第661回 3年連続で決勝戦は県内2強の対戦に!春季埼玉県大会を振り返る2018年05月19日

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【目次】
[1]県内2強が3年連続決勝
[2]ベスト8の戦力状況
[3]記念大会は埼玉から2校が出場。夏へ向け準備を整える

県内2強が3年連続決勝



河北 将太(浦和学院)
 

 最終的には花咲徳栄浦和学院の県内2強が3年連続決勝でぶつかるという、いつもの結果となった春季埼玉県大会、優勝したのはやや前評判の低かった浦和学院であった。だがそこまでの過程は見逃せない。今大会ベスト16に残り、夏のシード権を掴んだ高校の内訳だが、北埼玉の3(北部2、東部1)に対し、南埼玉は13、その内最多は西部地区の7(ベスト8に5チーム残った)そして南部は6、これを見ても今大会いかに南北のレベルに偏りがあったかを物語っている。

  

 そんな今大会の上位に残ったチームを中心に振り返っていきたい。

 

 まず優勝した浦和学院だが、今大会は左右のダブルエース佐野 涼弥渡邉 勇太朗が怪我で不在、さらに主砲・蛭間 拓哉も腰の状態が万全ではないということもあり、苦戦が予想されたが、その他の選手達が頑張った。近野 佑樹河北 将太の2枚がゲームを作り、少ないチャンスを確実に物にする。さらに打線では左偏重の中で大会中に3番に入った河北 将太が長打も打てる貴重な右打者として今大会MVP級の活躍を見せた。
 結果として佐野 涼弥、渡邊 勇太朗以外の投手陣の底上げに成功した形だ。今大会やや低調であった蛭間 拓哉だが、本来はどっしりとした下半身主導のフォームから広角に強烈な打球を飛ばす。それでも決勝の最終回で意地の同点本塁打を放ち復活の狼煙を上げた。夏に向けては問題ないであろう。もう既にピッチングは行っているというMAX140kmコンビ佐野 涼弥や渡邊 勇太朗が夏までに状態を上げてくれば、4年ぶりの夏へ視界は良好だ。あとは1、2番の出塁率や下位打線の充実が今後の課題か。

 

 一方、決勝で敗れた昨夏全国覇者・花咲徳栄も初戦こそ川越東に苦しめられたが、その後は決勝まで全試合コールドで勝ち上がるなど全く危なげない内容であった。「投打で野村 祐希におんぶに抱っこでは夏は勝ち上がれない」と関係者も言っていたが、今大会はあえてピッチャーとして野村 祐希を使わなかった。おそらく、誰が、昨夏の綱脇 慧のようなポジションを任せられるかの選定をしていたと思うが、そういう意味では中田 優斗がある程度一本立ちしたのは大きい。
 おそらく夏は彼を中心とし、左腕の和田や斎藤などを交え最後は野村 祐希というリレーになるであろう。野村 祐希の打力は既に知られており言うことはないが、投げてもMAX146kmのパワーピッチャーである。彼への投打の負担が夏どれだけ減らせるかが今後の投手陣の課題であろう。打線では、野村 祐希と韮沢 雄也が中心となり、花咲徳栄としては異例の1年生春から出場し、今大会早くも県営大宮で2発を放つ活躍を見せた怪物井上 朋也も連覇へ向けてのキーマンとなる。

 

 今大会躍進した西部地区のチームでまず挙がるのは2年生左腕和田 朋也を擁し3季連続ベスト4へ進出した山村学園であろう。和田 朋也はMAX137kmだが、執拗にボールを動かし打者の芯を外す既に完成された投球術を持つ投手であり、今大会もベスト4への原動力となった。打線も木内 輝野邨 祐樹長谷川 兼太深田 竜二和田 朋也と長打を打てる打者が揃っており、夏も和田 朋也の調子が万全であれば上位進出は堅いであろう。
 問題はもし浦和学院と再戦することになった時に彼の球筋を見せてしまったことであろう。今大会本気で浦和学院に勝ちに行き、初の関東大会を狙っていただけに1対0での敗戦は痛いが、執拗なインコース攻めに遭うなど対戦して得たものもあるはずだ。和田 朋也以降の投手の整備をし、浦和学院へリベンジを果たしたい所であろう。

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プロフィール

南英博
南 英博
  • 生年月日:1977年7月13日
  • 出身地:埼玉県出身
  • ■ 大学卒業後、SEからフットサル雑誌の編集を経て2007年よりフリーライターにという異色の経歴。
    一念発起し2010年から野球の道へ。埼玉県を中心に関東の高校野球を取材する。
  • ■ ネットでは『高校野球ドットコム』、書籍では『週間サッカーダイジェスト』(日本スポーツ企画社)、『フットサルナビ』(白夜書房)、に寄稿。
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