第825回 「対県内」を「対四国・全国」へ押し上げろ 秋季愛媛県大会総括2018年12月10日

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【目次】
[1]「対戦相手への意識付け」が生んだ好成績
[2]課題は「意識レベルの引き上げ」と「試合機会提供」

  第4シードから初優勝を遂げた帝京第五。第2シードから初のファイナリストとなり準優勝の聖カタリナ学園。3位に生き残った松山聖陵。そして第1シードの支持を集めながらまさかの4位に終わった今治西の順で決した「平成30年度秋季四国地区高等学校野球愛媛県大会」。県大会16試合中6試合がコールドだった一方、2点差以内が5試合。うち3試合がサヨナラゲームとなるなど、白熱した試合が繰り広げられた。

 では、そこに至った理由は何か?今回は奇遇にも四国大会進出3校の練習を準決勝前に見る機会に恵まれた筆者が「対戦相手」の視点から愛媛県高校野球の2018年秋を総括していきたい。

「対戦相手への意識付け」が生んだ好成績



帝京第五ナインと・小林 昭則監督

 「そのコースには絶対に手を出すなよ!」準決勝を目前に控えたある日・伊予市立しおさい球場に大きな声が響く。声の主は帝京第五・小林 昭則監督である。

 今大会・準々決勝までの主役は今治西。もっと明確に言えば今治西の左腕・村上 滉典(2年)だったことは誰もが認めるところだろう。1回戦の松山東戦で12奪三振2失点完投すると、芦谷 泰雅(2年主将・捕手)ら夏の甲子園ベスト4経験者が3名スタメンを張る済美からも11三振を奪い7回コールド勝ち。俊足好打の打撃も加わり、本命にふさわしい戦いを演じていた。

 が、帝京第五打線は村上の宝刀スライダーに対する低めへの見極めを徹底し「浮いた球を叩く」(1番の豊留 輝将・2年・三塁手)に策を統一。結果、準決勝では7回途中まで7安打3四死球・3得点を奪って試合の主導権を握り、最終回のサヨナラ勝ちへつなげた。

 この試合が大会自体の構図を大きく塗り替えたといっても過言ではない。帝京第五は決勝戦も2試合連続となるサヨナラ勝ちで大会初優勝。3位決定戦の松山聖陵も同様の作戦で今治西・村上を序盤で攻略。四国大会準優勝・2年連続センバツを大きく引き寄せる大きなターニングポイントとなった。

 そして、その松山聖陵に対した準決勝で初回8得点を奪い、決勝戦でも初優勝目前にまで迫った聖カタリナ学園の試合運びも見事。アプローチの方法に多少の差はあるものの、練習の中に「対戦相手への意識付け」を組み込んだ帝京第五・小林監督、聖カタリナ学園・越智 良平監督、松山聖陵・荷川取 秀明監督のタクトは、県内他校に対し春以降の示唆を与えるものであったともいえよう。

【次のページ】  課題は「意識レベルの引き上げ」と「試合機会提供」

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帝京第五 【高校別データ】
新居浜西 【高校別データ】
松山聖陵 【高校別データ】

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プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
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