【6日目見所】木更津総合、日大三、敦賀気比の名門校が続々登場!
野尻幸輝(木更津総合)
8月10日、第100回全国高等学校野球選手権記念大会6日目。日大三、木更津総合、敦賀気比の名門校が続々登場する6日目3試合の見どころを紹介したい。
五島監督になってから夏10勝目を目指す木更津総合。そして3年ぶりの出場を決めた敦賀気比の対戦。ともに総合力が高く、ハイレベルな戦いが期待できそうだ。
木更津総合は投打の柱・野尻幸輝の先発が予想される。木更津総合としては、6回~7回まで野尻が試合を作り、根本太一、篠木健太郎に回せる展開にできれば理想的だ。打線は、野尻、山中稜真、東智弥のクリーンナップが中心となって、試合序盤から畳みかけていきたい。
対する敦賀気比は、2年生エース・木下元秀は粘り強さがウリの大型左腕。木更津総合の猛攻にあっても受け身にならず、自分のピッチングをしていきたい。速球派のリリーフ・坂井翔が控える。打線はスラッガー・阪口 竜暉、攻守の要・杉森圭輔、左の好打者・高橋 丞とタレント揃い。
両チームとも地方大会の勝ち上がりを振り返ると、圧倒した戦いを見せているが、初めて劣勢となる試合展開が予想される。どちらが先制し、自分たちのペースに持ち込むのか。またリードされてもそれをはねのける反撃を期待したい。
強打のチームが初戦で激突する。日大三は6本塁打を放った伝統の強打は健在だが、6試合中、4試合は逆転勝利。今年は土壇場の強さが例年と違う。精神的支柱・日置航、決勝戦でサヨナラ本塁打を放ち、日大三の4番らしくなってきた大塚晃平を中心に、一気に火が付くと止められない打線だ。ただ投手陣に不安がある。本来であれば、全国トップクラスの実力を持つが、コンディション不良の投手が多く、エース・中村奎太は腕がつるなどアクシデントがあり、西東京大会では途中降板。147キロ右腕・井上広輝が負傷に未登板と苦しい台所事情となっていた。これまでの西京大会は左腕・河村 唯人、大型右腕・廣澤優が踏ん張っていたが、全国制覇するには、中村、井上の活躍が不可欠。西東京大会とは違う野球を見せることができるか。
対する折尾愛真も6試合55得点10本塁打と超強力打線を引っ提げて甲子園に乗り込む。また失点は35失点とまさに「取られたら取り返す」を体現するチームである。その打線の中心が1番打者ながら、3本塁打18打点を記録している長野匠馬、プロ注目のスラッガー・松井、柳田悠岐ばりのフルスイングで、左中間にもスタンドインできるパワーを持つ野元涼の3人は怖い打者である。多少の失点は想定内。とにかく打ち勝つ野球を見せていきたい。
実力校同士の対決だ。羽黒は最速148キロ右腕・佐藤 幸弥、角度ある速球を武器にする2年生・篠田 怜汰も最速145キロと来年のドラフト候補として期待がかかる。さらに打線は4番竹内大貴、5番藤沼龍之介が3本塁打ずつと、打線も協力。さらに守備面でもわずか1失策と安定した守備で、エラーからの失点もない。この地力の高さを甲子園でも発揮できるかがキーポイントとなる。
奈良大附のウリはなんといってもチーム打率.458を誇る強力打線。出場56校ナンバーワンのチーム打率で、さらに長打は5試合で25本と、上位下位切れ目なく長打が飛び出す打線は脅威だ。エース・木村翔も威力ある速球とフォークをウリにする本格派右腕で、粘り強さが光る。
両チームともハイレベルな地区を勝ち抜いた。両チームの投手陣を上回る打撃力があり、最後まで大荒れの打撃戦が期待できるかもしれない。