第906回 関東大会に出場する4校の現在の戦力は?春季埼玉県大会を総括!【前編】2019年05月17日

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【目次】
[1]脱・村田が課題の春日部共栄と収穫の春となった浦和実
[2]経験者を中心にまとまりある山村学園、県内屈指の投手陣を誇った東農大三

 浦和学院花咲徳栄が決勝でぶつかり浦和学院が勝つ。これがここ数年春季大会の定番であったが、今年は違った。

 昨秋同様に花咲徳栄浦和学院が早期敗退し、最終的には昨秋に続き春日部共栄が15年ぶりの優勝を飾ったが、これは波乱含みの今期を物語っていると言っていいであろう。今大会上位に残ったチームを中心とし、夏を踏まえつつ振り返っていきたい。

脱・村田が課題の春日部共栄と収穫の春となった浦和実



春日部共栄 エース・村田賢一

 まず、優勝した春日部共栄は、センバツの大敗ショックもあったか序盤こそ打線が低調であったが、その分エース村田 賢一(3年)が踏ん張った。

 すると徐々に打線も復調し準決勝、決勝では3本のホームランが飛び出すなど、本来チームの看板である打線が大会終盤になり活発になり始めたのは、関東大会や今後へ向け大きい。ただし、課題がないわけではない。とにかく、投手陣だ。

 準決勝、決勝こそ他の投手が登板したが、ベスト8までは今大会もエース村田に頼りきりで、村田が結局すべてを投げ切ってしまった。唯一準決勝で武藤瑛徳(3年)が好投したのは救いだが、果たして彼に夏の大会序盤を任すことができるかというと未知数であり、その他の投手は結果を残せなかった。

 実際、村田が登板しない時は、村田が4番を打っていることもあり、平尾 柊翔(2年)か森 飛翼(3年)が外れる。打線の迫力がなくなることもあるが、いずれにせよ、村田におんぶに抱っこでは夏の大会は乗り切れない。

 一刻も早く村田以降の2番手投手を見出すことが今後への課題となるであろう。



豆田泰志(浦和実)

 一方、準優勝に終わった浦和実だが、彼らのほうが、実りの多い春であったと言えるかもしれない。

 豆田 泰志(2年)、三田 隼輔(3年)の二枚看板を擁し既に投手力は充実している浦和実の課題は攻撃力であった。

 今大会も決勝まで打線は爆発せず、それでも持ち味である試合巧者ぶりを発揮し少ないチャンスを確実に物に勝ち上がってきた。だが、決勝ではエース村田以外からとはいえ、二けた安打を放つなど、徐々に打線につながりが出てきたことは収穫であろう。

 投手陣も、元々インコースへの制球力とボールの伸びが売りであった豆田が、昨秋から確実にレベルアップし、ボールの力は確実に増している。問題は、エース三田であろう。

 昨秋と比べるとまだ本来の投球とは言えない。豆田はまだ2年生であり、彼にチームの全てを託すのはやや酷だ。それだけに関東大会もそうだが、夏に向けどれだけエースが本来の調子を取り戻すかが今後の鍵となるであろう。

 何よりも春初めて決勝へ進出し関東を経験できる財産を夏にどう生かすかは彼らの今後にかかっている。

【次のページ】 経験者を中心にまとまりある山村学園、県内屈指の投手陣を誇った東農大三

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浦和実 【高校別データ】
春日部共栄 【高校別データ】
東農大三 【高校別データ】
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プロフィール

南英博
南 英博
  • 生年月日:1977年7月13日
  • 出身地:埼玉県出身
  • ■ 大学卒業後、SEからフットサル雑誌の編集を経て2007年よりフリーライターにという異色の経歴。
    一念発起し2010年から野球の道へ。埼玉県を中心に関東の高校野球を取材する。
  • ■ ネットでは『高校野球ドットコム』、書籍では『週間サッカーダイジェスト』(日本スポーツ企画社)、『フットサルナビ』(白夜書房)、に寄稿。
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