第91回選抜高等学校大会7日目。明豊vs札幌大谷など、実力校同士の戦いが満載で、一気に試合のレベルがグレードアップする。そんな2回戦3試合の見所を紹介したい。

大会7日目を制するのは?
初戦、横浜投手陣を攻略した明豊打線の破壊力は初戦を突破した学校の中でもトップクラス。一回り目で投手の特徴をつかみ、2回り目以降から狙い球を絞り、一気に畳みかけたい。キーマンとなるのは1番・表 悠斗、3番・布施 心海、4番・野邊 優汰、5番・薮田 源となるだろう。
札幌大谷は初戦を振り返ると、徹底とした守備シフトを敷き、犠打や右打ちなど手堅い攻めが光った。初戦同様、手堅い試合運びで明豊に対抗していきたい。また先頭打者本塁打を放った北本 壮一朗など長打力のある選手の活躍もポイント。
投手では登板が予想されるエース・西原 健太は右打者、左打者に対して何を軸に投球を組む立てるのか。そこが問われる。
明豊は前回、早期降板となった左腕・若杉 晟汰の復調がカギとなる。若杉は「1、2回は硬くなりすぎて、手首を立てるリリースができませんでした。3回ではその感覚を取り戻すことができたので、次回はしっかりとやっていきたいです」と、もし登板が実現した時、若杉らしい切れ味鋭いボールを投げ込むことができるか。1回戦で好投を見せた大畑 蓮、そして144キロ右腕・寺迫 涼生も控える。
試合展開としては両チームの攻撃力、投手力、守備力を勘案して、4点~6点勝負となるのではないだろうか。
終盤まで均衡した勝負を期待したい。
お互い初戦は延長戦を経験。全国の舞台で粘り強さを発揮している。龍谷大平安はエース・野澤 秀伍は状態が上がっていなかったが、それでも緩急自在のピッチングで打者を封じる投球は盛岡大附打線も苦しみそうだ。打線は4番水谷 祥平、決勝打を放った奥村 展征と土壇場で勝負強さを発揮できる選手がいるのは心強い。俊足の中島 大輔が打撃面で躍動すると、得点力が変わってくるだけに奮起を期待したい。
盛岡大附は主軸の平賀 佑東、岡田 光輝が不発。今度は左投手との対戦になるが、対応できるか。見ていてスイングは非常に鋭く、甘く入ればスタンドに持っていける魅力は感じるが、龍谷大平安投手陣は振り回すだけでは通用しないので、ぜひ初戦とは違う盛岡大附打線の怖さを見せてほしい。また盛岡大附はカバーリングや走塁など打撃以外のレベルも高まっているのも見逃せないポイント。関口監督は過去の甲子園でもポイントとなる場面で代走・代打の起用も絶妙だったので、ぜひそこも注目してほしい。
初戦同様、終盤まで緊張感ある戦いが期待できるのではないだろうか。ロースコアの試合展開は想像しにくく、5~6点の勝負になるだろう。試合を盛り上げるには盛岡大附打線の爆発にかかっている。
大会タイ記録となる24安打を放ち、24得点を記録した山梨学院。多くの選手は「日体大のオープン戦が大きかったです」と語るように、大学生とオープン戦を行った打撃面のプラス効果は想像以上に大きいといえる。好投手揃う筑陽学園相手にも発揮できる可能性は大いにある。打線の中心である菅野 秀斗、野村 健太が調子を上げており、徹底マークされる中、活躍できるか。
筑陽学園はエース・西 雄大は制球力に長けた好投手だが、山梨学院は過去に同タイプの投手を攻略した経験があるだけに、多少の失点は覚悟しないといけないだろう。投手総動員で勝負をしていきたい。
打線は野田 優人が決勝打含む3安打を放ったように多くの選手が調子を上げている。山梨学院は投手陣に不安を残しており、全体的に調子が上がっていない。付け入る隙は十分にあるといえる。
筑陽学園は守備力も高いので守備からのミスは考えにくい。そうなるとあとはバッテリーの駆け引き勝負となる。打ち合いが予想され、7~10点勝負になっていてもおかしくない。