今年の京都は混戦模様！今後伸びるのはどのチーム？ 2018年秋季京都大会を総括！

　甲子園に出場した龍谷大平安と乙訓が3年生主体だった一方で立命館宇治、福知山成美、京都国際、京都翔英など多くの有力校が2年生主体だった今年の京都。混戦が予想された秋の京都大会は福知山成美の優勝で幕を閉じた。

　優勝した福知山成美はエースの小橋翔大（2年）が2試合連続完封を飾るなど獅子奮迅の働きを見せた。打線も試合を経るごとに繋がりを増し、決勝戦では小橋を温存して勝利するなど大会を通じてチーム力が高まった印象を受ける。

　夏4強の京都国際は準優勝で初の近畿大会出場を決めた。夏からの主力が多く残っており、着々と実力をつけてきた印象だ。生駒拓也（2年）、酒井海央（2年）による左右の投手二枚看板に攻守にレベルの高い1番遊撃手の上野響平（2年）の存在と昨年の乙訓とチーム構成はかなり似ている。甲子園初出場もそう遠くはないだろう。

　夏の大会を制した龍谷大平安は苦しみながらも3位通過で近畿大会への出場権を手にした。前チームに比べて戦力的には厳しいという見方だったが、2次戦で2回戦の立命館宇治戦、準々決勝の乙訓戦と苦しみながらも接戦を制した。成長途上ながら粘り強いチームで今後の伸びしろに期待だ。

[page_break好選手揃いの京都外大西と期待大の乙訓]

　4位で惜しくも近畿大会に届かなかった京都外大西は4番の山下航太（1年）が打撃で存在感を見せつけた。今後は京都を代表する打者となるだろう。他にも野手陣には俊足の1番打者である山﨑雄大（2年）や好守備の光る二塁手の吉田元輝（2年）など好選手が揃う。投手陣の底上げができれば甲子園出場も見えてきそうだ。

　昨秋王者の乙訓はレギュラーが総入れ替えとなったが、8強に進出。準々決勝でも龍谷大平安を相手に終盤まで接戦を繰り広げた。経験値を積めばこの代でも上位進出が十分に期待できる。2次戦の1回戦で2本塁打を放った中村志遠（2年）や投打でチームを引っ張る主将の嘉門凌大（2年）には注目だ。

　8強で敗れたが、今後に最も可能性を感じたのは京都翔英だ。エースの遠藤慎也（2年）は最速145㎞の本格派で京都外大西の上羽功晃監督が「京都で一番の投手」と高く評価している。1年秋から主力の山本仁（2年）や鈴木遼（2年）など野手にも素質のある選手が多く、一冬超えれば全国でも戦えるチームになっていてもおかしくない。

　好投手として目立ったのが塔南の技巧派左腕・北﨑響生（2年）と制球力の高い京都すばるの藤川紘斗（2年）だ。両校とも甲子園初出場を目指す公立の雄であり、この秋も8強に進んだ。投打が噛み合えばさらに勝ち進んでいけるだろう。

[page_break:立命館宇治が龍谷大平安に健闘も敗れる]

　夏準優勝のレギュラーが多く残っていた立命館宇治だったが、2次戦の2回戦で夏の決勝で対戦した龍谷大平安にまたしても敗れてしまった。戦力的には優勝してもおかしくなかったが、大一番で相手の気迫に呑みこまれてしまった。甲子園を狙える力はあるだけに勝負強さを身に着けたいところだ。

　今大会で健闘したのが朱雀・農芸・南陽・京教大附の連合チームだ。4つの学校による合同チームということで連係プレーが難しい状況下でありながら、激戦の1次戦を勝ち抜いたのは大いに評価したい。その連合チームを倒し、公立の進学校ながら福知山成美と延長13回の激闘を繰り広げた福知山も検討した。

　結果的には近畿大会出場校とそうでない高校で明暗が分かれたが、上位校に大きな差はないと思われる。組み合わせや今後の成長次第で大会結果は秋から大きく変化するのではないだろうか。現時点では有力校は横一線。今後の練習の取り組み方次第ではどの高校にもチャンスはある。夏の甲子園の切符を掴むのはどこになっているだろうか。

（文＝馬場遼）