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36校の精鋭が頂点を目指す!接戦続出が予想される春季茨城県大会の見どころ!【前編】

2019.04.25

 第71回春季関東高等学校野球茨城県大会の組み合わせ抽選が19日行われた。県大会は4地区から地区予選を勝ち抜いた8チームずつ32チームと昨秋県大会の4強を合わせて36チームで行われる。

 昨秋県大会の結果に基づき、優勝の常総学院が第1シード、準優勝の藤代が第2シード、常総学院に敗れた水城が第3シード、藤代に敗れた石岡一が第4シードとなった。

 前編では、常総学院石岡一のブロックを見ていく。

常総学院は好投手ぞろいの激戦区へ!

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強打の常総学院4番・菊田拡和

 常総学院ゾーンは公立の好投手が集まった。佐和vs土浦三東洋大牛久vsつくば秀英が初戦の注目カード。

 常総学院は投手の布陣が昨秋とは異なりそうだ。右腕の岡田幹太は調子が上がっていない。速球派右腕の菊地竜雅は11月から右肩痛で出遅れていたが、先日行われた練習試合では木更津総合を6回無失点に抑えた。秋に比べ腕が少し下がっておりカーブの曲がりが早くなっているのがどう影響するか。

 右腕の和田流希哉は130キロ台のストレートと鋭く曲がるスライダーで打たせて取る。左腕の中妻翔はテンポよく両サイドに散らすコントロールが抜群だ。

 打撃陣は県内で随一のメンバーがそろう。4番の菊田拡和はプロ注目の長距離打者だ。先日の練習試合で木更津総合のプロ注目右腕・根本太一から左中間に特大アーチをかけて高校通算39本とした。中妻翔は右打者が並ぶチームの中で希少な左打ち。センター方向中心にきれいにはじき返す打力がありながら、俊足を生かしたセーフティバントで突破口を開くこともできる。菊地壮太は強肩強打の捕手。秋の県大会決勝では5打数5安打5打点の大活躍を見せた。

 佐和の右腕・黒田晃大(2年)は長身で手足が長くキレのあるストレートを放る。秋の地区予選では四球が多くコントロールに苦しんだが、県大会では2試合を投げて1失点と好投した。まだまだ伸びしろを感じさせるので今後は逐一チェックしておきたい。

 土浦日大は春に敢行した鹿児島遠征で右腕・中川竜哉(2年)が好投を続け自信を深めている。エースの荒井勇人は左サイドから横滑りするスライダーが武器で左打者には打つのが困難だ。しかし地区予選では土浦一の右打者から被弾していることから、右打者は攻略の糸口をつかめるかもしれない。

 東洋大牛久は140キロ左腕の石上祐介を擁する。まだ荒削りだがスライダーが高低にぶれなければ上位進出を狙える素材だ。

 つくば秀英にも140キロ右腕の吉田青矢がいるのでこの二人の投げ合いは是非見ておきたい。反対側の山から打倒・常総学院を虎視眈々と狙うのが秋の県大会初戦で常総学院に敗れた日立一だ。エースの二瓶真斗(2年)は右サイドからキレのあるスライダーを中心に組み立てる。ストレートはほとんど投げない。

[page_break:石岡一ブロックには実力を持った曲者が潜む!]

石岡一ブロックには実力を持った曲者が潜む!

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センバツのピッチングが一躍話題となった岩本大地(石岡一)

 石岡一ゾーンは公立が集結し常磐大高が唯一の私学となった。
 センバツに21世紀枠で出場した石岡一はエース右腕・岩本大地がその投球術で一躍全国区の注目投手に駆け上がった。石岡一は川井監督が就任し秋と春には上位進出の常連となったが、夏はいまだに4強以内に入ったことがない。

 夏を見据え、春は2番手格の小松﨑駿(2年)の経験値を上げることに重点を置くのか、上位シード権獲得を狙って岩本大地を主戦登板させるのか投手の起用法に注目だ。

 水戸商は二刀流の小林嵩を見ておきたい。直近の練習試合では投げて打っての活躍を見せている。秋は右腕の大津昌熙が主戦だったが、小林の先発もありそうだ。

 土浦三竜ヶ崎一の前に県大会出場を阻まれ続けたがようやく悲願の県大会出場を果たした。下級生時からエースで4番の濱崎鉄平がチームの中心で右の本格派として140キロ近い速球と鋭く曲がるカーブを操る。打っては柵越えの長打力があり大暴れに期待したい。

 下妻二vs常磐大高はこのゾーンの注目カード。軟投左腕・海老原仁(下妻二)の投球術と打線の厚みは一見の価値がある。4番捕手の山口愛翔は2年生ながら分厚い体の長距離砲だ。常磐大高は捕手でありながら140キロ右腕でもある鶴見凌也を凌ぐ投手が頭角を現せば怖い存在だ。打線は俊足の大和佑一郎を筆頭に好打者が並ぶ。

 前編はここまで。後編では残りの藤代水城のブロックの注目ポイントを紹介していきます。後編もお楽しみに!

(文=伊達 康

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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