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「横浜挑戦権」と「夏のシード権」をかけて!混戦模様の香川大会を徹底解説

2019.03.07

 3月20日(水)に香川県丸亀市の[stadium]レクザムボールパーク丸亀[/stadium]で開幕。センバツ出場の高松商を除く37校34チーム(連合チームは石田・笠田・琴平善通寺一・飯山)が参加し、3月31日(日)に<雨天順延>香川県高松市のレクザムスタジアムで行われる決勝戦・3位決定戦まで2会場で計34試合が開催される「平成31年度春季四国地区高等学校野球香川県大会」。
 今回は2月15日(金)に行われた組み合わせ抽選会の結果を反映し、7月13日(土)から25日(木)まで開催予定の第101回全国高等学校野球選手権香川大会への流れを含め、大会を展望していきたい。

高松商+大会3位までが夏のシードと「横浜」対戦権獲得

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秋の香川県王者・高松商

 香川県において春の県大会は四国の他3県以上に様々な特典がある。優勝校はセンバツ出場の高松商と共に4月13日(土)10時より[stadium]レクザムスタジアム[/stadium]で行われ、夏の香川大会第1シード。第2シードも決する春季四国大会順位決定戦での対戦を経て、5月3日(金・祝)から3日間、愛媛県松山市の[stadium]坊っちゃんスタジアム[/stadium]で行われる春季四国地区高等学校野球大会に出場。

 かつ、この大会では3位以内に入れば高松商と共に6月21日(金)抽選会、7月13日(土)~25日(木)開催予定の第101回全国高等学校野球選手権香川大会のシード権を手に入れると同時に、6月8(土)・9日(日)に[stadium]レクザムスタジアム[/stadium]でドラフト1位候補の最速153キロ左腕・及川 雅貴(3年)を擁する名門・横浜(神奈川)との「香川県高等学校野球連盟招待試合」対戦権を得ることができるのだ。「横浜と対戦できるのは楽しみ」。実際、2月15日(金)の組み合わせ抽選会でも多くのキャプテンから対戦を熱望する声が聞かれた。

 当然、各校のモチベーションは初戦からハイテンションとなることは確実。昨秋県大会のベスト8を対象に、志度(1位)、英明(2位)、藤井学園寒川(3位)。以下、抽選で小豆島中央尽誠学園大手前高松香川中央の順に配されたシード計7校も全く安穏としていられない。

 では、ブロック別に開幕まで1ヶ月を切った時点での情勢を展望していこう。

群雄割拠・混戦模様のトーナメント左側

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開 貴斗投手(志度)

<シード1位・志度~高松中央ゾーン>
 昨秋は右サイドの技巧派・開 貴斗(3年・171センチ62キロ・右投右打・高松市立牟礼中出身)と、県大会12打点の5番・國本 亮平(3年・三塁手・166センチ81キロ・さぬき市立さぬき南中出身)ら打線がよきハーモニーを奏で、4年ぶりの四国大会出場を勝ち取った志度だが、今回は一筋縄ではいきそうにない。

 初戦はくせ者の観音寺総合。ここを突破しても高松東と2年生では四国屈指の長打力を有する田中 大貴(遊撃手・右投右打・174センチ66キロ・三豊市立三野津中出身)がけん引する観音寺第一の勝者が待ち受ける。志度としては秋の高野連招待試合・報徳学園(兵庫)戦で鎖骨骨折したリードオフマン・田村 大樹(3年・中堅手・左投左打・三木町立三木中出身)の回復具合が大きなポイントになりそうだ。

 また、逆ブロックも昨年香川大会ベスト8の高瀬をはじめ、高松桜井高松中央も力は拮抗しており、8強入りの行方は全く読めない。

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8強入りの秋にサヨナラ勝ちした四国学院大香川西と初戦でぶつかる香川中央

<シード校・大手前高松~シード校・香川中央ゾーン>

 昨秋は県準々決勝で志度に競り負けたものの、大手前高松が中心の展開となりそう。初戦は高松南、次戦も坂出工坂出商らの勝者といった実力者が待ち受けるが、四国選抜チオーストラリア遠征メンバーの井上 治樹(3年主将・三塁手・右投左打・174センチ70キロ・善通寺市立西中出身)が「最少失点でしのげるかがポイント」と語る守備力から攻撃につなげ、春の県大会・四国大会連覇を狙う。

 逆ブロックの注目は昨秋2回戦の再現となる香川中央対四国学院大香川西の一戦。前回の対戦では二転三転の末逆転サヨナラ勝ちした香川中央がベスト8入りへの扉を開いているが、四国学院大香川西もここは譲れないところ。例年チームコーディネーションに強みを持つ香川中央に対し、昨秋より指揮を執る1995年・観音寺中央センバツ初出場初優勝メンバーの1人である高木 稔之監督がいかに対抗力を付けてきたかも勝敗を左右する着目点となるだろう。

[page_break:激戦必至・予測不能のトーナメント右側]

激戦必至・予測不能のトーナメント右側

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最速138キロ右腕と同時に打でも注目される津田のサンドゥ・シャーン・タヒル(新3年)

<シード3位・藤井学園寒川~シード校・尽誠学園ゾーン>

 最激戦ゾーンである。昨秋県大会ベスト4の藤井学園寒川は、最速147キロ右腕・加茂 優太(3年・171センチ70キロ・右投右打・大阪生野リトルシニア<大阪>出身)が150キロを見据え、昨秋は投手としても奮闘した平井 翔馬(2年・一塁手兼投手・右投左打・189センチ84キロ・枚方ボーイズ<大阪>出身)をはじめ打線のバランスもよいが、初戦の相手は昨夏の甲子園出場校・丸亀城西。秋に延長10回11失点で志度の躍進を許した屈辱を糧に、練習試合初戦からドラフト1位候補の最速150キロ右腕・西 純矢創志学園<岡山>3年)、センバツ出場の市立呉といった全国レベルのチームと続けざまに対戦する経験を活かすことができれば、大会の様相は一気に変わってくる。

 また、このゾーンには好選手が目白押しだ。高松北の右腕・大西 弘貴(3年・右投左打・180センチ71キロ・香川県立高松北中出身)、インドネシアの血を引く津田の最速138キロ右腕のサンドゥ・シャーンタヒル(3年・右投左打・178センチ68キロ・さぬき市立さぬき南中出身)は初戦で直接対決。

 また、三本松の最速140キロ右腕・上杉 綸聖(3年・右投右打・168センチ65キロ・さぬき市立長尾中出身・四国選抜オーストラリア遠征メンバー)は「秋は高松商に負けた(1対2)ので、リベンジできるように」と頂点を志す。森 一真(3年・右投右打・169センチ54キロ・高松市立玉藻中出身)と、内山 翔斗(3年・右投右打・166センチ58キロ・高松市立屋島中出身)が組む高松西の二遊間も技術力が高い。

 そして1年夏から正捕手を張る丸亀岡本 匠平(3年・右投右打・171センチ80キロ・丸亀市立南中出身)と、四国選抜オーストラリア遠征で攻守に躍動した尽誠学園永尾 斗摩(3年・右投右打・185センチ87キロ・大阪八尾ボーイズ<大阪>出身)とによる「強肩捕手対決」も、大会を大いに盛り上げそうだ。

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黒河 竜司投手(英明)

<シード校・小豆島中央~シード2位・英明ゾーン>
 四国選抜オーストラリア遠征では高松商香川 卓摩と共に左右二枚看板を形成した最速143キロ右腕・黒河 竜司(3年・右投右打・180センチ85キロ・高松市立屋島中出身)がエースを務め、春秋通じ5季連続で四国大会出場を逃していない英明がベスト4の本命。が、ここも波乱の要素を十二分に含んでいる。

 英明が初戦で対戦する高松工芸は昨年12月、四国選抜オーストラリア遠征前の練習会をサポート。トップレベルと相まみえた経験を試合に出したいところ。また、「東京まで男子バレー部の春高バレー応援に行って『やり方次第では全国でも2勝できる』と大いに刺激を受けた」(前川 正勝監督)多度津も結束力の高さには定評がある。>/p>

 また逆ブロックに目を転じると、シード校の小豆島中央と俊足が持ち味の砂川 太雅(3年・右翼手・右投左打・168センチ59キロ)はじめ、身体能力の高い選手が多い藤井が激突する一戦は大会屈指の好カード。さらに昨夏の香川大会準優勝をベンチで経験した4名を中心に再びの古豪復活を期す高松も虎視眈々と上位を狙う。

(文=寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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