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県内公式戦負けなしの上田西を止めるのは?長野県大会は序盤から激戦の予感!

2019.05.11

 昨年の秋季県大会を圧倒的に制し北信越大会でも4強に入った上田西が、この春も軸になってくる。同じブロックには、昨秋の県大会で準優勝した松本第一と3位の東海大諏訪の北信越大会出場3校が集中するという組み合わせとなるなど、大会序盤から激戦が予想される。

 すでに県大会出場の16校には夏の大会でのBシード以上が与えられている。初戦を勝ち8強になると試合会場が選べるAシード、さらに日程的に優位になる4強以上を目指す戦いが繰り広げられる。優勝、準優勝の2校が春の北信越大会に出場できる。

上田西、松本第一、東海大諏訪と北信越大会出場3校が集中

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1年生左腕・山口謙作(長野西)

 上田西は、東信地区予選4試合で2年生エース阿部巧雅を一度も登板させることなく優勝。1年生左腕山口謙作を初戦で先発させたり、2年生の島田蔵都を決勝で先発させたり、重要な場面で新戦力を試し、阿部に続く投手の確立を図った。

 上田西の攻撃陣は相変わらず強力。1番の俊足齋藤慶喜は高い出塁率を誇り、昨年夏からの主力が6番ぐらいまで並ぶ打線は脅威で、特に集中打で大量得点するケースが目立った。県大会ではエース阿部をどう使ってくるか、また阿部に次ぐ投手が県出場校相手にどの程度通用するかが、夏を占う上でも注目される。

 その上田西が初戦で対戦するのが篠ノ井。この春台頭してきた技巧派左腕、駒村怜央上田西の強力打線を相手に逃げることなく向かっていけると面白い。振ってくる相手ほど駒村の持ち味が生きてくる。

 上田西の隣には、秋の北信越大会で1勝している松本第一が入った。昨秋から伊東悠太ら下級生を中心に劣勢を跳ね返せる打線が持ち味のチーム。中信地区予選決勝で敗れ2位通過となった。エース平谷光盛を先発で使うか、後ろで使うか。いずれにしても平谷の出来がチームの浮沈に直結する。4番に座る捕手の林和希主将が2年生の多いチームを束ねる。初戦は、竹内健太郎が投打に軸となり、総合力で勝負する赤穂が相手。

 昨秋の北信越大会でベスト4に入った東海大諏訪は投打とも順調に仕上がっている。制球のいいエース横田夏己は球威も増してスケールアップ。伊藤太陽清水絢斗ら投手層が厚いのも強みだ。打線はスラッガータイプの4番寺嶋太陽が好調で、阿南公記原広大の新1、2番コンビも機能し、攻撃の幅が広がった。順当なら上田西と準決勝で対戦。昨秋はその準決勝で5対14と完敗しているだけにリベンジに燃える。

 東海大諏訪には初戦で岩村田が挑むが、継投で中盤まで食らいつきたいところだ。

 もう一つの松本深志須坂のカードはともに公立校で、継投で勝ち上がってきた似通ったチーム同士。両校とも長打力を秘める打線も力があり、もつれる展開が予想される。

[page_break:反対のブロックの再注目カード・小諸商vs長野日大]

反対のブロックの再注目カード・小諸商vs長野日大

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2年生エース・土屋呉巴(小諸商)

 反対のブロックの再注目カードは、小諸商長野日大だ。昨秋の県大会準々決勝でも対戦し、そのときは長野日大が5対1で完勝している。ただ、この春は小諸商の2年生エース土屋呉巴が本来のうまさに力強さが加わり成長。打線も長打力が備わってきた。一方で長野日大は北信予選準決勝で大敗するなど乗り切れない状況で予選を終えた。安定感のある金井聖士郎を軸に対抗したい。

 その隣のヤマには16季ぶりに中信地区を制した東京都市大塩尻が入った。エース三澤直也渡邉恒星の2本柱で予選4試合を3失点でしのいだディフェンス力が光る。対する長野飯田は、183センチの本格右腕・下平健太が投打の柱となるだけに、ロースコアでの展開が予想される。

 反対のヤマには北信地区を3季ぶりに制した長野商が入った。昨秋に内野手から投手に転向した山田二弓が安定した投球を披露し投手陣の軸に成長。攻撃陣も呼応して畳みかけた。初戦で対戦する木曽青峰は春の県大会は初出場。エース古畑伊織の投球で終盤まできん差でついていきたい。

 残りの佐久長聖伊那弥生ケ丘は、ともに昨秋の県大会2回戦敗退組。昨夏優勝のチームから総入れ替えとなった佐久長聖は、まだ布陣が固まらず手探りの状況。昨夏の甲子園を経験したエース北畑玲央頼みから脱却できるか。ここ7年連続で夏の大会決勝に進出している佐久長聖は例年、ここからギアを上げてくるだけにまずは野手陣の絞り込みに注目したい。一方、伊那弥生ケ丘は継投からの粘りが真髄で、ロースコアの競り合いに持ち込みたい。

 16校中、私立は6校で3校ずつ両ブロックに分かれた。公立勢がこの高い壁にどう挑んでいくか。また公立4校でこの春からの新監督が指揮を執っているが、その采配も注目される。昨年秋の新チーム発足以来、県内でこれまで公式戦負けなしの上田西を止めるチームは現れるのか。そして夏のAシードを確保するのはどこか。大会1日目から目が離せない。

文=小池 剛

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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