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咲き乱れる実力校!平成最後の愛知の春を制するのは?【愛知県大会展望】

2019.03.03

 今年も高校野球のシーズンが近づいてきた。愛知では、3月21日(木)春季大会地区予選が開始になる。どこのチームが春季大会で結果を残し夏へと自信をつけていくのか非常に楽しみな大会だ。今回は春季大会注目校、注目選手について紹介する。

最大の激戦区・西三河

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西尾東のエースで4番・山田紘太郎

 県内5地区の中では、このところは西三河地区が最大の激戦となってきている。

 昨秋は西尾東が1位通過すると、その勢いで県大会では享栄至学館といった有力私学を下して4強入り。東邦には大敗し、3位決定戦では中部大春日丘と共に20点を超える大乱戦の末に敗れて、東海大会進出を逃した。

 とはいえ、エースで4番の山田紘太郎君を含め個々の能力も高い。そして何より、寺澤康明監督の指導理念が伝わっており、野球に対する姿勢が素晴らしく、戦いながらチーム力を上げていくのも特徴である。

 公立勢では名門の刈谷豊田北、岡崎工、刈谷北などが昨秋県大会に進出している。面白い存在は一昨年力を示した豊田工とトリッキーにして基礎のしっかりした野球が持ち味の安城西尾。しっかりとした指導が浸透している安城東豊野に伝統の豊田西も注目だ。

 昨夏の東愛知代表となった愛産大三河は甲子園を経験した上田希由翔君と櫻井仁生君のバッテリーとシュアな石原剣太君が残った。安城学園岡崎城西も上位を窺うが、面白いのは科技高豊田か。昨秋の2位での県大会進出は自信となっているはずである。

目が離せない東三河地区

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東三河の豊川高校

 東三河は、昨秋は例年に比べるとやや低迷したが、1位通過の豊川豊橋中央が県大会ベスト8に残った。

 豊川は、やはり同地区では最も安定している。近年、毎年好投手のいる愛知桜丘も続く存在となっている。秋季地区2位通過の国府や絶対的な練習量を誇る渥美農、伝統校の時習館成章。豊橋工と21世紀枠でセンバツ出場を果たした時の林泰盛監督が異動して指導している豊橋西などの戦いも目が離せない。

[page_break:好カード揃いの名古屋地区、健闘光った知多地区/最有力校を追う私学勢]

好カード揃いの名古屋地区、健闘光った知多地区

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激戦区・名古屋地区を戦う中京大中京

 名古屋地区はセンバツ出場の東邦は予選免除。他のシード校は、それぞれ会場校となっているのでA~Mまでの13ブロックに分散している。
 もっとも、グラウンドが狭い中京大中京は会場が名城大附グラウンドとなり、しかもそこに大同大大同も加わっており、やや激戦となっている。

 享栄栄徳中部大春日丘星城、愛産大工、愛知に新グラウンドの完成した至学館、昨夏の代表校愛工大名電はほぼ間違いないであろう。
 そんな中で、「享栄・名市工」、「中部大一日進西」、「栄徳菊華」、「至学館天白」などは気になるカードではある。

 昨秋は健闘の光った知多地区。県大会後の全尾張大会を制した大府と決勝を戦った東浦に、神村学園(鹿児島)を甲子園に導くなど実績のある山本常夫監督が就任して躍進著しい日本福祉大付も注目だ。4番を任される小林天優君は強打強肩捕手としての期待も高い。

 4つに分かれた一次予選リーグで上位2校が二次トーナメントに進出するが、Aゾーンは大府日本福祉大付が同じ組となった。半田と愛知横須賀という同地区を代表する進学校の両校も、同一ゾーンとなって厳しい戦いが予想される。他には、半田工が東浦にどう挑むか、知多翔洋阿久比の対決も面白そうだ。

最有力校を追う私学勢

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小牧南の安藤大斗投手

 尾張地区は、昨秋県大会で16強以上に残ったのはベスト8の誠信愛知黎明の2校だった。総合力では澤野聖悠君らを中心とした打線に力があり、全尾張大会で4強に進んだが最有力だ。追うのが誠信、愛知大成などの私学勢ということになる。ただ、愛知啓成愛知黎明といった強豪で指導者の謹慎等が相次いでいるのが気になる。

 面白いのは粗削りながら、135キロ以上のストレートに威力のある安藤大斗君がいる小牧南だ。一冬越えて、どこまで精度が上がっているのか見てみたい投手だ。

 他には昨春の県大会で中京大中京に大勝して驚かせた西春。毎年きっちりと仕上げてくる津島犬山一宮南などにも注目だ。

(文=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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