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大本命・静岡が4回戦で消える大波乱が起こった静岡県の夏を振り返る

2018.08.12

静岡県の大波乱

大本命・静岡が4回戦で消える大波乱が起こった静岡県の夏を振り返る | 高校野球ドットコム
奈良間大己(常葉大菊川)

 大本命と言われていた静岡が4回戦で飛龍に逆転負けという大波乱。大会前から、静岡をどこが倒せるのかというところに注目が集まっていたが、最初のヤマは、昨秋は東海大会にも進出していた常葉大橘戦と思われた。

 静岡は、昨秋の東海地区大会で好投してセンバツ甲子園に導いた原動力の春翔一朗君がヒジの故障で、この夏はベンチ入りこそ果たしているものの長いイニングは難しいという心配があった。とはいえ、その間に左の鈴木翔也君がエースとして一本立ちし、他にも春季大会を通じて草薙誠君や佐野冬弥君といったところも成長して、投手力に対しての心配はさほどないものになっていた。常葉大橘を静岡が5対3と凌いだことで、やはり、「静高強し」を思わせるものだった。

 しかし、続く4回戦で飛龍が先制されながらも、逆転して8対6と静岡を下した。静岡は好リードオフマンの村松開人君が万全ではないということも結果的には響いた。飛龍は昨秋に判定を巡るトラブルなどでスタッフが一新。4月に新卒で赴任した小林監督代行が指揮を執るという中での戦いだったが、常にチャレンジャー精神という意識が勝利をもたらしたと言っていいであろう。

 健闘した飛龍だったが、準々決勝で掛川西に敗退

 結局、決勝はその掛川西を下した島田商常葉大菊川との戦いとなり、打撃戦の末に6対5でサヨナラ勝ちして2年ぶり6回目となる出場を果たした。常葉大菊川は、1番の奈良間大己君が静岡大会8割以上の驚異的な高打率でチームを引っ張り続けたのも光った。

 今年の静岡大会では8強のうち公立校が5校。決勝進出を果たした島田商はじめ、掛川西浜松城北工静岡市立静岡商だ。全国的な傾向として私学優位になっているが、公立の雄・静岡が引っ張る県だけに、他の公立校も健闘していると言えよう。しかも、その静岡が敗退した中で戦前からのライバルともいえる静岡商の健闘も光った。島田商と共に、かつて県内を引っ張っていた商業校の復活は、多くのファンを楽しませた。

 また、準々決勝で浜松対決となった浜松修学舎浜松城北工はフレッシュな印象でもあったが、浜松城北工が後半に逆転勝ちした。

 常葉菊川(現常葉大菊川)の07~08年の甲子園での活躍以来、県内には伝統校に伍して新しい勢力の台頭も著しくなってきている。昨夏の代表校も初出場の藤枝明誠だったし、この夏も代表となった常葉大菊川はもちろん、前出の飛龍加藤学園といったところが今後どのような実績を残していくのか。また、東海大静岡翔洋日大三島といった実績のあるところもどれだけ巻き返してくるのかと、早くも来年へ向けての思いも広がる。

文=手束仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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