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出そろった100回大会・春の高知&徳島大会を総括!

2018.05.29

 四国地区の春季高校野球は5月21日に閉幕した高知県総体をもって一区切り。これから各チームは夏の100回大会へ向けてラストスパートに入っていく。では、現時点での勢力図はいかなるものとなっているのか?今回は香川県・愛媛県の「前編」・高知県・徳島県の「後編」に分けて、全体像と今後のスケジュールを紹介していきたい。

明徳義塾・高知大会V9へ死角なしか

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県総体でも2本塁打・ツボに入った時の爆発力は健在の明徳義塾4番・谷合 悠斗(3年・左翼手)

<高知県・夏までのスケジュール>
当初6月10日(日)開催予定だった高知県高野連特別招待野球は開催なし

6月17日(日)高知県高野連育成招待野球 高知県立春野運動公園野球場(高知市)
9:00  梼原高知南
11:30  高知南新居浜工
14:00  梼原新居浜工

6月30日(土)14:00 第100回高知大会組み合わせ抽選会 高知工業高校

第100回高知大会 31校28チーム参加予定 7月14日(土)~7月27日(金)
連合は高知丸の内室戸、高知清水・幡多農窪川の2チーム
*予備日:7月20日(金)~22日(日)、7月28日(土)~30日(月)
会場:[stadium]高知県営春野運動公園野球場[/stadium](高知市)、[stadium]高知市営球場[/stadium](高知市・2回戦まで使用)
開会式 7月14日(土)8:00 [stadium]高知県営春野運動公園野球場[/stadium]
決勝戦 7月27日(火)13:00開始 [stadium]高知県営春野運動公園野球場[/stadium]

休養日:7月17日(火)~19日(木)・準決勝後(7月25日(水)予定)
*準々決勝は2日間で2試合ずつ開催

<シード校>秋季県大会から高知県高校総体までの勝利ポイント積算で決定
第1シード:明徳義塾 第2シード:高知 第3シード:高知商 第4シード:土佐

 高知県総体を終え、高知大会のシード4校が明徳義塾高知高知商土佐の順で確定。高知大会9連覇を目指す第1シード・明徳義塾の本命は揺るがないが、他校の追撃態勢にも注目が集まる。

 明徳義塾はドラフト候補の最速146キロ右サイド・市川 悠太(3年)、高校通算本塁打30本を超え、高知県総体でも2本塁打の4番・谷合 悠斗(3年・左翼手)という柱がいることが大きい。懸案だった市川に次ぐ投手も高知県体で2年生左腕・服部 遼馬が2試合に先発し好投。一定のメドがついた感がある。

 今後は高知県総体で3名がベンチ入りした1年生の起用も視野に入れ、最終調整に入る彼ら。これまで大きなアキレス腱だった「市川頼み」が県レベルながら克服されようとしている王者に死角は見当たらない。

 第2シード・高知は高知県総体で昨年の侍ジャパンU-15代表右腕・濱田 世(1年)が2試合に先発登板。こと投手陣の層にかんしては明徳義塾と対抗できるメンバーがそろった。センバツでも課題として浮き彫りになった打力が整備できれば、王者を止める可能性も上がってくる。

 第3シード・高知商は5年ぶり頂点に立った春の県大会で7本塁打。左では大会3本塁打の近澤 孝祐(3年・一塁手)、同2本塁打の田嶋 俊(2年・中堅手)、右では俊足も備える山崎 大智(2年・三塁手)など各人のスイングは鋭い。夏までに最速140キロ右腕・北代 真二郎(3年)を中心に、四国大会・高知県総体で課題となった守備面を克服できれば、過去数年「あと1点」が届かなかった明徳義塾超えも、決して夢ではない。

 第4シード・土佐は昨秋からガラリとスターティングメンバーが変わる中、春季県大会準優勝、高知県総体ベスト4と奮闘。現時点で第3シードまでとの実力差は否めないが、投打に急成長中の横田 啓悟(2年)ら、春から主力に入った選手たちののびしろに期待したい。

 その他、春の県大会ベスト4の宿毛高知西。高知県総体ベスト4の高知小津。秋の四国大会出場、左腕・岡林 倖生(3年)が大黒柱の高知追手前。実力者の岡豊高知南。高知県総体・明徳義塾戦では140キロを叩き出した野村 隆喜(3年)らポテンシャルの高い選手が多い高知東。1年生も戦力として十二分に機能している中村や、昨夏高知大会準優勝の梼原高知工須崎宿毛工伊野商らもベスト8、その上を狙う力はある。

[page_break: 第1シード・鳴門有利も、混戦要素は十分]

第1シード・鳴門有利も、混戦要素は十分

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秋春連続県大会を制し、徳島大会第1シードで戦う鳴門

<徳島県、夏までのスケジュール>
平成30年度徳島県高等学校総合体育大会協賛高校野球ブロック大会
中央Aブロック 7校参加  [stadium]オロナミンC球場[/stadium](鳴門市)、[stadium]鳴門渦潮高校グラウンド[/stadium](鳴門市) 6月1日(金)~6月4日(月)
中央Bブロック 7校参加 [stadium]オロナミンC球場[/stadium](鳴門市)、[stadium]JAバンク徳島スタジアム[/stadium](徳島市)、[stadium]鳴門渦潮高校グラウンド[/stadium](鳴門市) 6月1日(金)~6月4日(月)
西部ブロック 9校参加 [stadium]三好市吉野川総合運動公園野球場[/stadium](池田球場) 6月1日(金)~6月4日(月)
南部ブロック 8校参加 [stadium]JAアグリあなんスタジアム[/stadium](阿南市)、[stadium]蛇王球場[/stadium](海陽町) 6月1日(金)~6月4日(月)

6月25日(月)15:00 第100回徳島大会組み合わせ抽選会 徳島県教育会館

6月29日(金)13:00 第100回徳島大会記念講演会「『まぼろしの甲子園』優勝選手 梅本 安則さんが100回大会に寄せる思い」 シビックセンターさくらホール(徳島市)
*入場無料 定員100名

第100回徳島大会 32校・31チーム参加予定 7月7日(土)~7月26日(木)
連合は阿南工阿南光の1チーム
*予備日:7月12日(木)、19日(木)、20日(金)、27日(金)、28日(土)
会場:[stadium]オロナミンC球場[/stadium](鳴門市)
開会式 7月7日(土)9:30 [stadium]オロナミンC球場[/stadium]
始球式は川上 憲伸氏(元中日ドラゴンズ、MLBアトランタ・ブレーブス・徳島商出身<1993年夏(ベスト8)甲子園出場>)
決勝戦 7月26日(木)13:30開始 [stadium]オロナミンC球場[/stadium]

休養日:7月9日(月)~11日(水)、準々決勝後(7月24日(火)予定)
*準々決勝は2日間で2試合ずつ開催

<シード校>秋季県大会から春季四国大会までの勝利ポイント積算で決定
第1シード:鳴門 第2シード:鳴門渦潮 第3シード:生光学園 第4シード:城東

  春秋県大会を制し、参加31チーム中唯一1回戦免除となる第1シード・鳴門が日程上においても絶対的優位だ。四国大会後・森脇 稔監督は「心が弱い」と、選手たちのパフォーマンスに不満を隠さないが、すでに発表されているやまがたを見ても鳴門は初戦の2回戦(7月16日予定)を勝つと、中5日で準々決勝、中2日で準決勝。連戦は翌日開催の決勝のみ。2年生左腕エース・西野 知輝と、最速142キロ右腕・上原 諒大(3年)をはじめとする投手陣の組み合わせが合致できれば、2年ぶり12度目の夏甲子園出場はさらに近づくことになる。

 これに対抗するのは昨年、3年連続となる第1シード校、甲子園出場を決め、今大会は第2シードで迎える鳴門渦潮。昨年の甲子園経験者・住江 龍蔵(3年・三塁手)をはじめ、個の能力は健在。けがで春は登録メンバーを外れた右サイド・鈴江 竜飛(3年)の起用法含め「やり方次第では甲子園にいける」と昨秋の時点で明言した森 恭仁監督が、どのようなカードを切ってくるかにも注目である。

 第3シード・生光学園打線の破壊力は四国でも屈指だ。高校通算本塁打40本に迫る湯浅 麗斗(3年・左翼手)ばかりでなく、山口 留以(3年・捕手)も高校通算30本塁打に届く勢い。最後の夏にマウンド復帰を目指す右腕・安藝 智哉(3年)ら、投手陣を打線が援護する態勢が整えば、悲願の甲子園初出場が見えてくる。

 第4シード・城東は3月、後にセンバツベスト8に進出した日本航空石川(石川)相手の練習試合勝利を自信に変え、春季県大会4強入り。最速139キロストレートと、カットボールを駆使する武口 哲也(3年)を軸にしたIQ野球と「有言実行」をスローガンに、まずは準決勝での打倒鳴門、その先にある初甲子園を目指す。

 その他、ノーシード勢では春季県大会準優勝の小松島を筆頭に、西部ブロックでは川島、徳島池田、最速141キロ右腕・立木 遼(3年)のいる脇町。中央ブロックでは昨年徳島大会準優勝の板野、タレントの多い徳島科学技術徳島商、強肩・張 大地(3年)が大木の要を張る徳島城南、最速140キロ右腕・湯浅 陽一郎(3年)のいる徳島城北。そして140キロをマークする捕手兼投手の湯浅 龍星(2年)など、ポテンシャルは十分の新野や、投では浮橋 幸太(2年)打では小田 倭(3年・中堅手)など各人のバランスが高い秋季県大会ベスト4・富岡西も優勝圏内を見据える状況。第1シード・鳴門がこの実力者に敗れるようなことがあれば、大会は一気に混戦へと様相を変えそうだ。

(文・寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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