
最後に1年生を紹介したい。東海大相模の1年生左腕・石田 隼都は準々決勝・決勝戦で先発。角度ある投球フォームから繰り出すストレートは常時130キロ～135キロ（最速138キロ）と高校1年生の左腕としては破格な平均球速。まだ体も細く、しっかりと肉付けをしていけば、常時140キロ台も見込める183センチの大型左腕。どういう成長をたどっていくのか非常に楽しみだ。山村学園の1年生・小泉裕貴も、楽しみな右腕。まだ球速自体は130キロながら、制球力が優れ、試合を作れる。しっかりと体を作っていけば、山村学園の次期エース候補として活躍ができる投手だろう。
専大松戸の1年生スラッガー・吉岡 道泰は9打数5安打を記録。がっしりとした体型は高校1年生離れしており、滑らかなスイング軌道からボールを捉え、鋭い打球を連発する。5安打の中身を見ると、速球、変化球にしっかりと対応し、また詰まってもしっかりと振り切ったことで、ヒットになった打球もあり、ポイントは高い。これからレベルの高い投手との対戦経験を積み、高い潜在能力をさらに発揮してもらいたい。
文＝河嶋 宗一
