第781回 2019年はリベンジへ。アジア大会で出た課題を検証「特定の投手に固執した投手起用、そして需要高まる二刀流」2018年09月14日

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【目次】
[1]吉田輝星、根尾昂、柿木蓮ありきだった今年の投手陣
[2]需要度が高まる二刀流

 日本開催のアジア大会で優勝を逃す事態となった。チャイニーズタイペイ戦に敗れてから、日本代表の在り方が盛んに議論された。2019年のワールドカップの出場権は何とか手にしたものの、現状のままでは来年の世界大会では3位がやっとかもしくは5位~6位で終わってしまうかもしれない。今回、問題になった課題をシリーズもので検証をしていく。

 最終回は投手起用についてだ。

吉田輝星、根尾昂、柿木蓮ありきだった今年の投手陣



吉田輝星(金足農)

 韓国戦チャイニーズタイペイ戦中国戦で登板したのはこの4投手だ。
柿木 蓮 10.1回
根尾 昂 2回
吉田 輝星 11回
板川 佳矢 1.2回
 4人しか登板していない。特に吉田 輝星金足農)の起用は疑問が残るものだった。5日の韓国戦で、95球投げた後、中1日おいて、チャイニーズタイペイ戦では4回裏から登板し、5イニングで58球を投げた。この試合はコンディショニングが良くなく、本来のフォームではなく、ストレートも走らない。7回、8回には球速も落ちていたのに、代える気配もなかった。

 中国戦では板川の後を継いで1回途中からマウンドに登ったのは柿木だった。そこから好リリーフで勝利に貢献した。

 また7回からリリーフした根尾は先発予定だったものの、DHを解除しないといけないのを見て、リリーフに変更になった。また永田監督は中国戦後、根尾の起用についてこう明かしてくれた
 「決勝戦に進んでいれば、決勝戦の先発は根尾でした」
 永田監督はどんな時でも力を出せるメンタルの強さを持った根尾に託していた。その選択は間違っていないし、クレバーでストイックで、意識も高く、勝負所で力を発揮する「根尾さん」を見れば、永田監督だけではなく、誰もが使いたくなる。しかし今年の投手陣は吉田 輝星根尾 昂柿木 蓮しかいないのかと見られてもいたしかたない。

 投手はいないのかといえば、もちろんいる。左腕・山田 龍聖高岡商)、最速149キロの速球、ツーシーム、スライダーを操る渡邉 勇太朗浦和学院)、観察力が優れた149キロサイド・市川 悠太明徳義塾)、代表投手2位となる149キロを計測した奥川 恭伸星稜)と、控えている投手は多くいた。相手打線の相性を見れば勝負ができる投手が多いのだ。それでも使えなかったのは柿木、吉田を使わずに負ければ怖いという概念かもしれない。

 これは今回の代表に限ったことではない。2012年は藤浪 晋太郎、2016年は今井 達也、2017年は田浦 文丸の登板が集中。今井は2試合だけの登板だが、明らかに球速が落ちているのに無理して投げさせた影響か、プロ1年目はケガもありほとんど登板できずに終わった。

 もし世界大会で同様の投手起用をすれば、パンクして終わる可能性がある。

 そもそも日本以外の起用法を見ると、アメリカ、韓国、チャイニーズタイペイはローテーション。相手を詳細に分析し、それに応じた投手起用ができていた。投手起用の戦略性は世界の強豪と比べると一歩遅れていることは認識すべきだ。

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