第902回 令和初の茨城県王者を目指すAシード4校を中心に注目校を掘り下げる!2019年05月15日

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【目次】
[1]決勝戦、公立校同士の対決は藤代に軍配!
[2]夏のAシード校、その他有力校を総括!!

 4月27日から開幕した茨城県大会は藤代がサヨナラで水戸商を下して優勝を果たした。ここでは、決勝戦を振り返りAシード権を獲得したチームの特徴などを挙げて総括していく。

 前編:藤代が12年ぶり2度目の優勝!水戸商は個の力を結集して常総学院にサヨナラ勝ち!

決勝戦、公立校同士の対決は藤代に軍配!



中山航(藤代)

<決勝>
 決勝は藤代水戸商という公立校同士のカードとなった。両チームとも疲れの残るエースの先発は避け、藤代は2番手格の右腕・一條遥翔が、水戸商は平山が任された。

 試合は取られたら取り返すシーソーゲームで、4対4の同点のまま9回裏の藤代の攻撃を迎えた。1点もやれない水戸商はこの回からエースの小林がマウンドへ上がった。二死三塁とし、最後は藤代5番途中出場・北澤太陽がセンター前タイムリーを放ってサヨナラで優勝を決めた。

 茨城1位の藤代は春季関東大会2回戦で桐光学園(神奈川2位)と東農大三(埼玉4位)の勝者と、2位の水戸商は1回戦で山村学園(埼玉3位)と対戦する。

 続いて夏のAシードを獲得した4チームと他の有力校について総括したい。

<投手陣盤石の藤代
 藤代は秋の準優勝に加えて春の優勝で夏の第1シードを獲得した。秋の関東大会で背番号1だった小島拓也を怪我で欠きながらの優勝は投手の層の厚さを感じさせた。

 エース右腕の中山 航は最速144キロを計測したが、平均球速は130キロ後半だ。チェンジアップとスライダーを効果的に使って打ち損じさせる。2番手格の右腕・一條遥翔は冬を越えて順調に成長しており、めざましく球威が増した。

 昨夏の県南選抜大会では120キロ前後のボールだったが、今大会では常時130キロを超え最速は138キロを記録した。球威のある右腕・中山と一條の両者に完投能力があることが藤代投手陣の最大の特徴だ。ここに離脱している小島が加われば昨年同様に高い投手力がそろう。

 チームとしては堅守が最大の武器であり、よく鍛え上げられた内野の守備力は県内ナンバーワンといえる。打撃陣は秋から選手の入替えがほとんどなく、上位を任される青木 倫太郎田島 涼馬、中軸の藤井 皓大有村 夏輝はいずれも俊足。打席からは単打でしぶとくつなぐ意識が垣間見える。

 藤代は1年春からベンチに入ることは珍しいが、今大会背番号15を付けて1年生の古宮幹太がベンチ入りを果たし、準々決勝と準決勝で2度代打出場の機会を得た。いずれも結果は凡退したが、名門・取手シニアで4番を担った打者として今後も注目だ。



水戸商の投打の要・小林嵩

<接戦の強さ際立つ水戸商
 準優勝の水戸商は夏の第2シードとなる。今大会は一度もコールドゲームがなく、序盤戦は4点以上の差を付けたものの、その後は2点差以内の緊迫した9イニングのフルゲームを戦い抜いた。速球が武器の小林 嵩を基本的にストッパーに据え、シード校には頭から小林でいく形がうまくはまった。
・一回戦 5対0 科学技術学園日立(坂本9回完投)
・二回戦 5対1 石岡一(小林9回完投)
・三回戦 9対7 下館工(坂本-郡司-小林)
・準々決勝 7対5 常磐大高(平山-小林)
・準決勝 4x対3 常総学院(小林9回完投)
・決勝 3対4x 藤代(平山-坂本-小林)

 エースで4番の小林 嵩がチームの大黒柱であり小林に回せばなんとかしてくれるという期待感がベンチを包んでいる。
 小林は170センチに満たない小柄でありながらも馬力のあるスイングで一発長打が打てる。縦系の変化球にも崩れることなくしぶとく拾う技術は秀逸だ。投げては回転数の多い140キロ近いストレートで空振りが取れる。スライダーのキレも抜群。

 1番の高橋優太は立ち居振る舞いが美しい大型ショートで下級生から実戦経験豊富。ヒット数はそこまで多くはないが常総学院戦では値千金のサヨナラタイムリーツーベースを放った。

 3番を打つ大津 昌熙 は秋には背番号1のエースだったが春は野手に専念した。インコースに特に勝負強く飛距離が魅力だ。秋は笠間市民球場でライトに叩き込み、この春は日立市民球場のライトスタンドに放り込んだ。投手陣は小林と他の投手では球威に差がある。他の投手でつないで中盤までを3失点以内で継投できれば勝ちパターンだ。



一條力真

<春関東逃し背水の陣の常総学院>
 水戸商にサヨナラ負けを喫した常総学院は夏の第3シードとなる。野手陣は間違いなく県内随一のメンバーがそろっており、特に3番の菊田 拡和土浦日大戦で2打席連続、4番の斉藤 勇人土浦日大から1発、5番の鈴木琉晟は準々決勝と準決勝で2試合連続ホームランと中軸の長打力は図抜けている。

 どこからでも得点ができる怖さがあり連打で畳みかける力を持ち合わせているのは誰しも認めるところだ。投打がかみ合って優勝した秋の県大会では次の塁を狙う走塁の意識の高さが際だっており、二死二塁からでもしぶとく得点する怖さがあった。しかし、今大会は打線のつながりが見られず一発ホームランでの得点に頼らざるを得なかった。

 投手陣はセンターとしても2番打者としても存在感を示す左腕の中妻 翔をエースに据えたが、持ち味のコーナーワークが決まらず甘く入ったボールを痛打される場面が見られた。

 また秋に右腕2枚看板として活躍した岡田 幹太菊地 竜雅(2年)はつくば秀英戦で1イニングずつを投げたのみに終わり、右アンダーハンドの池田と右の本格派で最速137キロの一條力真(2年)が2番手格として試合を作った。ほかにも初戦を完投した和田琉希哉など投手陣は豊富だ。

 水戸商戦では9回に一條が四球などで満塁のピンチを作り内野安打で同点とされたが続投。結果的には次打者にサヨナラ打を浴びたが、この窮地に交替させなかったことはベンチの一條への信頼の高さと、壁を乗り越えて成長して欲しいという一條への期待感がうかがえる。

 夏は岡田 幹太菊地 竜雅が本来の調子に戻れば140キロ超えの2枚看板として抜きん出た存在になるが、現有戦力ではある程度の失点を覚悟した戦いにならざるを得ない。

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