第779回 2019年はリベンジへ。アジア大会で出た課題を検証 「木製バット問題はどう解消するべきか?」2018年09月13日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

【目次】
[1]代表野手は木製バット克服へ向けてどう取り組んだのか?
[2]バット改革が難しい3つの理由
[3]シーズン中でも木製バットでも練習する動機付けを作ることが重要だ。

 日本開催のアジア大会で優勝を逃す事態となった。チャイニーズタイペイ戦に敗れてから、日本代表の在り方が盛んに議論された。2019年のワールドカップの出場権は何とか手にしたものの、現状のままでは来年の世界大会では3位がやっとかもしくは5位~6位で終わってしまうかもしれない。今回、問題になった課題をシリーズもので検証をしていく。今回はよく議論される「木製バットの対応」である。

代表野手は木製バット克服へ向けてどう取り組んだのか?



奈良間大己(常葉大菊川)も木製バットへの苦労を口にした

 毎回、高校代表の大会後に言われるのが、木製バットへの対応である。今年の選手も例外なく苦しんだ。結果だけ見れば、ライバルとなる韓国戦、チャイニーズタイペイ戦では1得点に終わった。苦しんだ要因として、「ゾーンへの対応」。そして木製バットに順応できなかったことにある。

 野手に話を聞くと、木製バットの練習を始めたのは、甲子園組の選手は甲子園から戻ってから練習を始めた選手がほとんど。かなり工夫をして、苦労しながら取り組んでいる様子がうかがえた。

 奈良間 大己常葉大菊川)は「ヘッドが下がった状態で打ちにいってしまうので、どうしてもとらえきれない。ヘッドが立った状態で打ちに行くことを心掛けました」と工夫したことを語り、またクリーンナップを打った野尻 幸輝木更津総合)は、「木製は金属と違って、しなるのでその感覚になれるのに時間がかかりました」と述べ、強い打球を打てるために、890グラムのバットを発注し、ヘッドの重みを利かしたスイングを心掛けた。また、峯 圭汰創成館)は木製バットの特性をうまく活かしていた。

 「そもそも素材が違います。金属は空洞の900グラム。木製は詰まった900グラム。中身が詰まっている分、ヘッドが重い。その結果、ヘッドが下がりやすいので、金属と同じ感覚でスイングするとファールになる当たりが多い。そこが難しいので、ヘッドが立つように高めのボールをティーで打ったりしてヘッドを立てる意識でマシンや実戦形式に臨みました。」

 韓国戦では1得点に終わり、台湾戦は2安打のみに終わった。とはいえ、時間が足りな過ぎた。持ち味を発揮できずに終わった。

 そして日本以上の打撃力を見せたのがチャイニーズタイペイと韓国である。7対5で韓国が勝利したが、どちらも140キロ台の速球を投げ込む投手に対しても空振りを恐れることなく、力強い打球を飛ばしていた。

 韓国は、4番キム・デハンが外角の150キロストレートをライトスタンドへ。またチャイニーズタイペイも、最速152キロを計測した韓国の剛腕サイド・ソ・ジュノンに対し、5番邱智呈が甘く入ったスライダーをとらえて適時打。
 タイブレークとなった10回裏は、日本が対応できなかった左腕・キム・ギフンから2安打を記録した。両国とも普段の公式戦から木製バットを使用している。その積み重ねが日本との差を生んでいるといえる。

 ただ外に広すぎるゾーンが日本の打者のメカニズムを狂わせたと考えられる。その対応策として蛭間 拓哉浦和学院)は「やはり外角へ打てるように踏み込んで打って強く振ることです。でも、なかなか打てずに苦しみました。最後の中国戦で良い打球を打てたかなと思います」と踏み込んで打っていった。

 では、日本も木製バットを取り入れるべきでは?という意見があると思うが、なかなか難しい問題となっている。

【次のページ】 バット改革が難しい3つの理由

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第968回 3季連続の甲子園を狙う習志野、千葉ナンバーワン右腕・篠木擁する木更津総合など秋の千葉も序盤から激戦か【大会展望・総括コラム】
第46回 日本を上回ったチーム力!韓国代表、結成の裏側【2019年 第29回 WBSC U-18 ワールドカップ】
チャイニーズタイペイ代表vsアメリカ代表【2019年 第29回 WBSC U-18 ワールドカップ】
チャイニーズタイペイ代表vsオーストラリア代表【2019年 第29回 WBSC U-18 ワールドカップ】
韓国vsオーストラリア【2019年 第29回 WBSC U-18 ワールドカップ】
アメリカ代表vs韓国代表【2019年 第29回 WBSC U-18 ワールドカップ】
第1052回 目指すはナンバーワン野手。さらにレベルアップし、来年も日本代表へ 横山陽樹(作新学院) 【2019年インタビュー】
侍ジャパンU-18日本代表vsオーストラリア代表【2019年 第29回 WBSC U-18 ワールドカップ】
第1051回 韓国でもいつも通り。リリーフエース・飯塚 脩人の恐るべき精神力の強さ 【2019年インタビュー】
第42回 韓国戦の敗戦から、何を学ぶべきか?【2019年 第29回 WBSC U-18 ワールドカップ】
第36回 個性のクセが強い!WBSC U-18出場国のユニフォームを紹介【後編】【2019年 第29回 WBSC U-18 ワールドカップ】
第41回 「プロ野球第一」「大学進学のための全国大会」日本とは似て非なる韓国の高校野球事情【2019年 第29回 WBSC U-18 ワールドカップ】
第1050回 「奥川の持ち味を引き出すことに関しては誰にも負けない」 奥川快投の裏には必ず山瀬慎之助(星稜)がいる 【2019年インタビュー】
第1050回 甲子園・W杯合わせて10勝。水上桂(明石商)は大舞台で勝てる捕手として邁進中! 【2019年インタビュー】
第1033回 静かに剣を研ぐ伸び盛りの2年生 作新学院・横山陽樹が実践力の高さをアピール 【2019年インタビュー】
奈良間 大己(常葉大菊川) 【選手名鑑】
野尻 幸輝(木更津総合) 【選手名鑑】
峯 圭汰(創成館) 【選手名鑑】
木更津総合 【高校別データ】
創成館 【高校別データ】
常葉大菊川 【高校別データ】

コメントを投稿する


コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム