第828回 キューバ遠征から見えた国際大会での戦い方2019年01月05日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

【目次】
[1]投球 チェンジアップやフォークなど縦系の変化球を武器にする制球力が高い左腕は通用しやすい
[2]天然芝やデコボコのグラウンドに対応ができるか
[3]異国の地で起こるすべての出来事を受け入れることができるか


 12月15日から始まった東京都高野連によるキューバ遠征。高校野球ドットコム編集部も遠征に同行した。キューバの野球、文化、キューバ人の人となりを知ることができて、とても参考になる遠征だった。さて、前編の総括でもお伝えしたように、この遠征は東京代表の選手たちの成長ぶりを追うだけではなく、プレ世界大会を位置づけ、9月の世界大会でどう戦うべきなのか?を考えていた。

「チームが1つになった」と実感!キューバに1勝した東京代表の軌跡

投球 チェンジアップやフォークなど縦系の変化球を武器にする制球力が高い左腕は通用しやすい



大会を通して好投した細野晴希(東亜学園)

 とにかくキューバ打線は強力だった。中村 晃太朗は「日本の打者にはないパワーがあり、ヒットで済むような当たりが長打、本塁打になったりした」。そういう打線に脅威を発揮したのは落ちる球だ。その中でも大きく通用する投球を見せたのが中村と3試合で13イニングを投げて自責点1の好投を見せた細野 晴希東亜学園)だ。

 中村はチェンジアップで、細野にはフォークがあった。何より2人は制球力が優れ、コーナーを出し入れすることができる。さらにメンタリティも優れ、中村は絶対にマウンドを明け渡さないエースらしいプライドが見え、それが好投につながった。細野はどんな場面に出てきても飄々と抑える粘り強さがある。キューバ打線相手に好投ができた2人は日本代表候補としてマークされることになりそう。さらに実力をワンランク引き伸ばしてほしい。

平均球速140キロ~145キロ越えの右投手は有利

 投手はスピードではなく制球力だという声はあるが、国際大会ではやはりスピードも重要。特に右投手の場合、制球力は高くても、130キロ後半で、スライダー主体のピッチャーはパワーで持っていかれる姿を、キューバ遠征だけではなくこれまでの世界大会で目にしてきた。

 ただ平均球速が140キロ越えの投手はストレート主体で押すことができる。このレベルは145キロを1イニングで2、3球は投げられる投手は140キロ以下を下回ることはほとんどない。今回、それに該当したのは井上 広輝日大三)である。今回のキューバのU-18代表で井上のストレートをまともに前に飛ばした打者はいなかった。

 2019年度の高校3年生投手は平均球速が140キロ越え、さらに決め球に空振りが奪える変化球を持ち合わせ、制球力が優れた右投手が多い。そういう意味で井上は良い見本になってくれたと思う。

【次のページ】 守備 天然芝やデコボコのグラウンドに対応ができるか

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第10回 キューバ野球は日本野球のレベルを高める材料がたくさん詰まっていた【前編】【世界の高校野球】
第831回 キューバで見つけた逸材たち【後編】 ラテン男の雰囲気を持っていた日本大好きなアベレージヒッター【大会展望・総括コラム】
第830回 キューバで見つけた逸材たち【前編】 偉大な父の血筋を引き継いだ長身速球派右腕・ノルヘ・ベラ【大会展望・総括コラム】
第828回 リードする星稜を追うのは?平成最後の選抜、新元号最初の夏に期待の注目校【2019年展望】【大会展望・総括コラム】
第827回 「チームが1つになった」と実感!キューバに1勝した東京代表の軌跡【大会展望・総括コラム】
第858回 意識付けの変化が同点打を生む!第5戦は本領発揮だ!野村 昇大郎(二松学舎大附) 【2018年インタビュー】
第856回 打撃急成長の小松涼馬(帝京)は誰よりも肝が据わっている! 【2018年インタビュー】
東京代表vs二松学舎大附【2018年 練習試合(交流試合)・秋】
第842回 キューバ遠征で自分を変えたい! 東東京屈指の速球派右腕・谷 幸之助(関東一) 【2018年インタビュー】
第831回 試合を作り、決められる最高の1番打者へ 黒川 麟太朗(国士舘) 【2018年インタビュー】
関西国際大vs創価大【2018年 第49回明治神宮野球大会 大学の部】
札幌大谷vs国士舘【2018年 第49回明治神宮野球大会】
第816回 打たせて取るスタイルに磨きをかける!中村晃太朗(東海大菅生)が目指す投手像 【2018年インタビュー】
東海大菅生vs国士舘【東京都 2018年秋の大会 東京都大会】
国士舘vs東亜学園【東京都 2018年秋の大会 東京都大会】
試合で役立つメンタルマネジメント
石坂 大河(創価) 【選手名鑑】
伊藤 大征(早稲田実業) 【選手名鑑】
井上 広輝(日大三) 【選手名鑑】
生沼 弥真人(早稲田実業) 【選手名鑑】
荻野 魁也(岩倉) 【選手名鑑】
黒川 麟太朗(国士舘) 【選手名鑑】
小松 涼馬(帝京) 【選手名鑑】
小山 翔暉(東海大菅生) 【選手名鑑】
坂本 一樹(岩倉) 【選手名鑑】
佐藤 英雄(日大三) 【選手名鑑】
渋谷 嘉人(関東一) 【選手名鑑】
高橋 優介(八王子) 【選手名鑑】
武内 寛斗(八王子) 【選手名鑑】
谷 幸之助(関東一) 【選手名鑑】
中村 晃太朗(東海大菅生) 【選手名鑑】
成瀬 脩人(東海大菅生) 【選手名鑑】
野村 昇大郎(二松学舎大附) 【選手名鑑】
藤波 怜央(帝京) 【選手名鑑】
古川 風勝(創価) 【選手名鑑】
細野 晴希(東亜学園) 【選手名鑑】
右田 稜真(二松学舎大附) 【選手名鑑】
宮崎 恭輔(國學院久我山) 【選手名鑑】
宮里 優吾(岩倉) 【選手名鑑】
山崎 主真(都立日野) 【選手名鑑】
国士舘 【高校別データ】
創価 【高校別データ】
帝京 【高校別データ】
帝京可児 【高校別データ】
帝京第五 【高校別データ】
帝京三 【高校別データ】
東海大菅生 【高校別データ】
二松学舎大附 【高校別データ】
早稲田実業 【高校別データ】

コメントを投稿する

プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム