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東海大菅生vs八王子or日野、早実vs佼成学園or工学院大附など東京都大会は序盤から大混戦!

2019.03.30

 センバツ高校野球も始まったが、4月1日からは、112チームが参加して春季都大会が開幕する。上位2校は5月18日から埼玉県で開催される関東大会に出場し、ベスト16のチームは、夏の大会でシードされる。

 この大会では、秋季都大会のベスト16のチームはシードされ、2回戦からの登場になるが、強豪校が多い激戦区や、序盤から好カードが相次ぎ、優勝争いや夏のシード校の座を巡る戦いは、混戦が予想される。

東海大菅生・二松学舎大附、再度激突か?

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左から井上広輝(日大三)、小山翔暉(東海大菅生)、海老原凪(二松学舎大附)

 秋準優勝の東海大菅生は、センバツ出場こそ逃したものの、実力は全国レベルで、今大会でも優勝候補の筆頭であるが、最も厳しいブロックに入った。

 初戦は、八王子都立日野の勝者と対戦する。武内寛人北澤壮汰という投手陣2本柱擁する八王子と、昨年末に行われた東京代表のキューバ遠征に都立校からただ一人選ばれた山崎主真を中心とした強力打線を有する都立日野の対戦は、1回戦屈指の好カードで、勝者と東海大菅生の対戦も、2回戦屈指の好カードになる。

 この試合の勝者は、実績十分の左腕・齋藤陽太擁する拓大一と、強力打線で1次予選を勝ち上がった明大中野八王子との対戦が有力だ。

 東海大菅生がこれら強豪との対戦を勝ち抜いたとすれば、4回戦は、二松学舎大附との対戦が有力である。この両校、秋にもベスト16(3回戦)で対戦。この時は東海大菅生が2対1で勝ったものの、甲子園でも8強クラスとも言われた、高レベルな戦いであった。

 もっとも二松学舎大附の側も、4回戦まで勝ち抜くのは容易でない。2回戦は館慎太郎(昭和第一学園)、3回戦は小寺敦斗都立東大和)と、好投手との対戦が予想されるからだ。ちなみに、二松学舎大附は東大和と秋は2回戦で対戦しており、秋と同一カードが多く予想されるのも、今大会の特徴である。

 この最激戦区を勝ち抜いた場合、準々決勝での対戦が予想されるのが、日大三だ。日大三は、秋は1回戦で敗れたものの、プロ注目の井上広輝廣澤優という高校トップクラスの好投手を擁し、優勝候補であることに変わりはない。

 日大三修徳都立文京などとの対戦が予想される。特に3回戦で当たる可能性がある文京は、昨春も対戦して苦しんだうえに、大型右腕の仲亀烈太がおり、簡単な相手ではない。

早稲田実は佼成学園・工学院大附の勝者と対戦

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渡邊充(工学院大附)、伊藤大征(早稲田実業)

 チーム力がまとまる佼成学園とプロも注目する大型右腕の渡邊充擁する工学院大附の対戦も、1回戦屈指の好カードだ。この試合の勝者は秋4強の早稲田実と対戦する。

 このブロックには、フルスイングの駒大高や投手陣が整った錦城学園などがおり、好投手・伊藤大征を擁する早稲田実といえども、夏のシード校になるベスト16への道のりは平坦でない。

 秋優勝でセンバツに出場している国士舘は、まず気持ちの切り替えが重要だ。またベテラン・永田昌弘監督にすれば、春季大会でチーム力の底上げも図りたいところだ。そういう状況での立志舎都立昭和の勝者と対戦する初戦は、そう簡単ではない。

 国士舘と3回戦で対戦するブロックには内野大輝都立東村山西)、4回戦で対戦するブロックには、五十嵐裕希(日本ウェルネス)といった好投手がいる。

 国士舘が準々決勝で対戦するブロックには、帝京創価がいる。この両校、秋は2回戦で対戦し、帝京が逆転サヨナラ勝ちを収めたが、実力は全くの互角。4回戦で再戦すれば、激戦になるに違いない。

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新時代に向けた戦い

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宮崎恭輔(国学院久我山)、玉木結大レアンドロ(目白研心)

 帝京は平成元年(1989年)の優勝校でもある。この年、夏の甲子園でも初優勝を果たした。帝京黄金時代は、平成とともに始まっただけに、平成最後の大会での戦いぶりが注目される。

 好捕手・木下優成のいる東海大高輪台は、注目の左腕・野崎師がいる都立小平西と対戦、勝者は関東一と対戦する。

 秋は3回戦で国士舘に敗れ、再起を期す関東一であるが、3回戦に進んだ場合も、日大鶴ヶ丘大森学園戦の勝者などが控えており、真価が問われる戦いが続く。

 都立足立新田がシードされているブロックには、都立江戸川都立雪谷都立足立西都立国分寺と都立の強豪校が集まった。

 秋は日大三を破り注目された目白研心は、初戦の明大明治に勝てば、キューバ遠征のメンバーである宮崎恭輔を中心に打線が強力な国学院久我山と対戦する。

 新元号が発表される4月1日に大会が始まり、決勝戦は4月28日に行われる。文字通り平成最後の大会である。関東大会や夏の大会では元号も変わっているだけに、新時代に向けた熱い戦いを期待したい。

(文=大島 裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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