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秋季和歌山大会を徹底展望、高嶋監督勇退の智辯和歌山が本命か

2018.09.08

 9月8日から秋季和歌山県大会一次予選がスタートする。和歌山県では8月後半から9月前半にかけて行われる新人戦で4強入りしたチームが一次予選を免除され、一次予選を勝ち抜いた4チームとの8チームで二次予戦が行われる。まだ新人戦は準決勝、決勝を残している段階だが、秋季大会の展望を行っていきたい。

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黒川史陽(智辯和歌山)

 新人戦で4強入りして一次予選を免除されたのが南部智辯和歌山和歌山東箕島の4校だ。その中でもやはり智辯和歌山が戦力的に一歩リードしているだろう。

 智辯和歌山は甲子園最多の68勝を挙げた高嶋仁監督が勇退し、新たに中谷仁監督が就任。センバツ準優勝に大きく貢献した主力が抜けたが、自慢の強力打線は健在だ。新主将に就任した黒川史陽(2年)が甲子園の近江戦で受けた死球の影響から新人戦の出場はまだないが、ここまではその穴を感じさせない強さを見せている。
 1番から細川凌平(1年)、西川晋太郎(2年)、根来塁(2年)、東妻純平(2年)と並ぶ上位打線は強力。黒川が復帰すればさらに厚みは増すだろう。投手陣は甲子園で登板のあった池田陽佑(2年)を軸に池田泰騎(1年)、小林樹斗(1年)の3人が中心となりそうだ。新監督の船出をセンバツ出場という形で飾ることができるだろうか。

 近年、上位進出が増えてきている和歌山東は悲願の甲子園初出場を目指す。夏は11番を着けていた速球派右腕の落合秀市(2年)がエースとなりチームを引っ張る。打線は夏にスタメンで出場していた岡野楓大(2年)や大野鉄太(2年)が軸となるか。

 箕島は旧チームで4番ショートで出場していた尾坐原岳斗(2年)がエースとなり、チームの絶対的存在となっている。夏は3年生主体のチーム構成だったが、ここまでは安定した戦いを見せており、確実に力を付けてきたように思える。

 南部は夏の大会レギュラーだった選手が6人も残っており、勝負の秋となりそうだ。新人戦では3試合で24得点と打線が好調で二次予選でも勢いを維持することができれば近畿大会出場が見えてくる。

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和歌山南稜や南部龍神に注目

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向陽ナイン

 一次予選では出場する34校を4つのブロックに分けて行い、各ブロックを勝ち抜いた4校が二次予選へと進む。[stadium]紀三井寺公園野球場[/stadium]で開催されるブロックには新人戦8強の和歌山橋本と田辺工業が入り、激戦区となりそうだ。

 和歌山橋本は旧チームのレギュラーは少ないが、投打ともにまとまりがある。田辺工は昨年からのレギュラーである中家大輔(2年)、畑谷潤(2年)を中心に打線が強力。夏8強の桐蔭は強力打線を支えた水谷優太(2年)、榎本雄冴(2年)らが残っており、夏以上の結果を目指す。
 高野山は夏にも4番を打った森岡柚馬(2年)を中心に智辯和歌山から6回無安打に抑えられた夏の悔しさを晴らしたい。

 [stadium]上富田スポーツセンター[/stadium]で行われるブロックでは新人戦準々決勝で和歌山東と激闘を繰り広げた和歌山南稜が一歩リードか。和歌山南稜は旧チームのレギュラーは残っていないが、4番の山元樹(2年)を中心に打線が巨力打線を形成。初の近畿大会出場に向けて機は熟してきたか。

 その和歌山南稜と初戦で対戦する和歌山向陽は夏4強と力のある伝統校。新人戦は初戦敗退に終わったが、昨年から4番の酒井隆成(2年)を中心に巻き返しを図る。海南は新人戦で南部と打撃戦を繰り広げており、上位進出の力はある。正捕手として経験を積んだ井口武威(2年)が投手陣をしっかりリードしていきたい。春4強の初芝橋本も虎視眈々と上位を狙う。新人戦で市和歌山を倒した那賀も侮れない。

 [stadium]サンナンタンランド野球場[/stadium]で行われるブロックは混戦となりそうだ。夏8強の和歌山日高はエースの楠山顕也(2年)に打線の軸となる宮本真光(2年)、小園陸斗(2年)が残っており、総合力は高い。夏以上の結果を出して近畿大会出場を狙う。

 昨秋準優勝の日高中津は新人戦の初戦で和歌山東に7回コールド負けというまさかの結果に終わった。主砲の杉浦玲吏(2年)を中心に巻き返したい。

 新人戦で和歌山向陽を破った和歌山高専前田恭佑(2年)、中西仁也(2年)、上野雄史(1年)と公式戦登板のある投手が豊富で台風の目となりそうだ。

 [stadium]マツゲン有田球場[/stadium]で行われるブロックはハイレベルな戦いとなりそうだ。夏準優勝の市和歌山は柏山崇(2年)、奴田宗也(1年)、橋本淳己(1年)と豊富な投手陣を武器に頂点を目指す。打線が援護できるかが勝ち抜くためのカギとなりそうだ。

 新人戦の準々決勝で智辯和歌山を苦しめた南部龍神はエースの小川泰二郎(2年)など夏のレギュラーが5人残っており、上位進出のチャンスだ。

 近大新宮は冷静なリードが光る水光巧(2年)と1年生ながら夏のスタメンを勝ち取った藤岡樹に注目。
 夏4強の紀北工はレギュラーが一気に抜けた影響が大きく、新人戦の初戦でコールド負けに終わっているが、どこまで立て直せるか。

(文=馬場遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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