各地区の1位校にフレッシュな印象で、混戦は必至か?静岡の秋を占う!
このところは静岡と東海大静岡翔洋の対決に常葉大勢に飛龍あたりが食い下がると言うように、上位校がほぼ同じ顔ぶれで定着してきたかなという印象が強くなってきていた静岡県。春秋の地区大会も、そのあたりの顔ぶれが上位常連となっていた。ところが、今秋は各地区大会でもフレッシュな印象の学校が1位2位に食い込んで、興味深くなった。
各地区大会ではフレッシュな学校が上位に
上位常連の静岡
東部地区は1位校が加藤学園、2位に知徳。3位が飛龍で森下知幸監督が主任して2年目で夏から高田翔太君と金子翔太君のバッテリーが残った御殿場西が4位となった。加藤学園は、準々決勝で富士宮東、準決勝で御殿場西に競り勝つなど勝負強さを示した。知徳も準決勝で飛龍に5対4で勝っての進出だった。決勝は加藤学園が10対6で勝っている。
中部地区では実力校の静岡と東海大静岡翔洋がともにベスト4にも届かなかった。準々決勝で静岡商に5対4と競り勝った駿河総合が1位。2位がかつての清水商が統合によって校名変更した清水桜が丘で、東海大静岡翔洋を乱戦で下した藤枝明誠に準々決勝で10対9と点の取り合いを制しての進出だった。
中部地区は敗者復活トーナメントで夏準優勝の島田商と静岡、東海大静岡翔洋、静岡商の名門校、実力校が滑り込んだ。
西部地区は1次トーナメント後、順位決定トーナメント1回戦で、甲子園帰りの常葉大菊川を下した浜松西が、浜松開誠館には8対0、浜松商には11対1といずれも大勝して1位校となった。浜松商が2位で、浜松開誠館に5対3で勝った浜松市立が3位となった。
25校で争われる県大会は各地区1位の3校と西部地区2位の浜松商が四隅を抑えたシード扱いとなった。
加藤学園のゾーンは混戦になりそう。加藤学園は過去3年連続夏は初戦敗退。それをこの夏は突破して3回戦進出した。その自信を持って、紅林弘太郎君ら内野陣がそのまま残って自信を持っての新チームスタートだった。甲子園帰りの常葉大菊川と静岡市立の勝者が当たるのも興味深いが、その勝者と東地区1位校として初戦を迎える。常葉大菊川は甲子園メンバーからは伊藤勝仁君と柳沼一葉君が残った形になったが、チーム構成としてはこの二人が中心となっていくであろう。静岡市立も渡邉幹樹君と森田健介君の左右の投の柱がしっかりとしているだけに力はある。
また、このゾーンでは中部地区3位の清水東、西部地区3位の浜松市立がどういった戦いをするのかも興味深い。
中部地区では静清、藤枝明誠、常葉大橘に静岡学園など実績のあるところがいずれも出場権を逃したことや、西部地区でも掛川西や夏の4強浜松城北工、磐田東なども出場権を逃しており、このあたりも混戦を招きそうな要因となっている。
(文=手束 仁)