試合内容、数字面で圧倒的に上回る東海大菅生に対し、関東地区はどう対抗するのか??
ポイントとなった関東準々決勝・東京決勝のスコアを振り返る
左から加藤 匠(東海大甲府)、及川 雅貴(横浜)、中村 晃太朗(東海大菅生)、梶塚 彪雅(前橋育英)、松倉 亮太(佐野日大)
さて、関東・東京である。関東準々決勝敗退4チームと東京準優勝の東海大菅生の争いとなっているが、関東準々決勝敗退4チームは総じて負け方が良くない。
山梨学院 9-1 前橋育英(7回コールド負け)
桐蔭学園 8-1 佐野日大
習志野 8-4 東海大甲府
春日部共栄 9-2 横浜(7回コールド負け)
コールド負けが2試合である。では比較対象になる東海大菅生の決勝戦を見ると、
国士舘 4-3 東海大菅生
なんと1点差である。ポイントとなる試合を見ると、東海大菅生が完全優勢に入っている。ただいろいろな報道を見ると横浜と東海大菅生の一騎打ちという形となっている。ここで両校を比べていきながら見ていきたい。
タレント力は全国屈指の横浜
【チームデータ・チーム評】
公式戦勝敗 8試合7勝1敗
県大会優勝
総得点 47得点
総失点 18失点
関東大会のチーム打率.302
野手も攻守の総合力では1年の小園海斗と引けを取らないレベルにある度会 隆輝、一発を打つ長打力、巧みな一塁守備を持つ主将・内海貴斗、準決勝の慶應義塾戦でサヨナラ本塁打を放った小泉 龍之介、投手では140キロ前半の速球、スライダーを投げ分ける大型右腕・木下 幹也、140キロを超える速球と鋭く落ちるスライダーをコンビネーションにする大型左腕・松本 隆之介とタレント力では全国トップクラスである。
それだけに準々決勝の負け方が良くない。3回まで2対5と、6回裏に一挙4点。反撃もできずに敗れた。横浜とすれば、激戦区の神奈川を勝ち抜いて優勝した点と秋季大会の通算成績、個々のタレント力を強みにして訴えるしかないだろう。
[page_break:成績、試合内容、タレント力も申し分ない東海大菅生]成績、試合内容、タレント力も申し分ない東海大菅生
【チームデータ・チーム評】
公式戦勝敗 8試合7勝1敗
都大会 準優勝
総得点 62得点
総失点 12失点
都大会のチーム打率.319
東海大菅生はすべてにおいて圧倒的。二桁得点が4試合、最多失点が4。3回戦以降から4試合連続無失策。成績だけ見れば攻撃力、守備力ともに東海大菅生に分があるという評価になる。さらに個人を見ていっても、3番小山 翔暉は走攻守三拍子揃ったドラフト候補と目される捕手で、打率.286、6打点、5盗塁という成績を残し、4番杉崎 成は打率.409、4打点で一発を秘めた期待の1年生4番杉崎 成、5番成瀬 脩人は高い守備力とバットコントロールの高さをウリにする好ショートで都大会では打率.455、7打点と高い成績を残している。
さらにエースで全国レベルの技巧派左腕・中村 晃太朗は都大会の防御率が防御率2.14、42回を投げて41奪三振、与四球がわずかに9個と及川よりスピードは15キロ~20キロ遅くても数字面では圧倒的に上回っているのだ。タレント力という点では東海大菅生も負けていない。
繰り返すが、チーム成績、ポイントとなる試合を見ても東海大菅生が圧倒的有利。さて関東地区の学校が選ばれた場合、どういう理由付けで選出理由を話すのかも注目していきたい。
(文=河嶋 宗一)