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U18日本代表の前に立ちはだかるのはこの選手!韓国代表の注目投手3人を紹介!

2018.09.01

U18日本代表の前に立ちはだかるのはこの選手!韓国代表の注目投手3人を紹介! | 高校野球ドットコム
この数年で韓国球界は大きな変化があった

韓国の公式戦では今年から球数制限

 韓国の高校球界は、この数年、大きな動きがあった。アマチュア野球の統括団体である大韓野球協会は様々な問題が生じ、一時は上部団体である大韓体育会(日本スポーツ協会に相当する組織)の管理団体になっていたが、2年前に大韓野球ソフトボール協会として再出発し、韓国シリーズ優勝10回、韓国プロ野球での通算勝利数が最多の1567勝を挙げている金應龍が会長に就任した。
 プロ球界に睨みが効く金の会長就任効果は絶大で、これまで8月中旬に開催されていた2次ドラフトは、昨年からU18の国際大会が終わった後に開催されることになり、今年も9月10日に2次指名ドラフトが行われる。

 これまで、韓国独特の制度である、フランチャイズ地域の高校生(卒業生を含む)を1人優先指名できる1次指名に加え、2次指名も行われた後に国際大会が行われるため、大部分をプロ指名選手が占めたU18の韓国代表は、プロ側に気を遣い、選手起用に制約を受けていた。
 1次指名は既に行われているものの、2次指名は国際大会の後になったことで、プロの制約を受けないばかりか、多くの選手がドラフトでの上位指名を目指して奮闘した結果、昨年のU18 ワールドカップで韓国は準優勝。前身の大会を含め9年ぶりに決勝戦に進出した。

 また韓国の高校野球はプロに入ることを前提にしているため、投手の酷使の問題は、より深刻に受け止められていた。そして今年から、105球でカウントに関係なく強制降板、75球以上投げれば、4日間は登板できなくなった。
 そのため、先発、完投型の従来の意味のエースは、ほとんどいなくなった。

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プロ指名の注目投手3人

U18日本代表の前に立ちはだかるのはこの選手!韓国代表の注目投手3人を紹介! | 高校野球ドットコム
昨年のU18のスーパーラウンドで韓国は日本を下し2位と躍進した

 6月25日にプロ野球の1次指名が行われたが、大学生で指名されたのは1人だけで、残り9人は高校生だった。その9人のうち7人は投手で、その中で今回代表に選ばれたのは3人。この3人が投手陣の柱になる。
 特にKIAに指名されたキム・ギフン(光州東成)とロッテに指名されたソ・ジュノン(慶南)は昨年に続き代表に選ばれている。2人とも最速が150キロに肉薄し、キム・ギフンは韓国高校球界ナンバー1の左腕。ソ・ジュノンは韓国の伝統でもあるサイドスローの速球派だ。

 もう1人はサムスンに指名された右腕のウォン・テイン(慶北)だ。韓国では近隣の学校による週末リーグが行われているが、ウォン・テインは、前期のリーグ戦で3勝1敗、防御率0.69を記録して注目された。最速151キロ、スライダーの球速も136キロであるのに加え、打書としての評価も高く、同リーグで打率.429を記録している。
 また右腕のチョン・ヘヨン(光州第一)は、今年最初の全国大会である東亜日報主催の黄金獅子旗全国高校野球大会で光州第一の優勝に貢献し、最優秀投手賞を受賞しており、スライダーの鋭さには定評がある。
 投手登録8人、全員が身長180センチを超え、登録18人の中にも、170センチ台は2人だけ。190センチ近い巨漢選手が揃う大型チームだ。

 野手には1次指名された選手はいない。その中で注目されているのは黄金獅子旗大会で優勝した光州第一の三塁手のユ・チャンヒョクだ。ユはパワーに加え、ベースランニングのうまさなど、スピード面でも評価が高い。
 また2年生は、チョン・ヘヨンの他、投手のチョン・グボン(徳寿)、外野手のアン・インサン(野塔)の3人である。

 代表監督は公募者の中から大韓野球ソフトボール協会の競技力向上委員会を通して、野塔高校監督のキム・ソンヨンが選ばれた。
 9年前、この大会の前身であるアジアAAA選手権がソウルで開催された時、日本代表には当時横浜高校の筒香嘉智(DeNA)らがいたものの、実態は[stadium]甲子園[/stadium]に行けなかった球児による関東選抜で、大会を通じて取材した日本人記者は、私を含め2人だけ。韓国や台湾のメディアの熱気とは大きな差があった。
 しかし今は、立場が完全に逆転し、韓国でのこの大会に対する関心は低い。それだけに結果が求められており、関心を集めやすい日本戦での活躍は、選手の今後の野球人生にも影響を及ぼす可能性があり、必死に向かってくるはずだ。

※選手名の表記は、極力韓国語の発音に近いものにしていますが、アルファベットでの発音とはやや異なり、日本の一般的なメディアの表記とは異なる可能性があります

(文=大島 裕史

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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