黒川、東妻、来田など近畿の野手たちに注目!選抜出場校逸材ガイドブック【西日本野手編】
長きにわたった選抜出場校の逸材紹介も最終回。最終回は西日本の逸材野手を紹介していきたい。
全国レベルの野手が集う近畿地区は好野手の宝庫
主将で4番の水谷祥平(龍谷大平安)には注目だ
■要注目野手リスト
水谷祥平(龍谷大平安)
中島大輔(龍谷大平安)
奥村真大(龍谷大平安)
水上桂(明石商)
来田涼斗(明石商)
黒川史陽(智辯和歌山)
東妻純平(智辯和歌山)
西川晋太郎(智辯和歌山)
細川凌平(智辯和歌山)
井上広大(履正社)
小深田大地(履正社)
野口海音(履正社)
東原 成悟(福知山成美)
原 陽太(福知山成美)
緒方 隆之介(市立和歌山)
近畿地区は逸材野手が非常に多い。龍谷大平安は去年に引き続き、逸材野手が揃う。主将としてチームをひっぱる水谷は近畿大会でも履正社の清水大成から特大の本塁打を放つなど存在感を示した。強肩で勝負強く楽しみな中距離打者。2年前、中日入りした伊藤康祐(中京大中京)とひけをとらないレベルにある。
1番を打つ中島大輔は決勝戦の明石商戦で記録した中前二塁打で7秒57を記録。二塁打の基準が8秒29であることを考えるとおそるべし脚力である。体幹をうまく使ったスイングでこじんまりしたところがなく、打球を遠くへ運ぶスイングを覚えれば、強打の1番打者に成長する予感をさせる。
奥村真大は東京ヤクルトの奥村展征の弟。兄と同じくここぞという場面で打てる勝負強さは必見。遠くへ運ぶスイングができており、本塁打量産も期待できる。三塁守備を鍛え、甲子園のスターと呼ばれる活躍を期待したい。
奥村展征(東京ヤクルト)の弟である奥村真大(龍谷大平安)
鉄壁の守備力を誇る明石商をまとめる好捕手・水上桂。1.9秒台の強肩に加え、打者の狙いを外すインサイドワーク、広角に打ち分けるバットコントロール。大学球界でも活躍できそうな基礎能力を備えた逸材だ。そして1番来田涼斗は柳田悠岐ばりのフルスイングを見せるスラッガー。藤原恭大(大阪桐蔭)の1年時と比較しても負けていない選手だといえる。
ベスト4進出の智辯和歌山は好野手の宝庫。選抜でサヨナラ安打を打つなど勝負強さを発揮した黒川史陽は捻りが大きい打撃フォームになっているのが気になるが、体のパワー自体は素晴らしいので、無駄のない打撃フォームを追求しながら高打率を残し、二塁守備を磨き、選抜では指名候補にリストアップしたくなるような活躍を見せてほしい。
そして東妻純平(智辯和歌山)は強打の捕手へ成長。近畿大会時点では高校通算17本塁打。東妻曰く本塁打を量産するようになったきっかけは飛距離のある本塁打を打ち、本塁打を打つ感覚を覚えたこと。スローイングタイム1.9秒台の強肩に加え、巧みなインサイドワーク、投手の調子によって構える位置を変えるなど、東妻なしにして近畿ベスト4はない。ぜひ全国ナンバーワン捕手と呼ばれる活躍を見せたいところ。
さらにはスピーディな守備を見せるショートストップ・西川晋太郎、すでに全国レベルの守備、打撃技術がある好打の外野手・細川凌平、ここぞという場面で脅威の集中力を発揮し、9番打者とは思えない打撃を見せる綾原創太と進化が楽しみな野手が多い。
履正社も大型スラッガー・井上広大、2年生スラッガー・小深田大地、強打の捕手・野口海音の進化に期待したい。この3人以外にも好野手が揃い、野球関係者にとっては見逃せないチームだろう。
福知山成美は攻守にバランスが取れたショートストップ・東原 成悟(福知山成美)、強打でキャッチングが優れた捕手・原 陽太(福知山成美)に注目だ。
さらに6枠目の出場となった市立和歌山の緒方 隆之介は注目の遊撃手。左足を高々と上げたフォームから鋭い打球を連発する。さらに守備を磨き、評価を大きく上げたい。
[page_break:中四国・九州地区の逸材野手たち ]中四国・九州地区の逸材野手たち
宗山塁(広陵)は奥川恭伸(星稜)から2安打を放った
■要注目野手リスト
宗山 塁(広島広陵)
中村 楓大(広島広陵)
福島 悠高(米子東)
沼田歩(市立呉)
飛倉 爽汰(高松商)
大村 侑希(松山聖陵)
江原 佑哉(筑陽学園)
中村 敢晴(筑陽学園)
福岡 大真(筑陽学園)
野邊 優汰(明豊)
布施 心海(明豊)
足立 駿(大分)
江川 侑斗(大分)
深草 駿哉(日章学園)
森永光洋(日章学園)
中国地区優勝の広島広陵は逸材野手が多く揃う。宗山塁(広島広陵)は星稜の奥川恭伸から2安打を放った左の好打者。セカンド守備もスピーディで野球センス抜群の好野手。ここで存在感を示せば大きく騒がれる存在となりそう。下級生の時から活躍を見せていた中村 楓大(広島広陵)にも期待してみたい。
米子東は一塁手の福島 悠高に注目。中国大会まで高校通算12本塁打を放ち、変化球をうまくさばける対応力の高さが光るスラッガーである。
高松商は抜群のバットコントロールを誇り、どの投手に対しても的確にミートし安打を量産。そして一歩目の動きが速い外野守備が魅力の飛倉 爽汰(高松商)、そして松山聖陵は185センチの大型一塁手・大村 侑希は躍動感ある動きとパワフルなスイングが光る。
中四国の5枠目の出場となった市立呉の主軸・沼田歩はレベルスイングから広角に鋭い打球を飛ばし、俊足で、守備範囲も広い好打の外野手。センス、技術を兼ね備えた外野手だ。
主将として筑陽学園を引っ張る江原佑哉
九州地区でも全国的に見てもレベルが高い野手が多いのが特徴。優勝した筑陽学園はパンチ力のある打撃でチームを牽引する二塁手・江原 佑哉、しなやかな動きをした遊撃守備と球足が速い打球を放つ大型遊撃手・中村 敢晴(1年)、1993年夏の甲子園準優勝投手の福岡真一郎さん(樟南)の息子で、パワフルな打球と強肩を披露する福岡 大真と楽しみな野手が多い。
準優勝の明豊は下級生から動きの良さが光っていた三塁手の野邊 優汰、1年生ながら打撃技術がチームトップクラスの布施 心海に注目だ。
ベスト4の大分は大型二塁手・足立 駿、優れたキャッチング技術と好打が光る大型捕手・江川 侑斗の進化に期待がかかる。またベスト4の日章学園は九州大会で高打率を残した捕手・深草 駿哉、俊足好打の森永光洋の活躍に期待がかかる。
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東日本投手編(北海道・東北・関東・東京・東海・北信越)
東日本野手編(北海道・東北・関東・東京・東海・北信越)
西日本投手編(近畿・中国・四国・九州)
(文=河嶋 宗一)