8強出揃う！いよいよ大詰めを迎える東東京大会の展望を占う

　本命不在の戦国大会と言われた東東京大会であるが、8強の顔ぶれを見ると、8校すべてがセンバツを含めた甲子園出場経験があり、都立小山台と安田学園を除けば、甲子園で8強以上に進出した経験のある伝統的な強豪校になった。伝統校らしい駆け引きも含めた好勝負を期待したい。

関東一vs修徳　安田学園vs都立小山台

関東一・修徳
　関東一は初戦の攻玉社戦は苦戦したものの、5回戦では春4強の日大豊山をコールドで破るなど、エンジンがかかってきた。俊足の1番・斎藤未来也、新4番の松田一師ら人材は豊富だが、やはり主軸の石橋康太の一打は、試合の流れを変える破壊力がある。

　春季都大会の1回戦で敗退した修徳は、この敗戦を教訓にチームを鍛え、まとまりのある好チームに育った。キーマンは主将でも坂本大起。身体能力が高く、出塁するとうるさい存在になる。

　このカード、2年前の準々決勝でも対戦し、その時は、関東一が9回裏に連続本塁打で逆転サヨナラ勝ちしている。

安田学園・都立小山台
　安田学園は秋、春とも1次予選で敗れており、ノーシードから勝ち上がってきた。原動力となったのが左腕のエース・清水雅孝。絶対的エースである清水は、1回戦から全ての試合に登板している。

　一方、都立校で唯一残った都立小山台は、エースの戸谷直大がチームの柱。
　連日の猛暑の中の投球に、両投手とも疲労が懸念される。それだけに安田学園は渡邊孝栄、須藤涼介、都立小山台は飯田光塁、會川和希といった中軸がどれだけ活躍するかが勝敗を分けるのではないか。

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帝京vs東亜学園　二松学舎大附vs堀越

帝京・東亜学園
　この両校、1987年の夏の甲子園でベスト４まで進んでいる伝統校同士の対戦。

　帝京はトラン・ヒー・キエン、白石結太、田中悠我ら中心打者に当たりが出ている。中でも注目はエースの松澤海渡だ。この夏は、横手投げで最後の夏に臨む。

　東亜学園は春までは不動の1番打者であった橋本翔琉が下位を打つなど、粒ぞろいだ。1番・島田一輝、2番の岩本翼ら上位打線は当たっている。東海大高輪台戦で完投した帝京の松澤をどう攻略するか。

二松学舎大附・堀越
　二松学舎大附は3番・平間陸斗、4番・早川遥、5番・畠山大豪と並ぶ中軸は強力。エース・海老原凪の出来がカギとなる。

　堀越は、春惜敗した都立城東に5回コールドで勝つなど、小田川雅彦監督の指導で、野球が格段に進歩した、宮野結希を中心とした投手陣も安定。打線も力がある。二松学舎大附のパワーに力負けしなければ、勝機はある。

　関東一、帝京、二松学舎大附の私立の3強が強さを発揮した。3強の一角を崩すようなチームが現れれば、優勝争いは混戦の様相を呈することになる。

文＝大島裕史

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