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出そろった100回大会・香川&愛媛の春を総括!

2018.05.25

 四国地区の春季高校野球は5月21日に閉幕した高知県総体をもって一区切り。これから各チームは夏の100回大会へ向けてラストスパートに入っていく。では、現時点での勢力図はいかなるものとなっているのか?今回は香川県・愛媛県の「前編」・高知県・徳島県の「後編」に分けて、全体像と今後のスケジュールを紹介していきたい。

春・四国制覇の大手前高松を10校以上が追う香川県

出そろった100回大会・香川&愛媛の春を総括! | 高校野球ドットコム
春季四国大会を初制覇し香川大会第1シードで臨む大手前高松

 <香川県、夏までのスケジュール>
6月16日(土)・17日(日) 香川県高野連招待試合 
試合会場:[stadium]レクザムスタジアム[/stadium](高松市) 招待校:大阪桐蔭(北大阪)

 6月16日(土)
10:00開始 大阪桐蔭vs大手前高松
13:00開始 大阪桐蔭vs藤井学園寒川

 6月17日(日)
10:00開始 大阪桐蔭vs高松商
13:00開始 大阪桐蔭vs英明

 6月22日(金)14:00 第100回香川大会組み合わせ抽選会 高松テルサ

 第100回香川大会 38校参加予定 7月9日(月)~7月22日(日)
*予備日:7月23日(月)~29日(金)
会場:[stadium]レクザムスタジアム[/stadium](高松市)、[stadium]レクザムボールパーク丸亀[/stadium](丸亀市・準々決勝まで使用)
開会式 7月9日(月)9:00 [stadium]レクザムスタジアム[/stadium]
始球式は中西 太氏(元西鉄ライオンズ・高松一出身<1949年春夏(ベスト4)・1951年夏(ベスト4)甲子園出場>)
決勝戦 7月22日(日)12:30開始 [stadium]レクザムスタジアム[/stadium]

休養日:7月13日(金)・3回戦後(7月18日(水)予定)、準々決勝後(7月20日(金)予定)
*準々決勝は7月19日(木)2会場で2試合ずつ開催

<シード校>春季大会(春季四国大会順位決定戦含む)順位で決定
第1シード:大手前高松 第2シード:英明 第3シード:藤井学園寒川 第4シード:高松商

 県大会に続き、四国大会を初制覇した大手前高松が頭1つ抜けた春の香川県。が、今年はシード勢、ノーシード勢共に実力校が多く、香川大会の優勝戦線には10校以上が名を連ねることになるだろう。

 

 第1シードの大手前高松は持ち前の機動力に加え、この春は長打力が大幅アップ。特に1番・山本 大輔(3年・一塁手)と3番・内田 峻太(3年・中堅手)は高校通算本塁打10本を超え、四国大会でもそろって本塁打を放った。四国大会で最速139キロを出した中村 公俊(3年)が中心となるであろう投手陣の整備さえされれば、「甲子園で勝つ」の入口となる初の香川大会制覇が見えてくる。

 

 ただ、今年の香川県はシード校・ノーシード校共に実力校ぞろい。シード校であれば最速143キロまで球速を伸ばした右腕・黒河 竜司(2年)が君臨し、春夏連続甲子園を狙う第2シード・英明はもちろんのこと、最速145キロ右腕・加茂 優太(2年)をはじめ豊富な投手陣が自慢の第3シード・藤井学園寒川。第4シードには投打にバランスが取れ、センバツ出場をあと一歩で逃した高松商も控える。

 

 ノーシード勢も強豪ぞろい。「2年連続にはこだわっている」(日下 公太監督)三本松は春の県大会では成長痛で登板なしに終わったエース・山花 悠陽(3年)が練習試合で好投中。丸亀は最速146キロ右腕・東山 玲士(3年)、丸亀城西は四国NO1のショートストップ・水野 達稀(3年)を中心に能力が高い選手が多い。

 

 さらに、秋の県ベスト4・尽誠学園、春のベスト4・観音寺総合高松北高松南多度津、四国学院大香川西、坂出工坂出商高松なども頂点を射程内に入れている。

 

 なお、大手前高松英明藤井学園寒川高松商は、先述の通り6月には高野連招待試合で根尾 昴藤原 恭大をはじめ日本高校トップクラスのタレントがそろうセンバツ王者・大阪桐蔭の胸を借りる予定。4チームには昨年、清宮 幸太郎(現:北海道日本ハムファイターズ)率いる早稲田実を完封し、甲子園ベスト8に駆け上がった三本松のような「夏に活きる」内容を期待したい。

[page_break: 群雄割拠、混戦必至の愛媛県]

群雄割拠、混戦必至の愛媛県

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終始アグレッシブな戦いで春の愛媛県大会優勝・四国大会準優勝を果たし愛媛大会第2シードに入った聖カタリナ学園

 <愛媛県、夏までのスケジュール>
6月24日(日)10:00 第100回愛媛大会組み合わせ抽選会 にぎたつ会館

 第100回愛媛大会 60校参加予定 7月10日(火)~7月25日(水)
*予備日:7月26日(木)~31日(火)
会場:[stadium]坊っちゃんスタジアム[/stadium](松山市)、[stadium]西条市ひうち野球場[/stadium](西条市・3回戦まで使用)、[stadium]今治市営球場[/stadium](今治市・2回戦まで使用)、[stadium]宇和島市営丸山球場[/stadium](宇和島市・2回戦まで使用)
開会式 7月10日(火)11:00 [stadium]坊っちゃんスタジアム[/stadium]
始球式は井上 明氏(元朝日新聞記者・松山商出身<1968年夏・1969年夏(優勝)甲子園出場>
決勝戦 7月25日(水)12:30開始 [stadium]坊っちゃんスタジアム[/stadium]

休養日:7月20日(金)・準々決勝後(7月23日(月)予定)
*準々決勝は2日間で2試合ずつ開催

<シード校>秋季県大会から春季四国大会までのポイント加算で決定
第1シード:松山聖稜 第2シード:聖カタリナ学園 第3シード:済美 第4シード:西条

 県大会初制覇、四国大会準優勝で愛媛大会第2シードを獲得した創部3年目・聖カタリナ学園の活躍が印象深かった春の愛媛県。昨秋は中予地区予選代表決定戦で松山聖稜に逆転負けを喫した彼らだが、その悔しさをバネに打撃強化に取り組んだことが、勢いを倍加させた。

 とはいえ、松山聖稜は成長過程に伴う股関節痛を抱える土居 豪人(3年)をはじめ、けが人も夏までには完調に戻ってくるはず。「第1シードの実感はない。まだまだ鍛えないと」と話す荷川取 秀明監督が仕掛ける競争の中で、さらなる新戦力が出現すれば、2年ぶりの夏甲子園と初の春夏連続出場が見えてくる。

 第3シードの済美は準優勝した春季県大会後「夏は1年生が入ってくると思う」と中矢 太監督が明言。新居浜ヤングスワローズ時代から将来を嘱望されていた山田 響など、1年生たちがどのくらいメンバー入りを果たすかが、2年連続愛媛大会制覇の大きなカギを握る。

 昨秋県大会制覇、第4シードの西条は4月から松山北で6年間指揮を執った河野 健介監督が新監督に就任。昨秋県大会準優勝、春も聖カタリナ学園に最終盤までリードした実力校に、どのようなタクトをふるうかに注目だ。

 

 一方、ノーシード勢も虎視眈々と聖地到達を狙う。新田は春の県大会準決勝でマルチ安打をマークした森 将大(3年・一塁手)のような、局面を打開できる選手が出現すればシード校ともそん色ない力あり。新田と同じく春県大会ベスト4の宇和島東は、最速139キロ左腕・内田 健太(3年)をはじめ、右・左ともハイレベルな投手陣で立ち向かう。

 

 さらに菅 哲也監督が西条から転じ新たなアプローチで夏に挑む川之江、昨秋県ベスト4の小松、伝統の粘りが身上の今治西、最速143キロ右腕・田中 大成(3年)が最後の夏を迎える八幡浜、最速139キロ右腕・檜垣 柊志(3年)のいる今治工、個の育成に優れる松山工松山中央。そして100大会への想いを最も強く抱く「夏将軍」松山商など、群雄割拠の面々が混戦を演出していきそうだ。

 

(文・寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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