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激戦の近畿地区の選考!ベスト8敗退チームはどこが出ても楽しめる!

2019.01.24

激論になりそうな近畿地区の選考!

激戦の近畿地区の選考!ベスト8敗退チームはどこが出ても楽しめる! | 高校野球ドットコム
左から西野 力矢(大阪桐蔭)、林 直人(報徳学園)、小橋 翔大(福知山成美)、緒方 隆之介(市立和歌山)

 25日の選抜出場校が決まる。最も気になるのが近畿地区の行方。近畿地区の枠は6枠。例年を振り返れば、近畿大会で2勝しているベスト4のチームは有力。議論になっているのはボーダーラインに入っている準々決勝敗退の4チームのうち選ばれる2校はどこか。

 この4校、見方や評価基準によってはどこが選ばれてもおかしくないし、落選してもおかしくない。実際に筆者も近畿大会準々決勝4試合を取材させていただいたが、それぞれに個性があって、好選手もいて、4チームともよいチームだと思う。今回は4チームのデータ・注目すべき選手を紹介していきながら、選抜選考、その後の選抜を楽しめたらと思う。

まず近畿大会ベスト4はこちら。
龍谷大平安(優勝)、明石商(準優勝)、履正社智辯和歌山
そしてベスト8入りしたのが、

市立和歌山(和歌山)、福知山成美(京都)、報徳学園(兵庫)、大阪桐蔭(大阪)だ。

試合内容は最も良い市立和歌山

【チームデータ・チーム評】
公式戦勝敗 9試合7勝2敗
県大会 準優勝
総得点 49得点
総失点 22失点
近畿大会のチーム打率.356

 優勝した龍谷大平安に延長10回裏サヨナラ負けと内容は最もよいチーム。9試合で49得点を挙げているように打撃が良い。近畿大会で打率.625を記録した緒方 隆之介遊撃手は近畿に出場した遊撃手では最もパワフルな打撃をしていて、打球が速い。守備のスピードが磨かれれば、注目される存在になりそう。181センチ左腕・岩本 真之介は130キロ前半だが、しっかりと体を作り、上半身を鋭く回旋できる形を覚えれば、140キロ台に到達する可能性は十分にある。

 堅実な試合運びで勝ち進む市立和歌山スタイルはそのままにパワフルさを加え、甲子園出場が決まれば、上位進出が期待できそう。

センターラインに逸材がいる福知山成美

【チームデータ・チーム評】
公式戦勝敗 9試合8勝1敗
府大会 優勝
総得点 45得点
総失点 19失点
近畿大会のチーム打率.254

 

 京都大会でも盤石の戦いを見せ優勝したように、攻守ともに安定感がある。エースの小橋 翔大は直球のスピードは130キロにも満たすことはないが、カーブ、スライダーを高低に投げ分け、打たせて取る投手。スピードがなくても、駆け引きができれば勝負ができると思わせる好投手だ。この小橋の持ち味を引き出すのが原 陽太。高いキャッチング技術と打者の傾向を読んだインサイドワークは全国レベルの捕手と推していい。また2試合で打率.571を記録した東原 成悟は高い打力と堅実な守備力をウリとする好ショート。履正社の145キロ左腕・清水 大成から左前安打を放っており、選抜に出場すれば注目を浴びるショートとなりそう。

 高い守備力があり、センターラインを中心に好選手が揃う。全国大会でも戦えるレベルにある。

 準々決勝は履正社に0対5で敗退。その履正社は準決勝で龍谷大平安にコールド負けしたが、履正社の敗退内容は選考に影響するのか注目が集まる。

[page_break:全国レベルの左腕・林直人擁する報徳学園/選手のポテンシャルの高さならば圧倒的な大阪桐蔭]

全国レベルの左腕・林直人擁する報徳学園

【チームデータ・チーム評】
公式戦勝敗 7試合5勝2敗
県大会 3位
総得点 39
総失点 15
近畿大会チーム打率.267

 近畿大会ではチーム打率.267。打線の調子が上がらない中でも勝ち上がれたのはエース林 直人の存在が大きい。左腕ながら130キロ後半・最速143キロのストレートを投げ込み、さらにスライダーの切れもよい。全国クラスの左腕であり、選抜に出場すれば、注目左腕に挙がるだろう。1回戦では滋賀1位の近江を破り、準々決勝の明石商戦では7回表まで0対0の好勝負を演じた。この接戦をどう評価するのか、ポイントになりそう。
 

 課題の打撃だが、11月の招待試合では神宮大会出場の高松商相手に10対3と勝利を見せており、成長を見せつつある。

選手のポテンシャルの高さならば圧倒的な大阪桐蔭

【チームデータ・チーム評】
公式戦勝敗 8勝2敗
府大会 準優勝
総得点 89
総失点 26
近畿大会チーム打率.344

 今回の選考で注目が集まっているのは大阪桐蔭が選出されるか、否か。総得点89と圧倒的。チーム打率.344を超え、オフェンス面では圧倒的。その中心となる1年生3番・西野 力矢、4番・船曳 烈士、前チームの経験者の山田 優太宮本涼太と上位下位まで切れ目のない打線。

 一方、投手力。投手の平均球速、投球内容を見ると、大阪桐蔭の投手陣は報徳学園に林に次ぐほど。ただ全国レベルで勝つにはもう一押しところがほしいところ。右腕・新井 雅之、中田 惟斗は常時135キロ程度。よくいえばまとまっているが、特徴がなく、全国レベルの打線と対戦するとまだ物足りなさを感じる。左腕・髙野 裕輝は130キロ後半の速球を投げ込み、まだまだこれからという印象を受けたが、ポテンシャル自体は高いものがあり、うまく育てば常時140キロ台の速球を投げる左腕へ成長する可能性を秘めている。

 

 ポテンシャルの高さを評価して大阪桐蔭になるのか、それとも好投手・林を中心とした守備力を評価して報徳学園、優勝した龍谷大平安に接戦、総合力が高い市立和歌山か、センターラインに中心選手が集まる福知山成美か。近畿ベスト8チームは、ハイレベルで甲子園でも勝ち進むことが期待できて、どこが選出されても楽しめる。それだけは断言したい。

(文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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