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智辯和歌山、市立和歌山の2強に割って入る台風の目は?春季和歌山県大会の展望を考察!

2019.04.12

 13日から行われる春季和歌山県大会。39校が出場し、上位4校が夏のシード権を獲得、優勝校が近畿大会に進む。センバツでは智辯和歌山市立和歌山が8強に進出して盛り上がりを見せたが、春季大会ではどんな戦いが見られるだろうか。

 抽選の結果、市立和歌山智辯和歌山は決勝まで当たらないことになっている。4季連続でこの2校による決勝となるのか、2強を倒すチームが出てくるかという点が今大会の醍醐味の一つになりそうだ。

バランスのとれた市立和歌山、混戦したブロックに入った日高

智辯和歌山、市立和歌山の2強に割って入る台風の目は?春季和歌山県大会の展望を考察! | 高校野球ドットコム
市立和歌山エース・岩本真之介

 市立和歌山はエース左腕の岩本真之介(2年)が甲子園を経験してさらに成長を遂げた。140㎞を投げる右の本格派・柏山崇(3年)も控えており、投手陣に不安はない。野手も攻守の要である緒方隆之介(3年)や米田航輝(3年)など粒ぞろい。センバツで活躍を見せた壹岐有翔(2年)が中軸として機能するようになれば打線に厚みが増すだろう。

 市立和歌山のいるAブロックで注目のカードが初芝橋本那賀の一戦だ。那賀のエース・谷脇弘起(3年)は伸びのあるストレートを武器に新人戦で市立和歌山を1点に抑え込んだ好投手。対する初芝橋本は昨春4強と力のあるチーム。秋にもこの2校は対戦し、3対1で那賀が勝利しているが、今回はどのような結果になるだろうか。

 南部龍神は新人戦で智辯和歌山相手に5対6の接戦を繰り広げており、エースの小川泰二郎(3年)を筆頭に個々の能力は高いチーム。対する日高中津も主砲の杉浦玲吏(3年)など力のある選手がいて、分校対決はハイレベルな戦いになりそうだ。

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日高主将・楠山顕也

 Bブロックでは混戦が予想されるが、昨年からのレギュラーが多く残っていて秋8強の和歌山日高がややリードか。和歌山日高はエースで主将の楠山顕也(3年)を中心に試合巧者のチーム。手堅い野球で上位進出を狙う。

 秋は和歌山日高に敗れて2次戦に進めなかった県立和歌山商は昨年から4番に座る岡悠貴(3年)の長打力に注目。秋に2次戦まであと一歩と迫った和歌山橋本や粉河の健闘にも期待したい。

[page_break:Cブロックでは田辺が一歩リードし、智辯和歌山のDブロックは超激戦区!]

Cブロックでは田辺が一歩リードし、智辯和歌山のDブロックは超激戦区!

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田辺・熊野輝也

 Cブロックは秋4位の和歌山田辺が優勢か。昨年からエースの熊野輝也(3年)は力のあるストレートを投げ込む好投手。4番の輪玉渉馬(3年)という打線の軸がいるのも心強い。

 昨春4強の和歌山向陽だが、秋は公式戦未勝利に終わっている。昨年から4番を打つ酒井隆成(3年)を中心に打ち勝ちたい。部員17人で秋8強に進んだ桐蔭の戦いにも注目だ。

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昨秋の和歌山を制し、優勝旗を受け取る黒川史陽(智辯和歌山)

 智辯和歌山のいるDブロックは超激戦区となった。智辯和歌山は文句なしで優勝候補の大本命。細川凌平(2年)、西川晋太郎(3年)、黒川史陽(3年)、東妻純平(3年)、根来塁(3年)と並ぶ打線は全国屈指だ。

 投手陣もエースの池田陽佑(3年)や最速147㎞の小林樹斗(2年)がセンバツで好投して自信をつけた。これまでの強打のイメージに加えて中谷仁監督が就任してから手堅さが増した印象がある。県内のライバルにとってはさらに手強いチームとなっているのではないだろうか。

 智辯和歌山と初戦でぶつかる和歌山南稜は創部4年目と若いチーム。長距離砲の山元樹(3年)を擁する強力打線を武器にどこまで食い下がれるか。

 和歌山東は近年、安定して上位に顔を出している有力校。速球派右腕の落合秀市(3年)は県内でも屈指の好投手だ。秋は市立和歌山を相手に11回途中2失点の好投を見せている。

 中心打者の岡野楓大(3年)ら打線の奮起次第では大物食いの可能性も大いにある。さらに和歌山東の初戦は箕島近大新宮の勝者となっており、どちらが来ても気を抜けない戦いとなりそうだ。

 秋3位の南部もこのブロックに入っている。双子の兄でエース左腕の鎌倉海斗(3年)に右サイドハンドの三木翔太(3年)、昨夏に背番号1を背負った正遊撃手の周家一磨(3年)と投手層は厚い。打線も湯川友貴(3年)や尾田優吾(3年)など昨年からの主力が多く残っていて今年は勝負の年。夏の甲子園出場に向けて弾みをつけたい。

 智辯和歌山市立和歌山に注目が集まるが、他にもポテンシャルの高いチームが多い今年の和歌山。2強に割って入るチームは現れるだろうか。

(文=馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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