昨秋の決勝の再戦!リベンジの東海大菅生か、それとも2季連続優勝を狙う国士舘か
春季東京都大会もいよいよ残すは決勝戦のみとなった。奇しくもその顔合わせは昨秋の決勝戦と同様、東海大菅生と国士舘ということとなった。
昨秋の再戦となる今回の決勝戦。決勝戦はどこがポイントとなるのか、簡単にまとめていきたい。
昨秋の決勝戦と同じ顔合わせを制するのは?
両エース(左:白須仁久 右:中村晃太朗)
東海大菅生、国士舘ともにキーワードとなるのは、「繋ぎ」になることが考えられる。
まず守備では、両チームともエースが準決勝ではピリッとしない。
東海大菅生の中村晃太朗は4回戦では二松学舎大附を7回2失点の内容を見せたが、準々決勝の日大三では7回5失点。準決勝の関東一では6回3失点といまひとつ。一冬超えて球威が増したものの、制球が乱れやすくなり、痛打されることが増えたことが関係していることが考えられる。
一方の国士舘は今春よりエースになった白須仁久。上半身の使い方をコンパクトにし、上からしっかり腕を振るフォームにモデルチェンジした白須。だが、昨秋より制球が乱れやすくなり、安定感に欠ける。
4回戦の都立片倉戦では7回途中からマウンドに上がって5失点。準々決勝の帝京戦では6回投げて3失点。準決勝の都立小山台戦こそ7回3失点だったが、ボール先行が多い。
両チームのエースの投球が安定しないとなると継投策が考えられる。
東海大菅生は藤井翔、新倉寛之。国士舘は斉藤光瑠、山田裕也、石橋大心が今大会でマウンドに上がっている。彼らの調子、また繋ぎ方で守備の出来は変わってきそうだ。
野手陣はどれだけ投手を援護できるのか(左:冨田洋佑 右:小山翔暉)
そして攻撃陣だが、ポイントゲッターとなりうる打者が上位に座っている両チーム。
東海大菅生であれば
1番・小山翔暉
3番・成瀬脩人
4番・杉崎成の3人。
国士舘は
1番・黒川麟太朗
3番・冨田洋佑
4番・黒澤孟朗
6番・鎌田州真の4人がポイントゲッターになりそう。
彼らの前にどれだけチャンスを作るのか。ここが攻撃のポイントとなりそうだが、そうすると下位打線でいかにチャンスを演出し、上位に繋げるかが大事である。
ただ総合力で見ると、東海大菅生の方が1枚上手だろう。
準決勝では藤井、新倉が関東一をシャットアウトするなど、エース・中村晃以外の投手陣も昨秋より安定が増した。
また野手陣はチーム全体でバットだけではなく、2番・石田隆成、6番・今江康介らを中心に足でも相手チームに揺さぶりをかける。何より一発を打てる打者が揃っている。
長打と単打、さらに足を使う攻撃に安定した守備。総合力が高く抜け目ないチームに仕上がっている。だが、国士舘打線も繋がりだすと止めるのは厄介である。そして何より昨秋は国士舘が下馬評を覆し優勝を決めた。これが高校野球のわからないところである。
東海大菅生がリベンジを果たすのか。はたまた国士舘が王者の貫禄を見せつけ、2季連続優勝を決めるのか。平成最後の東京王者を決める一戦は28日11時より[stadium]神宮球場第二[/stadium]で行われる。
文=編集部