【準々決勝展望】王者、名門、新鋭、台風の目が勝ち進んだ平成最後の夏!ゲキアツ4試合の見所!
ついに準々決勝!
8月18日、第100回全国高等学校野球選手権記念大会14日目。全国各地から集った実力校同士のしのぎ合いが続いた甲子園はついに準々決勝を迎える。王者・大阪桐蔭、日大三のような甲子園優勝経験がある名門、下関国際のような新鋭校、台風の目となっている金足農などバラエティが富んだチームが勝ち進んだ。今回は読めばさらに楽しめる準々決勝の見どころを紹介したい。
浦和学院はここまで15回を投げて無失点のエース・渡邉勇太朗の投球に注目が集まるが、大阪桐蔭は1人だけでしのげるほど相手ではない。やはり複数の継投が必要となる。
浦和学院の投手陣でカギを握るのが永島 竜弥。速球は130キロ前半ながら、120キロ後半のカットボールを操る技巧派左腕で、変化球も多彩。大阪桐蔭からすれば嫌らしい投手である。もし復活すれば楽しみなのが、佐野 涼弥。あの角度ある速球と落差抜群の縦スライダーが復活すれば、大阪桐蔭を封じるかもしれない。いずれにしろ的を絞らせない継投策を見せていきたい。
対する大阪桐蔭打線はしぶとくつないでいきたい。キーマンとなるのは2番打者としてよいつなぎをしている青地斗舞、4番藤原恭大、5番根尾昂がカギとなるのではないだろうか。投手陣では浦和学院は右の速球派に強く、柿木蓮、根尾昂を攻略する力は持っている。高岡商戦で好投を見せた横川凱の投球がカギを握りそう。
名門校同士の対決は死力を尽くした戦いになりそう。5点勝負になりそうだ。
接戦を制し勝ち上がった報徳学園はやはり1番小園海斗の出塁がカギとなる。前回は左投手の対戦でリズムが狂い、無安打に終わったが、済美の山口 直哉は右投手。小園にとってはやりやすい相手だといえる。
山口は走者を背負うことはあっても、高知商戦で見せた低めへのストレート、変化球を丹念についたピッチングを見せていきたい。
一方、報徳学園は投手陣が豊富で展開に応じて継投できる強みがある。ここまで投げてきた林直人、渡辺 友哉、木村勇仁の3人をどうつなぐか。注目したい。
済美打線は1番矢野 功一郎を中心につながったときは一気に畳みかける爆発力がある。終盤まで粘りながら、星稜戦で見せた大爆発を見せてくれるか。そして勝負は4点~5点勝負になるのではないだろうか。
下関国際は花巻東、創志学園、木更津総合を破って勝ち上がっただけに地力は高く、非常に嫌らしいチームで、硬軟自在の嫌らしい攻めは脅威となりそうだ。下関国際の鶴田克樹は安定感が増して、ここ一番で140キロ中盤の速球を投げ込むマウンド捌きは怖く、簡単に打ち崩せない投手となっている。
また下関国際は二遊間が固く、守備から崩れることはほとんどない。
日大三はここまで3試合はすべて先発投手が違う。どの投手を先発起用をするのか、注目したい。その中でキーマンになるのが中村奎太。下関国際打線は嫌らしいチームだが、これまで対戦してきた打線の中では本塁打する確率は低い。ここで中村が先発して、自信をつけることができればと思う。ここまでリリーフで好投している河村唯人、好投を見せ自信をつけている廣澤優、井上広輝の2年生速球派右腕コンビもスタンバイ。最後まで隙の無い投手起用で抑えていきたい。
打線のカギを握るのは本塁打を放ち上り調子の金子凌、チームの精神的支柱・日置航[となるだろう。この試合も接戦。4~5点勝負になるのではないだろうか。特に終盤の攻防に注目だ。
金足農は吉田輝星の状態が気がかり。スタミナがある、投球術がうまいといっても、ごまかしがきかない試合間隔。吉田の良い状態を引き出すためにリリーフ待機させるのも戦術の1つだ。
一方、近江は4本の矢と呼ばれるように投手起用に余裕がある。これまで金足農は右の本格派、左腕の経験はあるが、右サイドの対戦経験がない。そのため右サイドの松岡裕樹がカギになるのではないだろうか。また、ここまで登板2試合のエース・金城 登耶が本来のピッチングができていない。金城が復活すれば、終盤の戦い方も余裕が持てるだけにエースの意地を見せたい。
近江打線は4番北村恵吾が好調。威力ある吉田の速球を完璧にはじき返す対応力を求めたい。また前後の左打者の出塁がカギとなるだろう。
一方、金足農打線は振れる選手が多いのが強みで、ここぞという場面で一発が飛び出しており、それが快進撃を生んでいる。
近江の緻密な戦略が嵌り、継投と策が勝ればロースコアで近江が制し、金足農の勢いが勝れば打撃戦なり、終盤にあっと言わせる戦いが期待できるのではないだろうか。