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桐蔭学園、慶應義塾もノーシード!今年の神奈川は例年以上に過酷な大会だ!

2019.05.05

 東海大相模の優勝で幕を閉じた春季神奈川県大会。今大会は序盤から波乱が巻き起こる大会で、夏は強豪校がノーシードから上位進出を狙うこととなった。この春、神奈川で何があったのか。大会総括で振り返る。

フレッシュな顔ぶれ揃うシード校

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横浜相手に好投を見せた技巧派左腕・三浦 舞秋(星槎国際湘南)

 今年の春季神奈川大会を振り返るにあたって、必ず取り上げないといけないのが、ノーシードに回った強豪校の多さだ。まずは春のシード校を整理しよう。

 春のシード校は以下の通り。

シード16校
第1シード 東海大相模
第1シード 桐光学園
第1シード 鎌倉学園
第1シード 横浜
第2シード 藤沢清流
第2シード 弥栄
第2シード 相洋
第2シード 向上
第3シード 厚木北

第3シード 光明相模原

第3シード 湘南学院

第3シード 立花学園

第3シード 麻溝台

第3シード 日大藤沢

第3シード 藤沢翔陵

第3シード 戸塚

 フレッシュな顔ぶれが目立つと感じるファンも多いのではないだろうか。ノーシードに回ったのは昨秋準優勝で選抜出場の桐蔭学園、昨秋4強の慶應義塾、昨秋8強の湘南工科大附、横浜商、強豪・日大高横浜隼人法政二星槎国際湘南横浜創学館など例年ならば上位に進出するようなチームが多い。ノーシードに回ったチームは弱いかといえばそうではない。ほとんどのチームが接戦で敗れており、シード校との力の差はほとんどない。

 その中でシード校が最も恐れるのは慶應義塾だろう。スラッガー・廣瀬 隆太を中心に長打力のある打者が多く揃い、投手力も高い。この春は打線が振るわなかったが、昨年も春ベスト8敗退から、北神奈川では東海大相模を完勝する力をつけた。夏には甲子園を狙える実力は十分あるだろう。

 湘南工大附も最速138キロ右腕・海老原大晟も評判通り130キロ中盤を計測し、好調時、前に飛ばせない勢いがある。そして横浜と延長12回の激闘を演じた星槎国際湘南は守備力も高く、横浜相手に好投を見せた技巧派左腕・三浦 舞秋、142キロ右腕・一柳大地など県内上位レベルに入る好投手がいる。シード校からすればかなり嫌な存在。

[page_break:令和初の神奈川大会は序盤から見どころが満載な予感]

令和初の神奈川大会は序盤から見どころが満載な予感

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昨秋準優勝だった桐蔭学園も夏はノーシード

 横浜隼人は188センチの大型左腕・佐藤 一磨は小さいテークバックから最速143キロを誇る実戦派左腕。佐藤以外にも130キロ越えの投手が多く、かつて強打で鳴らした横浜隼人は守り勝つチームにかわろうとしている。決して打撃のレベル、野手の人材レベルも県内では上位に入るので、うまく絡んでいけば、間違いなく怖いチームである。

 そして桐蔭学園はセンバツで浮き彫りとなった走塁、守備の細かなミスを夏までに改善したい。またミスをした後でも動じずにプレーをしたい。また投手陣の底上げが課題。今年の陣容では継投策となるので、打ち勝つ上がるチームになるのではないだろうか。

 また静岡裾野リトルシニア出身でU-15代表となった木本圭一など能力が高い1年生が桐蔭学園の門をたたいた。1年生の台頭で2,3年生を刺激し、強い桐蔭学園を見せていきたい。その中で主将・森敬斗が昨秋の関東大会のようなスーパーな活躍を見せることができるか。高いハードルだと思うが、ぜひそれを実現して、夏の主役となってほしい。

 横浜商は県大会でノーヒットノーランを達成したエース・篠崎など投打ともにポテンシャルが高い選手を揃えている。昨夏もシード・横浜隼人を破って、勝ち進んだが、今年もシード校を破って上位進出していてもおかしくない戦力だ。

 今年は令和初の神奈川大会。これほどの強豪校がノーシードに回っているのを見ると、大会序盤から見所があり、今年の夏は今まで以上に面白くみられる。そんな大会になりそうだ。

文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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