【12日目見所】大阪桐蔭vs高岡商のテーマは左投手の対応!準々決勝進出をかけた3回戦4試合の見どころ!
横川凱(大阪桐蔭)
8月16日、第100回全国高等学校野球選手権記念大会12日目。ベスト8をかけた3回戦が行われる。優勝を狙う各校はどんな選手起用、どんな戦術をするのか注目が集まる。そんな4試合の見所を紹介したい。
第1試合 報徳学園(東兵庫)vs愛工大名電(西愛知)
この試合のポイントは小園海斗(報徳学園)の出塁だ。2回戦の聖光学院戦を振り返ると、小園は3二塁打を放ち、3得点と、すべてホームインをしている。小園が出塁すれば必ず得点にできる。得点パターンが確立されているのは心強い。
愛工大名電からすれば小園の高い打撃力を見て、シングルでいいと割り切りたくなるが、小園の場合、足で二塁、三塁に陥れる技術がある。それを踏まえると、やはり4回のうち出塁は1回だけにとどめておきたい。
小園は学習能力が非常に高い選手で、一度打ち損じた球は2度目を逃さない鋭さがある。それだけに小園はこの試合でも見せてくれそう。報徳学園は、2番~4番打者の打撃が2回戦同様カギを握る。
愛工大名電は好調の144キロ右腕・秋山や左腕の室田の投球がカギ。特に室田は左投手なので。攻め方次第では小園を抑えることはできるはずだ。
打線はキレの良いスライダーを投げる渡邉、140キロ前半のストレートと130キロのカットボールを自在に操る木村に対してどう打ち崩すのか。
勝負は3~4点勝負になるのではないだろうか。
関東地区同士の対戦は、激しい試合が予想される。ともに打力、守備、走塁のレベルが高く、一瞬のスキ、迷いが命取りとなる。
二松学舎大附はエース・岸川海の継投がポイント。また岸川以外の投手の投球も大事となる。2回戦の広島広陵戦では海老原凪が4回まで1失点に抑える好投を見せた・ああいう粘り強さがとても大事になるが、投手の好投を引き出すには、1年生捕手・山田将義のリードにも注目したい。
浦和学院は149キロ右腕・渡邉勇太朗の威力抜群の最速149キロの速球、切れ味鋭いスライダーが決まれば、簡単には打ち崩せないが、まだ抜け気味のボールがあったり、ボールを置きに行くところを見ると不安を感じる。二松学舎大附打線を勢い付けないためにも序盤でどれだけ圧倒したピッチングを見せることができるか。渡邉だけではなく、河北、美又、永島、近野の4人のピッチングにも期待したい。
・打線はともに活発で、浦和学院は2番矢野、4番蛭間拓哉はキーマン。二松学舎大附は右打ちがうまい1番右田稜真、3番平間陸斗、東東京大会で打率7割の野村がキーマン。
両チームとも、140キロを超える投手を攻略する力はあり、5点~6点勝負になるのではないだろうか。
2試合続けて二けた得点の高知商と球史に残る大逆転勝利を挙げた済美による四国勢対決は打ち合いが予想され、10点勝負覚悟をしたいところ。
済美は逆転サヨナラ満塁本塁打を放った1番矢野功一郎がキーマン、高知商はスラッガー・藤高 祐一郎、1年生・西村 貫輔が2試合続けて活躍を見せており勢いがある。
済美は145キロ右腕・山口直哉は前日の試合で184球を投げた影響が気になるところ。また高知商打線は本格派の対応に長けており、自慢のスライダーの精度が肝となる。高知商の北代は微妙に動く130キロで打たせてとっていきたい。
しかし両投手の疲労具合を見ると、両エース以外の投手起用もあるのか注目だ。
どちらもテーマは左投手の対応だ。
大阪桐蔭は1回戦の作新学院戦で左投手の対応に苦しんだ。高岡商の山田龍聖の角度ある速球と変化球に対応できるか。この試合のカギを握るのは右打者の大阪桐蔭 山田健太、石川 瑞貴の2人になるだろう。またドラフト候補・根尾昂、藤原恭大は左投手に対応できる技術を見せてくれるのか。投手陣は、左腕・横川凱の登板の可能性がありそう。高岡商は、左打者が多く、これまで右の速球派を打ち込んでいるが、甲子園では左投手との対戦はない。それを考えると、横川の先発も戦略上、ありだといえる。
高岡商は1回戦で本塁打を放った井林 泰雅、攻守のキーマン・中村 昂央が大阪桐蔭投手投手陣を攻略できるか注目される。