第785回 怪物・キム・デハン、台湾の大谷翔平・李晨薰など宮崎で躍動したアジアの逸材たち2018年09月19日

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【目次】
[1]KBOドラフト指名多数の韓国は逸材ぞろい
[2]台湾は2,3年生に逸材ぞろい
[3]中国にも楽しみな選手たちが!

 韓国が優勝した今回のアジア大会。日本選手の活躍はこれまでずっと報じてきたので、今回は他国の逸材を紹介しようと思う。未来のKBO(韓国プロ野球)、CPBL(台湾プロ野球)のスター候補、WBC、プレミア12などのトップチームでみられるかもしれないとして今から覚えておきたい。

KBOドラフト指名多数の韓国は逸材ぞろい



キムデハン

 優勝した韓国は今年も逸材が多かった。その中でもトップクラスの実力を示したのが、キム・デハン(186センチ85キロ・右投げ右打ち)だ。今大会では出場選手トップとなる3本塁打を記録。まずスリランカ戦で、スライダーに泳ぎながらレフトスタンドへ。2本目は吉田 輝星金足農)から初球のスライダーをレフトスタンドへ3ラン。3本目は150キロのストレートをライトスタンドへ。

 150キロのストレートを逆方向へ運ぶ18歳はアメリカの選手でも見たことがない。世界トップレベルの逸材だと実感した。

 構えてから少しだけステップし、ほとんど反動を利用せずとらえるキム・デハンの打撃技術は、高校生レベルとは思えなかった。3本目の本塁打を打つ前、滑り止めスプレーをかけながら、気持ちを落ち着かせて本塁打にしていたのが印象的だった。これを見て、自分のペースで打席に立てるプロ向きのメンタリティを持った選手だと感じた。また外野守備を見ても守備範囲が広く、マウンドに立てば最速154キロを投げる強肩も魅力。MVPを逃したが、高校野球ドットコム基準からすれば今大会のMVPはキム・デハンである。キム・デハンは斗山へ進む。即戦力として活躍ができるのか、今後も見逃せない選手だ。



ソ・ジュノン
 

 投手陣では、最速152キロを計測したソ・ジュノン。体を沈み込ませて投げ込む速球は伸びがあり、日本の野球ファンではヤクルトの抑えで活躍したイム・チャンヨンを思い出すという声が多かった。韓国は伝統的に右サイドの速球派が多いが、ここ数年の右サイドでは一番の投手だ。ロッテ・ジャイアンツに指名されたソ・ジュノンはいずれトップチームで出てくる投手となれるか。

 また、145キロ前後の速球、キレのあるスライダー、フォークを投げ込み、日本戦でも好リリーフを見せたウォン・ティン(右投げ左打ち・184センチ92キロ)は数年たてば150キロ連発が期待できそうな剛腕。卒業後はサムソン・ライオンズに進む。

 左腕・キム・ギフン(左投げ左打ち・183センチ88キロ)も好左腕で、恵まれた体格から振り下ろす常時140キロ前後の速球、キレのあるスライダーを投げ分け、日本打線を苦しめ、そして今大会の胴上げ投手となった。また決勝戦では3番としてスタメンするなど打撃力も高いキム・ギフンはKIAに進む。

 今大会、MVPを獲得したキム・チャンピョン(右投げ左打ち・182センチ78キロ)はポジショニングのうまさが光る遊撃手。スピード、スローイングの強さは日本の高校生と比較しても平均レベルだが、打球の動きを読むうまさがある。11打点を記録したように、無駄のないスイング軌道から広角に鋭い打球を生み出す。卒業後はSKワイバーンズに進む。また、キム・チャンピョンと二遊間を組んだユン・スンミン(右投げ左打ち・174センチ68キロ)も日本戦吉田 輝星から必死の粘りでつなぎ、四球で出塁。その後、3ランにつなげたが、キム・ソンヨン監督から「日本戦のMVP」と絶賛された二塁手だ。

 また大会首位打者を獲得したロ・シファン(187センチ90キロ・右投げ右打ち)はパワフルなスイングから繰り出す打球が強烈。三塁守備は前の動きに弱さを感じるが、球際に強く、肩も強い。うまくいけば、引退を決めた村田 修一のような育ち方をすれば面白いと感じた。卒業後はハンファ・イーグルスに進む。

 投手登録ながらスリランカ戦で本塁打を記録し、その後も中国チャイニーズタイペイ戦で活躍を見せたキム・ヒョンス(185センチ85キロ・右投げ右打ち)も面白い選手だった。これほどの体格をしながら、右方向へ打ち分けるうまさを持つ。卒業後はロッテに進む。

 また2年生ではアン・インサン(183センチ93キロ・右投げ右打ち)が面白かった。マウンドに登れば、常時145キロ前後の速球を強気にインサイドに投げ込み、スライダーの切れもよい。打者としてもパワフルなスイングから強烈な打球を飛ばす。コンタクト能力に欠けるが、来年の世界大会の主力選手候補として覚えておきたい。

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