第828回 「チームが1つになった」と実感!キューバに1勝した東京代表の軌跡2019年01月04日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

【目次】
[1]守備面ではキューバの実力を正しく把握することに努めた
[2]打撃面では「次につなぎたい」という結果が猛打を生んだ


 東京代表は12月15日から12月27日までキューバ遠征を行った。現地時間の17日から21日まで5連戦を行い、1勝3敗1分という成績。前田三夫代表監督を「チームが1つになった」と感動させた東京代表はどんな歩みを見せたのか、振り返っていきたい。

守備面ではキューバの実力を正しく把握することに努めた



マウンドに集まる東京代表の選手たち

 現地時間12月21日、キューバに勝利した東京代表は選手、首脳陣、高野連スタッフの表情が喜びに満ちていた。それだけ勝つまで苦しかったことを現わしている。まず第1戦は3対7で敗戦。先発した中村 晃太朗東海大菅生)はキューバ打線のレベルの高さを実感していた。
「キューバの打者がパワーもすごいですが、何より外角が本当に強いです」

 4回裏、8番打者にアウトローのストレートを左中間に打ち返されたが、中村は「甘いボール、コースではなく、日本では打たれていないコース」という。それを長打にされたのは中村にとって衝撃だった。中村と、リードしていた小山 翔暉東海大菅生)は「上手かったね」と苦笑いするしかなかった。
 ただ選手たちは少しずつキューバの実力、実像をしっかりと掴もうとしていた。キューバの選手は体も大きくて、パワーが凄い、球速も速い。だからキューバにはかなわないという先入観が選手たちにはあった。ただ実際に戦ってみて、3対7で敗れたとはいえ、「意外と戦える」と手応えを感じていたようだ。リードする小山はこういう。

 「中村をリードしていて、チェンジアップは弱い。そして内角のストレートはストライクコースに入ってしまえば、かなり強いですが、ボールゾーン、高めのコースは弱いということが分かってきました」


抑えとして活躍した井上広輝

 また150キロ右腕・ 井上 広輝(日大三)は「変にかわすのではなく、押していけば抑えられるのではないかと感じました」と自慢の直球で勝負することを決意。捕手の佐藤 英雄日大三)は「速球も、変化球も一辺倒にならず、高低、コーナー、緩急をすべて駆使して抑えようと考えました」と試合を重ねるごとに攻略法を編み出していった。

 結果、中村と小山は第4戦、9回一死までキューバまでリードする試合展開に。中村は逆転を許したが、決して逃げることなく、無四球、9奪三振のピッチング。井上は直球中心の配球で計2試合を投げて5回11奪三振の快投。勝利を飾った最終戦でラストバッターに対してはフルカウントから高めの143キロのストレートで空振り三振に打ち取った投球を見せ、キューバ打線の力量を把握したうえで抑えることができた。井上は東京にいたときよりも状態は良く、第3戦の平均球速143.19キロ、第5戦の平均球速は140.91キロと、力でキューバ打線を圧倒していた。
 この遠征で最も長いイニングを投げた 細野 晴希東亜学園)は、チェンジアップを駆使して、13回を投げて、自責点1、牽制で2回も走者を刺し、最も株を上げた投手といっていいだろう。

【次のページ】 打撃面では「次につなぎたい」という結果が猛打を生んだ

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第842回 2019年は戦力充実の東海大菅生がリード!日大三、帝京は捲土重来なるか?【東京都大会抽選前展望】【大会展望・総括コラム】
第564回 意識から改善しセンバツで勝利を目指す!国士舘【後編】【野球部訪問】
第552回 緻密さと豪快さを求めて!ニュー岩倉で春に挑む!(東京)【後編】【野球部訪問】
第883回 甲子園出場!国士舘を支える投手トリオの課題と収穫 【2019年インタビュー】
第835回 石川、野村に注目!第91回選抜逸材ガイドブック!【東日本野手編】【大会展望・総括コラム】
第838回 奥川、及川の両剛腕に注目!第91回選抜逸材ガイドブック!【東日本投手編】【大会展望・総括コラム】
第884回 主将として、攻守のキーマンとして、荻野魁也(岩倉)はさらに己を磨く【後編】 【2019年インタビュー】
第858回 意識付けの変化が同点打を生む!第5戦は本領発揮だ!野村 昇大郎(二松学舎大附) 【2018年インタビュー】
第856回 打撃急成長の小松涼馬(帝京)は誰よりも肝が据わっている! 【2018年インタビュー】
東京代表vs二松学舎大附【2018年 練習試合(交流試合)・秋】
第842回 キューバ遠征で自分を変えたい! 東東京屈指の速球派右腕・谷 幸之助(関東一) 【2018年インタビュー】
関西国際大vs創価大【2018年 第49回明治神宮野球大会 大学の部】
札幌大谷vs国士舘【2018年 第49回明治神宮野球大会】
東海大菅生vs国士舘【東京都 2018年秋の大会 東京都大会】
国士舘vs東亜学園【東京都 2018年秋の大会 東京都大会】
試合で役立つメンタルマネジメント
石坂 大河(創価) 【選手名鑑】
伊藤 大征(早稲田実業) 【選手名鑑】
井上 広輝(日大三) 【選手名鑑】
生沼 弥真人(早稲田実業) 【選手名鑑】
荻野 魁也(岩倉) 【選手名鑑】
黒川 麟太朗(国士舘) 【選手名鑑】
小松 涼馬(帝京) 【選手名鑑】
小山 翔暉(東海大菅生) 【選手名鑑】
坂本 一樹(岩倉) 【選手名鑑】
佐藤 英雄(日大三) 【選手名鑑】
渋谷 嘉人(関東一) 【選手名鑑】
高橋 優介(八王子) 【選手名鑑】
武内 寛斗(八王子) 【選手名鑑】
谷 幸之助(関東一) 【選手名鑑】
中村 晃太朗(東海大菅生) 【選手名鑑】
成瀬 脩人(東海大菅生) 【選手名鑑】
野村 昇大郎(二松学舎大附) 【選手名鑑】
藤波 怜央(帝京) 【選手名鑑】
古川 風勝(創価) 【選手名鑑】
細野 晴希(東亜学園) 【選手名鑑】
右田 稜真(二松学舎大附) 【選手名鑑】
宮崎 恭輔(國學院久我山) 【選手名鑑】
宮里 優吾(岩倉) 【選手名鑑】
山崎 主真(都立日野) 【選手名鑑】
国士舘 【高校別データ】
創価 【高校別データ】
帝京 【高校別データ】
帝京可児 【高校別データ】
帝京第五 【高校別データ】
帝京三 【高校別データ】
東海大菅生 【高校別データ】
二松学舎大附 【高校別データ】
早稲田実業 【高校別データ】

コメントを投稿する

プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム