第814回 進化し続ける奥川恭伸 西純矢を攻略した広陵打線でさえも太刀打ちさせず!2018年11月10日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

【目次】
[1]新たな決め球・フォークで三振を量産
[2]今まで対戦した投手の中では一番だった

 11月10日、星稜広陵との初戦を迎え、7回コールド勝ち。今大会注目右腕の奥川 恭伸は7回3安打、無四球、11奪三振の完封勝利だった。北信越大会では10連続三振、最速150キロなど、33回を投げて防御率0.00、41奪三振、K/BBは41.00と圧巻の成績を残したが、北信越大会で見せたピッチングをそのまま神宮大会の舞台で発揮した。

新たな決め球・フォークで三振を量産



奥川恭伸(星稜)

 高校生にスケール、実戦力を兼ね備えた剛腕というのはなかなかいないのだが、奥川 恭伸はまさにそんな投手だった。

 広陵打線相手に、別格の投球を見せた。ステップ幅が狭く、右スリークォーター。胸の張りも小さい。とても力感がないフォーム。しかし速球を見ると、力感があふれており、常時140キロ中盤のストレートは、回転数・威力ともに兼ね備えている。実はこれでまだ7割ほどの出来。まだまだ球威あるまっすぐを投げられるという。全力ではなくても、140キロ後半のストレートを投げることができたのは奥川の投球フォームが神宮のマウンドが合っていたこと。
「少し傾斜が高い感じなのですが、非常に投げやすかったです」

 自分の思い通りのフォームで投げられると、ストレートだけではなく、変化球も凄みが増す。125キロ前後のスライダーは縦に鋭く落ち、さらに横に曲がる125キロ前後のスライダー、135キロ前後の高速フォークと、3球種の切れは素晴らしく、広陵打線は全く対応ができなかった。ちなみに広陵は1週間前に創志学園西 純矢を攻略してコールド勝ちを収めている。140キロ台のストレートにも対応し、変化球にも合わせた。その広陵打線が全く太刀打ちできないのだから、どれだけ奥川が傑出した存在なのかがうかがえるだろう。

 1つ1つの球種も素晴らしいが、奥川のすごさは状況判断能力の高さだ。いきなりアウトはすべて三振に奪ったが、これはすべて狙いにいったもの。三振を狙いにった理由は、前日の試合にあった。初日の2試合、先制したチームが5点を奪い、そのまま勝利している。広陵は隙がないチームと警戒していた奥川。立ち上がりが悪ければ、そういう流れになると危惧して、三振を狙う配球を心掛けたのであった。

 また、決め球となったフォークはこの神宮大会から使い始めたものだ。
 「選抜前で練習をしていて投げられるようになっていたんですけど、しばらく使っていませんでした。神宮大会前で、捕手の山瀬と相談して使うことが決まりました。フォークを投げる目的としては、今後のステップアップとして、まずは神宮大会でどこまで使えるのか。それを試す意味でも使いました」
 結果的にフォークが機能し、三振を量産した。

【次のページ】 今まで対戦した投手の中では一番だった

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第570回 2019年の山梨学院は小倉清一郎氏の指導でどう進化していったのか?【野球部訪問】
第568回 山梨学院「心身を急成長させる長崎合宿はいかにして成り立つのか?」【野球部訪問】
第7回 漢字表記のユニフォームを紹介!上田西は独特のデザインで強烈なインパクトを残す!【「奥深い高校野球談議」ライター・手束仁×副編集長・河嶋宗一 】
第562回 北信越王者・星稜の主力4人に訊く!2018年大阪桐蔭のようなチームを目指したい「山瀬 慎之助、東海林 航介、内山 壮真、知田 爽汰」【野球部訪問】
第560回 北信越王者・星稜の主力4人に訊く!神宮大会決勝戦敗退で見えたチームの甘さ「山瀬 慎之助、東海林 航介、内山 壮真、知田 爽汰」【野球部訪問】
第861回 高次元なピッチングは理解力の高さから生まれる!奥川恭伸(星稜)【後編】 【2019年インタビュー】
第860回 世代ナンバーワンピッチャー・奥川恭伸(星稜)は野球頭も一流だった【前編】 【2019年インタビュー】
第836回 考え方1つで結果は変わる。伊藤裕季也を急成長させた立正大の4年間 【2018年インタビュー】
札幌大谷vs星稜【2018年 第49回明治神宮野球大会】
星稜vs高松商【2018年 第49回明治神宮野球大会】
星稜vs広陵【2018年 第49回明治神宮野球大会】
第828回 目指すは山田哲人!星稜4番・内山壮真が意識する日本一への覚悟 【2018年インタビュー】
第801回 目指すは春夏連続甲子園出場!新世代トップクラス捕手・有馬諒(近江)が描くシナリオ 【2018年インタビュー】
星稜vs啓新【2018年秋の大会 第139回北信越地区高等学校野球大会】
星稜vs東海大諏訪【2018年秋の大会 第139回北信越地区高等学校野球大会】
奥川 恭伸(星稜) 【選手名鑑】
星稜 【高校別データ】

コメントを投稿する

プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム