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1回戦から名門校対決が実現!最初から目が離せない新潟の夏を徹底解剖!

2018.07.04

 7月7日に開幕する「第100回全国高校野球選手権記念新潟大会」。記念すべき100回目となる今年の夏の大会新潟予選は、3つの連合チームを含む、82チーム87校が出場。熱戦を繰り広げる。この開幕を前に、6月16日、新潟市内で組み合わせ抽選会が行われ、各チーム主将が抽選に臨んだ。ここでは、ベスト4までの道のりを4つのブロックに分け、有力校を紹介していこうと思う。

Aブロック(左上):日本文理を追う実力校

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優勝候補筆頭・日本文理

 優勝候補筆頭に挙げられる第1シード・日本文理が投打共に大きくリード。プロ注目の150キロ右腕・鈴木裕太(3年)は、球威と共に安定感が増し、押しも押されもせぬエースに成長。投打の軸としてこの夏も大きな期待を背負う。春は登板機会が少なかった左腕・新谷晴(3年)も抜群の制球力を武器に、鈴木とエースの座を争う。これ以外にも右の本格派・南 隼人(2年)も北信越大会を経験し、成長を遂げた。投手陣はこの3人を中心に回していくことになるだろう。

 一方、打者に目を向けると、未完の大器とやゆされていた先川大智(3年)が完全に覚醒。恐怖の3番打者として、春の県大会、北信越大会で大暴れした。この打棒を夏の大会でも見せられれば、甲子園はグッと近くなる。これ以外にも、熾烈な争いの中、春の大会でレギュラーを勝ち取った長坂陽(2年)、長谷川優也(1年)という下級生コンビも見もの。一昨年秋から続く県内の連勝記録をどこまで伸ばせるのか、楽しみだ。

 対抗の第6シードで県有数の進学校・新潟も侮れない。昨秋は中越に延長再試合で、春は上越に打ち負けたが総合力は高い。県内トップレベルと言っても過言ではない二遊間、松永 幸哉(3年)―伊部 達大(3年)、エースで4番の竹石 寛(3年)、竹石と2枚看板を背負う左腕・熊倉智也(3年)、バッティングのいい中川大喜(3年)など、近年では特にタレントはそろっているだけに、上位進出をうかがう。

 ほか、昨夏の4強、昨秋8強、春の16強と安定した強さを誇る高田北城、春に新潟明訓をやぶった東京学館新潟、春の大会でその東京学館新潟高田北城に競り勝ち8強入りした新発田などにもチャンスがありそうだ。

Bブロック(左下):加茂暁星がやや優勢か?

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春の県大会4位 加茂暁星

 このブロックは春の大会で4位の加茂暁星が中心になりそう。投手陣は、春の大会で投げる度に成長が見えた白勢悠貴(2年)、潜在能力の高くこの春その一端を見せたMAX140キロ超右腕・竹林 楓也(3年)がWエース。4番・中野翼(3年)を中心としたつながりのいい打線と歯車がかみ合えば、元プロ野球選手の飯田雅司監督を、甲子園に連れて行くことも見えてくる。

 対抗として挙げられる糸魚川新潟西長岡工十日町はそれぞれ好投手を擁する公立の実力校。個人的には1年春からスタメン出場していた、シュアなバッティングが魅力の長岡工主将・太刀川郁(3年)の最後の夏にも注目したい。

[page_break:Cブロック:中越に対抗する実力派公立校/Dブロック:今大会屈指好カードが実現する最激戦区
]

Cブロック(右下):中越に対抗する実力派公立校

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昨秋準優勝、今春3位の中越

 昨秋準優勝、今春3位の中越がリード。春の大会では、130km/h台中盤のストレートと変化球を低めに集める左腕・山田 叶夢(3年)がコンディション不良でベンチ外に。140km/hに迫るストレートが武器の本格派右腕・山本 雅樹(3年)がエースの働きをするも3位決定戦に登板しないなど不安が残った。2人ともケガがなければ県内トップクラスの投手陣を形成できるだけに、チーム浮沈の鍵を握りそうだ。打線は前チームからの主軸である、捕手・小鷹 葵(3年)、遊撃手・坂井 翔太(3年)がチームの中心。彼らの前にランナーを置いて、チャンスメイクできるかがポイントだ。

 ほか、長岡大手五泉村上桜ヶ丘など、近年夏の大会でベスト4に入っている実力派公立校の躍進にも期待したい。

Dブロック(右上):今大会屈指好カードが実現する最激戦区

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激戦区に入った新潟明訓、関根学園、北越

 対戦相手が決まる度に、抽選会場の客席から「オー」とどよめきが起きたDブロック。結果的に、「最激戦区」といってもおかしくないほど有力校が集結した。

 このトーナメントの中心は、第二シードの関根学園。前チームからエースだった西本航生(3年)がいよいよエースとして独り立ち。今春は投打にわたって活躍を見せた。投手陣では、前チームから登板の機会を得ていた平野喜寿(3年)がケガから復帰。盤石な投手陣を形成する。野手では、春の大会で攻守にわたって動きの良かった大型遊撃手・平塚充稀(2年)、下位打線に入り勝負強い打撃を見せてきた高橋渓太(2年)らがチームを引っ張る。

 これ以外にも、春8強の上越は前チームからのレギュラーが残り経験豊富な選手が多い。多彩な投手陣を駆使し上位進出を伺う。昨秋4強の北越をコールドでやぶった破壊力のある打線が魅力の開志学園。春3本塁打の藤原人和(2年)、広角に打ち分けられるバッティングが魅力の高野心成(2年)など下級生がチームを盛り上げる。古豪ながら春16強の長岡帝京長岡などが同じブロックでひしめきあう。

 そして、今大会最大の注目と言っていいカードがこのブロックで実現。昨秋3位の北越と昨秋4位の新潟明訓が1回戦で激突。共に春の大会2回戦で敗れ、夏のノー-シードが決まった際、県内の高校野球好きの間では、どのブロックの、どこのシード下に入るのかが注目の的になっていた。そんな中での、まさかの1回戦での対戦。県内屈指の好投手である新潟明訓荘司康誠(3年)対北越打線がどうなるのか、片桐蕗都(3年)、幸田大和(2年)、大野絢平(2年)という3枚の北越投手陣がどのような継投を見せるのか。非常に注目度の高い試合になりそうだ。

 ここ数年、毎年展望を書かせてもらっているが、ここに挙げた選手以外にもニューヒーローが現れたり、逆に実力を持った選手が、力を思うように発揮出来ない姿を見てきた。高校野球に絶対はない。27個目のアウトを取り終えるまで何が起こるか分からない。だから多くの人々に感動を与えるのだろう。今年はどんな物語が生まれるのか。可能な限り球場で見届けたいと思う。

文=町井敬史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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