東海大相模が最右翼!春季神奈川県大会準決勝の見所をチェック!
春季神奈川県大会は、4月20日、21日に準々決勝が行われてベスト4が出揃った。奇しくも今大会のベスト4は、何と昨年の春季大会のベスト4と同じ顔ぶれである。今回は、そんな春季神奈川県大会の準決勝の展望を紹介していこう。
盤石の東海大相模に鎌倉学園は粘り強さで挑む
東海大相模の4番・山村崇嘉(左)と鎌倉学園を支える本多康二朗(右)
ここまでの戦いぶりを見て、春の神奈川王者の最右翼に挙げたいのが東海大相模だ。
俊足巧打の切り込み隊長・鵜沼魁斗から始まり、西川僚祐、井上恵輔、山村崇嘉、遠藤成といった強打者へと繋がる打線は、全国でも屈指の破壊力を持っている。クリーンアップ以降にも、加藤響や金城飛龍といった実力者が控えており、相手投手は神経をすり減らすようなピッチングを強いられることになるだろう。
また、投手陣にも計算ができる投手が揃っている。主戦となるのは、右サイドハンドの紫藤大輝と昨年の選抜甲子園も経験した左腕の野口裕斗。どちらもゲームメイク能力があり、大崩れする心配がないことが大きな強みだ。
加えて、昨夏からマウンドを踏んでいる、2年生左腕の諸隈惟大が成長を見せていることも好材料と言える。
ここまでは投打ががっちり噛み合っており、チームとしては良い仕上がりを見せている東海大相模。準々決勝で顔面にデッドボールを受けた井上恵輔の状態は気になるが、4年ぶりの春の神奈川王者に向けてしっかりと調整を進めたい。
そんな東海大相模に対するのは、昨年あと一歩のところで甲子園出場を逃した鎌倉学園だ。昨年は、松丸航太郎を中心に高い打撃力を持つチームであったが、今年はチーム全員の力で粘り勝つ野球をここまで見せている。
その証拠に、鎌倉学園は準々決勝までの6試合のうち、なんと5試合が1点差ゲームという試合展開であった。特に準々決勝の向上戦では、延長14回までもつれる熱戦となったが、タイブレークの死闘を制して準決勝進出を決めた。
チームを引っ張るのは、本多康二朗と川瀬一毅の二人の投手だ。背番号1を背負う作野友哉が、ここまで投げていないのが気がかりであるが、本多と川瀬の二人が安定したピッチングを続けており、粘って粘って最後に勝ち越すという戦い方が鎌倉学園のこの春のスタイルになった。
単純な戦力比較をすれば、東海大相模に分があることは否めない。だが、これまでのように点差を離されずに僅差の展開に持ち込めば、鎌倉学園にも勝機はあるはずだ。
巨大艦隊を前に、鎌倉学園がどこまで食い下がることができるか注目したい。
互いに高い投手力を持つ横浜と桐光学園が激突
成長著しい横浜の右腕・木下幹也(左)と桐光学園の投打の柱・安達壮汰(右)
第2試合では、選抜出場校の横浜と桐光学園が激突する。
選抜甲子園では明豊に5対13と大敗を喫し、チームの立て直しの必要性が感じられた横浜だったが、春季大会を戦う中で徐々にまとまりを取り戻しつつある。
プロ注目左腕の及川雅貴は調整中で、今大会はここまで打者1人にしか投げていない。そんな中で、木下幹也、松本隆之介の両投手の成長は非常に明るい材料だ。
中でも木下は、完全に一皮剥けた印象だ。3回戦の星槎国際湘南戦では、延長12回を一人で投げきり15奪三振2失点の熱投。今大会からは背番号1を背負っているが、その番号に恥じない投球をここまで見せている。
また、打線の調子も上向きと見る。打順の入れ替えこそあるが、チームの中心選手である度会隆輝と内海貴斗が好調を維持しており、その周りを固める小泉龍之介や吉原大稀、冨田進悟もシブい働きを見せている。
一人一人の潜在能力は関東圏でも屈指のものを持っており、打線により繋がりの意識がでてくれば、得点力はさらに増していくはずだ。準決勝では、横浜らしい緻密かつ豪快な野球を見せて欲しい。
一方の桐光学園は、2年生左腕の安達壮汰が投打でチームを牽引する。U-15日本代表の経験も持つ安達は、これまでの桐光学園を引っ張ってきた谷村然、冨田冬馬という、左右の二枚看板を押しのけて今大会から背番号1を背負っている。また、打っても4番として打線の軸を担い、今やチームの大黒柱と言える存在にのし上がった。
また、谷村と冨田の両投手も特に不安がある訳ではない。谷村は一冬越えてさらに球威が増し、冨田も昨年よりも投球術に磨きをかけた。投手陣の層の厚さは横浜にも引けをとらないものがあり、潜在能力の高い横浜打線にも十分太刀打ちできると見て間違いないだろう。
試合展開は投手戦になることが予想される。互いに高い打撃力を持っている一方で、それ以上に質の高い投手力を持っているためだ。先制点の持つ意味がより重いものになると考えられ、どちらが先に先制点を挙げ、試合の主導権を握るかに注目が集まる。
準決勝の2試合は、4月27日に[stadium]サーティーフォー保土ヶ谷球場[/stadium]にて行われ、決勝は翌日の28日に同じく[stadium]サーティーフォー保土ヶ谷球場[/stadium]で行われる。春の神奈川王者の座を掴むのはどのチームか注目だ。
(文=栗崎 祐太朗)