【春季四国大会総括】夏の準備は、できているか?
明徳義塾(高知1位)の2年ぶり11回目の優勝で幕を閉じた「2019年度(第72回)春季四国高等学校野球大会」。森木 大智(高知1年)ら新戦力の台頭、富岡西(徳島)の決勝戦進出もあり。愛媛県松山市の[stadium]坊っちゃんスタジアム[/stadium]には春季大会としては例年以上の観客が詰め掛けた。
そこで今回は、大会全体を「夏への準備」という視点で回顧。かつ、同大会を終えてほぼ出揃った「第101回全国高等学校野球選手権」四国4県地方大会のシード状況についても触れていきたい。
くっきり分かれた「大会活用度」
四国大会優勝の明徳義塾
今大会を十二分に活用し大きな収穫を得たもの。活用した結果、一定の収穫を得たもの。活用する意思を見せ、結果は残せなかったが新たな課題を得たもの。残念ながら活用しきれなかったもの。今大会の参加8校を大まかに分類すると、この4種類に分類できるだろう。
全7試合のマッチレポートを通じ、各チームの課題や収穫は触れてきたのであえてここでは深くは記さないが、「ノーサイン野球」の成熟度をトライし続けた富岡西や、新たな選手を起用し、選手層の厚みを作った明徳義塾などはその代表格である。
それは「個」の部分にも言えること。表情を見ても明らかに疲労の色が見えた森木 大智(高知1年)を中心とした過熱報道には普段の警戒が必要だが、各選手が得た経験を7月までの2ヶ月足らずで、どのようにして実力へ昇華できるかを、私たちは見守っていきたい。
[page_break:四国4県、夏のシード争い]四国4県、夏のシード争い
左:浮橋幸太(富岡西) 右:森木大智(高知)
では、「第101回全国高等学校野球選手権大会」四国4県地方大会のシード権争いについても見ていこう。
<高知県>シード4校
春秋県大会・四国大会、県総体の累計ポイントで決定
*県総体開催前(最大4ポイント追加可能)の時点での順位
1.明徳義塾 14ポイント
2.高知商 11ポイント
3.高知 10ポイント
4.岡豊 7ポイント
以下
5.高知工 6ポイント
6.土佐、高知小津、高知高専 5ポイント
9.高知東、土佐塾、高知西 4ポイント
12.梼原、高知中央、高知中村、高知東工 3ポイント
5月25日(土)から3日間連続で開催される2「令和元年度高知県高等学校総合体育大会野球の部」にはここに高知南(2ポイント)を加えた16校が参加。数多くのクラスメイトがスタジアムを埋める中、第101回全国高等学校野球選手権高知大会・大逆転シード権獲得をかけた鮮烈な戦いが予想される。
<徳島県>シード4校 決定済
*春秋県大会・四国大会の累計ポイントで決定
1.富岡西 13ポイント
2.徳島商 9ポイント
3.徳島北 6ポイント(春県大会優勝のため第3シード)
4.徳島池田 6ポイント
昨夏覇者の鳴門、一昨年夏の覇者・鳴門渦潮などが軒並みノーシードに。よって5月31日(金)から4日間開催される「令和元年度徳島県高等学校総合体育大会協賛 高校野球ブロック大会」では第101回全国高等学校野球選手権徳島大会への試金石となる試合が繰り広げられるはず。1年生も含めた新戦力の台頭にも期待したい。
左:香川卓摩(高松商) 右:根本大蓮(松山聖陵)
<愛媛県>シード4校 決定済
*春秋県大会・センバツ、四国大会の累計ポイントで決定
1.松山聖陵 15.5ポイント(0.5ポイントは秋の県大会3位決定戦勝利によるもの)
2.今治西 10ポイント
3.帝京第五 9ポイント
4.八幡浜 8ポイント
こちらも夏の3連覇がかかった済美や、昨夏準優勝の新田など強豪校がノーシード。夏の第101回全国高等学校野球選手権愛媛大会まで高野連主催の大会はないが、練習試合等での成長を遂げたものが栄冠を得る可能性をより高めることになるだろう。
<香川県>シード4校 決定済
*春季県大会の順位によって決定
1.高松商(センバツ出場・四国大会順位決定戦勝利)
2.四国学院大香川西(県大会優勝・四国大会順位決定戦敗戦)
3.尽誠学園(県大会準優勝)
4.香川県藤井(県大会3位)
以上の4校は6月8日(土)・9日(日)の両日、香川県高松市の[stadium]レクザムスタジアム[/stadium]で行われる「2019年度香川県高等学校野球連盟招待試合」においてセンバツ出場・侍ジャパンU-18代表一次候補最速153キロ左腕の及川 雅貴(3年)らスター集団を擁する横浜(神奈川)との対戦も控えている(対戦順は8日が10時~四国学院大香川西・13時~尽誠学園・9日が10時~高松商・13時~香川県藤井)。丸亀城西、英明、三本松といった近年の甲子園出場組を含むノーシード勢の逆襲にも注目したい。
文=寺下 友徳