【1日目見所】星稜が開幕戦に登場!中央学院vs済美、中越vs慶應はともに接戦を期待
大谷拓海(中央学院)
本日より開幕する第100回全国高等学校野球選手権記念大会。過去最多の56校が出場する今大会。どの学校が頂点に立つのか、8月21日までの計16日間の熱戦の火ぶたが切って落とされる。まずは開幕戦の見どころを紹介したい。
藤蔭(大分)vs星稜(石川)
星稜は星稜OBの松井秀喜さんの始球式を務める試合に、登場するという奇跡的なめぐりあわせで開幕戦を迎えた。チーム10本塁打の長打力、防御率0.00の投手力は強力。早めに流れをつかめば、試合を優位に進める可能性はある。日田市の藤蔭は28年ぶりの出場。エース・市川晃大は球速が130キロ前後なものの、丁寧なピッチングが光る好右腕だ。低め・高め・外角と様々なゾーンを使って星稜打線を抑えていきたい。この試合の流れは市川のピッチングがカギを握っている。
中央学院(西千葉)vs済美(愛媛)
初出場初勝利をめざす中央学院のウリは粘り強い試合運びと相手に流れを呼び込ませない巧みな守備力。特に内外野の無駄のない連携プレーは広い甲子園でも、甲子園でも発揮してくれそうだ。打線は主砲・大谷拓海が復帰し、破壊力が増した。上り調子の正捕手・池田翔、ミート力が高い宇田 周平、平野翔の1,2番コンビ、打率.435を記録した1年生・青木優吾が千葉大会に続き、活躍を見せていきたい。投手陣は右サイド・西村陸のピッチングがカギを握っている。
済美は伝統の強打は去年ほどではないといわれるが、3番・芦谷 泰雅、4番・池内 優一、愛媛大会18打数8安打5打点1本塁打で打率.444と素晴らしい成績を残した1年生・山田 響を中心に打力が高い打者が揃っている。エース・山口 直哉は140キロを超える速球以上に厄介なのが、130キロ近い球速を計測する縦横の変化球だ。打者の手元で変化する変化球は中央学院打線は手を焼きそうだ。
試合展開はどちらが動くか。そのまま均衡勝負でいくのか、それとも打撃戦となるのか。試合の行方が読めないのが両チームの対決である。
慶應義塾(北神奈川) vs 中越(新潟)
慶応は春から磨いてきた打線が甲子園でも発揮できるか。ポスト・正木智也と呼ばれる2年生4番・広瀬 隆太、強打のショート・宮尾将、卓抜としたバットコントロールを誇る下山悠介を中心に畳みかけていきたい。エース・生井 惇己は30日に決勝戦で登板しており、中5日で迎える初戦のマウンドでは、本来のピッチングができるか。あわただしい中で甲子園入りしただけに調整具合が気になるところだ。こうした状況を踏まえ、継投策も頭に入れておきたいところ。
中越はエース・山本雅樹がどれだけ慶応打線を抑えることができるか。打線はプロ注目のショート・坂井 翔太、新潟大会で打率.520、3本塁打の4番捕手・小鷹 葵の前に走者をため、そして2人が勝負所で力を発揮できるか。中越としては打ち合いに持っていき、生井を早めに降板させる展開を作っていきたいところだ。