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奥川、及川の両剛腕に注目!第91回選抜逸材ガイドブック!【東日本投手編】

2019.01.25

見逃し厳禁!要注目の5投手

奥川、及川の両剛腕に注目!第91回選抜逸材ガイドブック!【東日本投手編】 | 高校野球ドットコム
左から前佑囲人(津田学園)、奥川恭伸(星稜)、及川 雅貴(横浜)、飯塚脩人(習志野)

 平成最後の選抜となる、第91回選抜高等学校野球大会の出場32校が決まった。その最後の大会を盛り上げるにふさわしい選手が集った。今回は4つに分けて注目選手を紹介していきたい。【選手名鑑をチェック!】

東日本 要注目投手リスト
奥川恭伸星稜
飯塚 脩人習志野
及川 雅貴横浜
前 佑囲斗津田学園
岩本大地石岡一

 今大会の注目投手は奥川恭伸星稜)だ。どの試合でも常時140キロ後半のストレートを投げ込み、縦スライダー、135キロ前後のフォーク、カーブを織り交ぜながらピッチングを展開。さらに力の強弱もつけられて、高校生投手のレベルの範疇を超えている。

 奥川は選抜へ向けて、「このままブラッシュアップをさせていきたいですし、現状の球種をブラッシュアップさせたい」とストレート、フォークなどの精度向上に励んでいる。また奥川が課題にしていたのは調整力。「まだ自分が調子を出せる調整法が見つかっていない」と語るように、それを見つけることができれば評判通りのピッチングを見せてくれるに違いない。

 習志野飯塚脩人は関東大会でも最速145キロをマークした速球派。粗削りなところはあるが、ここぞという場面で140キロ中盤で押せるのは魅力。まだ制球力、変化球の精度など課題は多くある。ただ彼を見ると、「ボールの威力、スピードも大事だな」と感じさせる速球派だ。選抜までには総合力を大きく引き上げて勝負してほしい。

 関東5枠目で選出されたのが及川雅貴横浜)。左腕から最速153キロのストレート、切れ味鋭いスライダーを投げ込み、平均球速144キロは大学・社会人の左腕を凌駕するものがある。あとは投球の引き出しを広げ、制球力を高め、モノの違いを見せることができるか。10年前、菊池雄星が別格のピッチングを見せて、一気にドラフト競合候補になったように、及川にもそんなピッチングを期待したい。

 東日本でドラフト候補として注目すべきな投手はまだまだいる。津田学園前 佑囲斗は体重移動も滑らかで、上半身の腕の振りも鋭く、140キロ前半の速球を投げ込む本格派右腕。変化球の精度も高く、このまま成長していけば、一気に注目度が上がりそうだ。

 21世紀枠では最も大物とみられていた岩本大地石岡一)の選出も決まった。172センチと上背は大きくないが、最速147キロの速球は威力抜群。多くの野球関係者が岩本の将来性を注目しており、岩本にとっては人生がかかった甲子園のマウンドだといえる。

[page_break:まだまだいるぞ!注目投手を一挙チェック!]

まだまだいるぞ!注目投手を一挙チェック!

奥川、及川の両剛腕に注目!第91回選抜逸材ガイドブック!【東日本投手編】 | 高校野球ドットコム
左から後藤丈海(八戸学院光星)、西原健太(札幌大谷)、伊禮海斗(桐蔭学園)

西原健太札幌大谷
太田流星札幌大谷
後藤丈海八戸学院光星
伊禮 海斗桐蔭学園
山内 翔太習志野
駒井 祐亮山梨学院
山崎 晟弥(国士館)
白須 仁久(国士館)
植田 結喜東邦
奥田 優太郎東邦
安積 航大啓新
荻原 吟哉星稜
寺西 成騎星稜

 神宮大会で星稜打線を1失点に抑えた西原健太札幌大谷)は140キロ前後ながらも回転数が多く、シンカー気味に落ちるチェンジアップ、スライダーを投げ分け、左打者を苦手にしない右投手。対する太田はアンダー気味のサイドハンド。何といっても魅力なのは高速テンポのピッチング。捕手からボールを受け取ってから3秒~4秒ぐらいの間隔で投げ込み、打者に考える暇を与えないピッチングは脅威だ。

 後藤丈海八戸学院光星)は球速は130キロ台ながらも内外角への出し入れが巧みで過去の八戸学院光星のエースのテクニックを引き継ぐ好投手。選抜でも勝てるピッチングができるか。

 伊禮 海斗桐蔭学園)はけん制技術が優れた左腕。一言でいうとじれったさを持った投手だ。ストレートは130キロ弱。曲がりが鋭いカーブ、チェンジアップがあるとはいえ、全国的に見れば平均的な左腕。ただ投球のテンポが一定ではなく、雰囲気を見ながら早くしたり、遅くしたりする。打者からすれば嫌らしい左腕だ。10年ぶり出場の習志野の1年生左腕・山内翔太も120キロ中盤の速球とチェンジアップ、カーブを駆使するピッチングで好投。関東大会では防御率2.70だったが、県大会では好投を見せ、関東大会出場の原動力となった左腕。さらに打撃もよく、投打で注目の選手だ。

奥川、及川の両剛腕に注目!第91回選抜逸材ガイドブック!【東日本投手編】 | 高校野球ドットコム
左から植田結喜(東邦)、荻原吟哉(星稜)、駒井祐亮(山梨学院)

 関東大会で最速140キロを計測した駒井 祐亮山梨学院)も楽しみな左腕。課題は変化球の精度、制球力を高めること。本人も関東大会の好投で自信を深めており、春でも躍動する。

 最速138キロ右腕・山崎 晟弥(国士館)、130キロ前半ながら投球フォームが良い白須 仁久(国士館)も面白い。

 東海地区では本格派左腕・植田 結喜東邦)、140キロを超える速球を投げ込む右サイドハンド・奥田 優太郎東邦)の2人に期待。監督、チームメイトがキーマンとして期待する植田は好調時には140キロを超える速球と切れ味鋭いスライダーで勝負する投手で、植田が先発で活躍できると、東邦の上位進出が期待できそうだ。

 北信越地区では星稜のエース・奥川以外にも好投手が多く、特に1年生の荻原 吟哉寺西 成騎に注目。荻原は135キロ前後の速球、スライダー、カーブを丁寧に投げ分ける好右腕で、寺西は186センチ76キロと恵まれた体格から投げ込む速球派右腕。昨夏の甲子園でも140キロ台の速球を投げ込んだ大型右腕。さらなる成長を見せ、奥川の負担を軽くしたいところ。

 初出場の啓新からエースの安積航大もフォームの動きが良く、伸びのある直球、変化球を丁寧に投げ分け、北信越大会では4試合登板して、防御率2.52の成績を残した。

▼91回大会センバツ注目選手シリーズ
東日本投手編(北海道・東北・関東・東京・東海・北信越)
東日本野手編(北海道・東北・関東・東京・東海・北信越)
西日本投手編(近畿・中国・四国・九州)

西日本野手編(近畿・中国・四国・九州)

(文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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