東京代表20名が発表!代表選手の特徴を徹底紹介!
11月6日、東京都高野連は12月15日にキューバ遠征をおこなう東京代表20名を発表した。そして翌日7日には、代表スタッフによる記者会見が行われ、選考経過が話された。今回は代表20名について紹介したい。
打力がある投手が基準に
左:中村晃太朗(東海大菅生) 左:伊藤大征(早稲田実)
【投手】8名
11 伊藤大征(早稲田実)
13細野 晴希(東亜学園)
14中村晃太朗(東海大菅生)
17 坂本 一樹(岩倉)
15 宮里 優吾(岩倉)
16 武内 寛斗(八王子)
18 井上 広輝(日大三)
19 谷 幸之助(関東一)
まず投手について二松学舎大附の市原勝人監督によると、「やはりボールの力がある投手。またセレクションに参加した投手は色々なタイプがいる中で、縦系のウイニングショットがある投手が基準となりました。今回外野手が3人しかいないため、打力がある投手も基準となっています」と説明。その中で選ばれた8名を見てみると、確かにその基準に達している選手が多い。
伊藤は130キロ後半の速球、切れのあるスライダーを投げ込む本格派右腕。回転数が高いストレートがどこまで通用するか楽しみな存在だ。坂本は最速136キロのストレート、スライダー、フォークを武器にする技巧派左腕。打撃センスも高く、二刀流として活躍が期待できそう。
中村は130キロ前半の速球、多彩な変化球を投げ分ける左腕。投げる変化球がいずれも実戦で使えるという全国レベルのスキルを併せ持つ。左投手では最も活躍期待できる投手だ。
細野は130キロ前半のストレートとスライダー、カーブを武器にする技巧派左腕。ボールの切れがあり、牽制も巧み。ただ高低の変化をあまり使えないので、ごまかしが利かないキューバ打線相手に絶対的なウイニングショットを身につけておきたい。
武内はチームではリリーフ起用が中心だった。力のある速球とスライダーを武器にする右腕。安定感あるピッチングをキューバの舞台でも披露したい。
最速150キロ右腕・井上は報道陣に配られたメンバーのコメントを見ると、東京ジャパンのエースとして期待されている。井上は右ひじの状態が7割とのこと。それでもブルペンで投げ込むストレートは別格で、首脳陣や推薦選手の引率できていた指導者たちの目を丸くさせた。慎重な起用が予想されるが、ぜひ万全の状態を期してキューバの強打者に自慢のストレートでねじ伏せ、ぜひ「HIROKI INOUE」の名を世界に広げてほしい。
谷は好調時では140キロ超の速球を投げ込む本格派右腕。ただ調子の波が激しく、内容が安定しない。そういうのがキューバ打線相手にどう立ち向かっていくのか、谷の実戦力を高めるには良い機会である
[page_break勝利のキーポイントは木製バット!野手陣を紹介]勝利のキーポイントは木製バット!野手陣を紹介
左:小山 翔暉(東海大菅生) 中央:成瀬 脩人(東海大菅生) 右:黒川 麟太朗(国士舘)
【捕手】3名
24 小山 翔暉(東海大菅生)
25 宮崎 恭輔 (国学院久我山)
26 佐藤 英雄(日大三)
小山は高校通算15本塁打の長打力、スローイングタイム1.8秒台の強肩、塁間タイム3.9秒の俊足と身体能力抜群の捕手。ただキャッチングを見るとびた止めするわけではなく、フレーミングを使う選手でもないので、どっしり差が感じられない。レベルが高い投手相手にしっかりと捕球してストライクを取らせることをテーマに取り組んでほしい。宮崎はどっしりとしたキャッチング、2.00秒前後のスローイング、球足が速い打球を繰り出す強打の捕手。木製バットに代わってもそのままの能力を引き出せるかにかかっている。
佐藤は二期連続で甲子園を経験しており、投手の持ち味を引き出す好リードも光る。ネックである木製バット。佐藤が一段階上にいくには打撃をワンランクレベルアップして、高校レベルでは強打の捕手として呼ばれる存在になってほしいと考えていたので、佐藤にとってはレベルアップができる良い機会に恵まれたといえる。
【内野手】6名
1 生沼 弥真人(早稲田実業)
3 山崎 主真 (都立日野)
4 成瀬 脩人 (東海大菅生)
5 小松 涼馬(帝京)
7 黒川 麟太朗 (国士舘)
8 藤波 怜央 (帝京)
生沼は内野全般・外野を守れる大型打者。木製バットでも右方向へ鋭い打球が打てる選手で、今回は主将を務める。中心選手として活躍が期待できそうだ。
山崎は内野全般を守れて、さらに俊足が売り。前田監督から「こういう選手を発掘するためにセレクションを行った。一次予選敗退でも彼のような選手を吸い上げることができて、とても意義がありました」と高い評価を受けている。山崎はその期待に応えることができるのか。
成瀬は都大会で攻守にわたって活躍を見せたショートストップ。木製バットの対応を見てもかなり良く、ライナー性に鋭い打球を飛ばしている。守備も標準以上で、活躍が期待できそうだ。
小松は1年生ながら選出。守備のレベルはハイレベルで、巧みな右打ちも光る。木製バットでは力不足な感じが否めないので、木製バットを使う今回の大会を通じてレベルアップをしてほしい。
黒川は守備範囲が広い二塁守備、加速ができるベースランニングが魅力。ライトへ鋭い打球が打てる打撃を木製バットでも実践できるか注目したい。
藤波は都大会でもホームランを打っているように恵まれた体躯を生かしたパワフルな打撃が持ち味。ただ木製バットには苦労している感じがあったので、この遠征を通して、持ち味を発揮できるか注目したい。
【外野手】3名
2 右田 稜真(二松学舎大附)
23 野村 昇太郎(二松学舎大附)
27 古川 風勝(創価)
野村 昇太郎(二松学舎大附)
外野手はセレクションから競争が激しく、各選手のレベルが高かった。その中で選ばれたのはこの3人だ。
今年の代表野手では最もポテンシャルが高い右田。レフトには特大本塁打、右中間にも強い打球が打てて、外野からほぼダイレクト返球ができる強肩もある。そのポテンシャルの高さを木製バットでも発揮すれば、自然とドラフト候補になる選手である。野村は都大会を振り返っても打撃内容が良く、広角に打ち返せるバットコントロールは必見で、俊足で、レフトの守備も一定のレベルの高さがある。古川は投手兼任の外野手。投手としては癖のある動きから制球力重視の技巧派。また、打撃もシュアな選手だ。
(文=河嶋 宗一)