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近江が優勝へ一歩リード!比叡山など注目校が追走する構図に!

2019.04.11

 4月13日に開幕する春季滋賀県大会。48チームが出場し、上位4チームが夏のシード権を獲得、優勝チームは5月25日からの近畿大会に出場する。令和初の滋賀県王者になるのはどのチームになるだろうか。

全国上位の戦力を誇る近江を追随するライバルたち

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近江エース・林優樹

 シード校は秋に4強まで進んだ近江近江兄弟社滋賀学園水口の4チーム。

 近江はセンバツこそ逃したが、戦力は全国上位クラス。今大会でも優勝候補の筆頭だ。主将で4番捕手の有馬諒(3年)は全国トップクラスの捕手。高校日本代表候補に選出されたエース左腕の林優樹(3年)と黄金バッテリーを形成する。野手にも昨夏の甲子園で大会最高打率の.769をマークした住谷湧也(3年)やセンスの高さが光る土田龍空(2年)など逸材揃い。今大会では林に次ぐ投手の台頭に期待したい。

 同じゾーンでライバルになりそうなのが昨春に近江を倒して優勝している比叡山。右の中村隆一(3年)と左の中澤嶺(3年)の投手2枚看板に守備力の高い荒木相斗(3年)らを中心に高いディフェンス力で打倒・近江を目指す。

 公立では1回戦でぶつかる水口東八日市が注目のカードとなりそうだ。水口東は昨年から中軸に座る延命孝弥(3年)を中心に秋8強と力のあるチーム。対する八日市は力のあるボールを投げ込む荒見渉真(3年)の出来がカギとなる。昨夏8強のレギュラーが多く残る守山北にも注目だ。

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水口・管河成紀

 水口は昨夏の主力がごっそり抜けたが、秋も4強と公立の雄としての地位を固めつつある。エース左腕の菅河成紀(3年)を中心に高い総合力で頂点に挑む。

 水口のゾーンで注目のカードは綾羽伊香の一戦。昨夏準優勝の綾羽太田翔士(3年)、岡田邪英(3年)、小山孝治(3年)と昨夏を経験した3人の投手がいる。

 野手にもリードオフマンの磯谷太陽(3年)や長打力のある桑名健介(3年)などが健在。秋は初戦敗退に終わっているが、上位進出のチャンスは十分にある。伊香は突出した選手こそいないが、まとまりのある好チーム。シード権獲得を目指す。

 秋8強で県の21世紀枠候補に推薦された高島は攻守にバランスの取れたチーム。秋は近畿大会に出場した近江兄弟社と延長12回の激闘を繰り広げている。秋からスケールアップできれば、頂点も見えてきそうだ。

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安定感を誇る近江兄弟社など上位を狙う実力校

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近江兄弟社・菊地凛

 秋準優勝の近江兄弟社は4季連続4強以上と安定感がある。エース左腕の菊地凜(3年)が投打の中心としてチームを引っ張る。近畿大会で4番を務めた横井覚(2年)の打棒にも注目したい。

 近江兄弟社のライバルとなりそうなのが光泉だ。エースの吉田力聖(3年)は最速144㎞の速球を武器とするプロ注目右腕。控えの伊藤有哉(3年)も141㎞を投げる本格派で投手力は県内トップクラス。フェントン・ライアン(3年)ら打線が奮起すれば台風の目となりそうだ。

 光泉と初戦でぶつかる膳所は昨年のセンバツに出場している。当時のレギュラーはいないが、データ班の力でどこまで食い下がれるか。

 秋は初戦敗退に終わった彦根東はどこまで力を付けているか。甲子園経験者の山岡右京(3年)や川嶋清太(3年)がチームを引っ張りたい。

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滋賀学園・尾﨑完太

 近江に敗れて近畿大会を逃した滋賀学園は分厚い選手層を誇る。投手陣は左腕の尾﨑完太(3年)と右腕で主将の竹本徹(3年)が主戦。2年生左腕の金城駿之介千葉葵にも夏の登板経験がある。野手ではミート力の高い比嘉天佑(3年)に注目。1年夏から正遊撃手に抜擢された銘苅隼人(2年)は秋の大会に出場していなかったが、春にはレギュラーを奪い返しているだろうか。

 滋賀学園のブロックには公立の好チームが揃う。草津東は秋に8強進出。右サイドハンドの柴﨑涼(3年)が打たせて取るピッチングで流れを作り、中江真武己(3年)、石﨑拓海(3年)といった中心打者が攻撃の要となる。一昨年春に準優勝という実績があるが、どこまで迫れるか。

 八幡商はレギュラーに2年生が多く、伸びしろのあるチーム。秋の近江戦で好投した堀晃大(2年)の成長に期待したい。1年夏からスタメンを勝ち取った遊撃手の坪田侑也(2年)にも注目だ。

 復権を目指す北大津はリードオフマンの福山智己(3年)が攻撃の流れを作る。エースの髙橋甲子郎(3年)が粘り強く投げることができれば面白い存在となりそうだ。

 戦力的には近江が頭一つ抜きんでている感があるが、追う勢力の力量差は少ない。近江を破るチームが現れれば、一気に大会は混戦となりそうだ。絶対王者を倒すチームは出てくるだろうか。

(文=馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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