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甲子園通算200勝の権利はどこに?秋季京都大会2次戦を展望

2018.09.21

 9月22日から平成30年度秋季京都府高等学校野球大会2次戦が行われる。2次戦には夏の甲子園に出場した龍谷大平安と1次戦を勝ち抜いた20校の計21校が出場し、上位3校が近畿大会の出場権を獲得する。京都勢は甲子園通算200勝まであと1勝に迫っているが、センバツに出場してその権利を得られるのはどこになるだろうか。

塔南、京都国際に甲子園初出場のチャンス

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北村涼(龍谷大平安)

 夏の甲子園で甲子園通算100勝を達成した龍谷大平安は1番打者の水谷祥平(2年)と二塁手の北村涼(2年)がレギュラーとして残っている。1年生ながら代打で出場した奥村昌大もレギュラーに名を連ねるだろう。投手陣は夏にベンチ入りした野澤秀伍(2年)が中心になりそうだ。

 夏準優勝の立命館宇治は主力が多く残っており、4年ぶりのセンバツ出場が期待される。サイドスローから力のあるボールを投げ込む森井舜也(2年)と左腕の高木要(2年)が軸となる。打線も4番の森本晃太郎(2年)や1番の中村滉成(2年)ら巧打者揃いだ。もし龍谷大平安が初戦を勝てば2回戦で対戦することになり、大きな山場となりそうだ。

 昨秋と今春を制した乙訓は新チームになってレギュラーが一新。1次戦は初戦で京都両洋に6対7で敗れたが、敗者復活戦を4連勝で勝ち上がり、2次戦進出を決めた。ここ3試合で26点を取っており、投手陣を中心とした旧チームから打撃のチームへと変貌しつつある。

 昨年の乙訓の再来となりそうなのが塔南だ。技巧派左腕の北﨑響生(2年)は注目の好投手。主砲の清水颯(2年)ら旧チームからの経験者が多く、悲願の甲子園初出場に向けて絶好のチャンスだ。

 夏4強の京都国際も甲子園初出場のチャンスだ。投手陣の軸である生駒拓也(2年)、酒井海央(2年)に投打でチームを引っ張る上野響平(2年)ら核となる選手が健在なのが心強い。

 投手力に自信があるのが京都翔英だ。ツーシームを武器とする今井大志(2年)と速球派の遠藤慎也(2年)の二枚看板は強力。昨秋から主軸を打つ山本仁(2年)と鈴木遼(2年)ら打撃陣が援護できれば3年連続の近畿大会出場が見えてくる。

 福知山成美も2年生に力のある選手が多く期待の持てるチームだ。エースの小橋翔大(2年)や4番の東原成悟(2年)ら旧チームからの主力が多く、5年ぶりの甲子園出場に期待がかかる。

[page_break:連合チームの躍進に注目]

連合チームの躍進に注目

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敗者復活戦をしっかり勝ち上がってきた東山

 夏4強の東山は1次戦で鳥羽に敗れたが、敗者復活戦をしっかり勝ち上がってきた。岩田優雅(2年)、井上敦貴(2年)らを中心に打撃陣は充実。経験の少ない投手陣が奮起できるかが、上位進出のカギを握りそうだ。

 夏8強の鳥羽は順調に1次戦を勝ち上がってきた。夏のレギュラーで残っているのは二塁手の西村昇太(2年)のみだが、総合力は変わらず高い。同じく夏8強で旋風を巻き起こした西舞鶴は秋も2次戦に顔を出してきた。エースの藤原啓吾(2年)と遊撃手の藤田慎(2年)を中心に夏以上の結果を残したい。

 昨夏の代表校である京都成章柴田貫太郎(2年)、松浦誠也(2年)の二遊間コンビが旧チームのレギュラーとして残っている。手堅い野球で上位進出を目指したい。復権を目指す京都外大西は1年生ながら夏の大会で2本塁打を放った山下航汰(1年)の打撃に注目だ。

 神前俊彦監督が就任3年目を迎えた京都共栄は旋風を巻き起こせるか。エースの本城楓己(2年)を中心に粘り強い野球で存在感を示したい。悲願の甲子園初出場を目指す京都すばるは投打でセンスの高さが光る藤川紘斗(2年)に注目。

 この秋で大きな話題となりそうなのが朱雀農芸、京都南陽、京教大附の連合チームだ。京都南陽を今春16強に導いた寺田宗立(2年)と山口楓大(2年)のバッテリーを中心に混戦を勝ち上がってきた。敗者復活戦の決勝では8点を奪うなど、打力もある。連合チームとして初の甲子園出場に期待したい。

 京都文教は1次戦の3試合で22得点と強力打線を武器とするチーム。昨秋から4番に座る森脇詩月(2年)の打撃に注目だ。京都八幡は3年生主体で夏を戦ったが、経験不足もどこ吹く風で1次戦を3連勝で勝ち上がった。勢いそのままに2次戦も勝ち進めるか。

 莵道は今夏のベンチ入りメンバー20人中13人が1、2年生と経験で優位に立つチーム。1次戦では4試合で7失点と守りが安定しているチームだ。夏16強の京都学園と洛西は8強以上を目指していきたい。近年、レベルが上がっている北部の1次戦を勝ち抜いた福知山も侮れない。

 甲子園に出場した龍谷大平安乙訓が3年生主体だった一方、それ以外の有力校では2年生主体だったチームが多く、戦力は非常に拮抗していると言えるだろう。大混戦を勝ち抜いて近畿大会の出場権を得るのはどのチームになるだろうか。

 

(文=馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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