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九州大会への出場2枠を目指す沖縄大会を、各ブロックごとに展望!

2018.09.02

 来春の選抜高等学校野球大会を目指す沖縄秋の陣。第68回沖縄県高校野球秋季大会の抽選会が8月末行われ、新人中央大会で優勝した浦添工をはじめ、沖縄水産具志川商、そして興南がシードとなり、その他のライバル校たちがクジを引いていった。まずは九州地区高等学校野球大会への出場2枠を目指す戦いを、各ブロックごとに展望していこうと思う。

有力校が揃ったAブロック

九州大会への出場2枠を目指す沖縄大会を、各ブロックごとに展望! | 高校野球ドットコム
興南の宮城、遠矢バッテリー

 新人中央大会初優勝の浦添工は左腕・伊藤の存在が大きい。新人中央大会の4試合で27イニングを投げて自責点は僅か2。防御率0.67と他校の打者を次々と打ち取っていった。エースを支える正捕手の上原は4番として打率.545。準決勝までの3試合のチーム打率は.378だった。その浦添工を追う一番手は、同じく中央大会へ進出した美里工具志川か。美里工は中部南地区予選で二位決定戦を制し、中央大会での宮古戦、そして敗れたものの具志川商戦と接戦に強い。

 1年生ながらエース格の上間は6回まで具志川商をゼロに抑えており、他の投手陣の頑張りでスタミナを考慮しつつ戦うことが出来るか。具志川は右腕・當山が、夏の選手権沖縄大会で沖縄尚学を破ったメンバーが多く残る北山打線を7安打に抑える好投で、秋にめどが立ったのが大きい。打線もともに2安打を放った眞喜志、仲松のクリーンアップを中心に下位まで切れ目のないところを見せつけた。

 その他では、毎年打線の力に秀でる嘉手納や好投手・永山のいる那覇商、夏の選手権沖縄大会で浦添商宜野湾を倒し興南も序盤苦しめた新垣の首里東が続く。試合巧者同士のコザ美来工科も面白い。そして注目は沖縄カトリックだろう。

 金城、普天間、久松、宮良、富盛ら一年生から上級生と戦ってきた経験値はこの世代では抜きん出る。中部南地区2位決定戦で敗れ中央大会への出場を阻まれ、煮え湯を飲まされた悔しさをどこまで出せるか。

一歩も二歩も先を行く興南のBブロック

 興南以外、新人中央大会の出場がないこのブロック。その興南は甲子園組であった宮城、遠矢のバッテリーをはじめ、根路銘、勝連の盤石二遊間が残るのが大きい。兼城、西江も経験豊富。そこにいわゆる居残り組で、新人中央大会で4位になったとなれば怖いものはないだろう。打倒興南を目指す沖縄工知念、沖縄向陽は、前半のイニングを粘りに粘って終盤勝負に持ち込めるかどうか。浦添商首里名護豊見城といった名門公立の意地にも期待したい。

[page_break:古豪復活なるか!注目の沖縄水産が入ったCブロック]

古豪復活なるか!注目の沖縄水産が入ったCブロック

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上原一帆(沖縄水産)

 昨年の秋、ベスト4入りした沖縄水産上原一帆、国吉の左右投手陣をはじめ、新人中央大会の打率が4割を越えた上原大那、川端の1、2番コンビに打撃のセンスもチームナンバーワンの上原一帆が3番に座る上位打線は驚異。脇を固める平安、三木など経験豊富な打撃陣の力は、興南と双璧をなす。九州地区高校野球大会出場を決め、選抜高等学校野球大会への切符も掴んで1998年夏以来となる聖地凱旋で古豪復活となるかどうか。

 その沖縄水産に待ったをかけそうなのがKBC学園未来沖縄か。エース伊波を極力温存し、チームの底上げをしていたかのような新人中央大会だっただけに秋の戦いに注目が集まる。対する八重山は、中学軟式野球時代に県の頂点にたった石垣中や石垣第二中学のメンバーが新1、2年生となっている。彼らの活躍次第ではひと波乱起こせそうだ。

 一年生中央大会準優勝、夏の選手権沖縄大会で沖縄尚学を倒しベスト4入りした北山金城洸や上間、仲村ら主力の2年生が頼り。彼らの爆発力があればこのブロックで勝ち抜くのは北山かも知れない。中央大会に出場した八重山商工読谷の試合も興味深い。

商業対決なるか。糸満-沖尚など好カードが揃ったDブロック

 新人中央大会で3位に入った具志川商。エース新垣以外の投手の底上げと、打線の繋がりで投打のバランスが良くなったチームは、新チーム発足以降練習試合も含め僅か2敗のみ。部員僅か26名が九州大会、そして選抜を目指す。ここに名護商工中部商が入った。商業対決となっていくのだろうか。新人中央大会8強の中部商は、前チームから中軸を務めた小濱を中心にまとまっており、その中央大会初戦で沖縄尚学を下した。こちらも試合巧者の那覇との初戦を突破すれば、波に乗り勝ち上がっていくことが予想される。

 宜野座那覇国際は新人中央大会出場同士の対決。どちらも中央大会では初戦で敗れているだけに、勝って弾みをつけたいところだ。このブロックにだけ小さな山がひとつ出来るようになったが、その唯一の1回戦で実力校同士が合わさった。糸満沖縄尚学の勝者が勢いかってどこまでのぼっていくのか。選手層で言えば前チームから中軸を務めていた水谷をはじめ奥原、神里、高良といった攻撃陣が整う沖縄尚学に武がありそうだがどうなるか。

文=當山 雅通

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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