目次

[1]春季大会序盤を振り返る
[2]春季茨城大会準決勝・決勝を振り返る
[2]春の大会で目にとまった選手たち

春季大会序盤を振り返る



今大会4本のホームランを放っている二瓶 那弥(常総学院)

 今年の春季大会は4月13日金曜日の県南地区予選を皮切りに5月7日月曜日にかけて行われ、第3シードの常総学院が優勝、第1シードの明秀日立が準優勝という結果で幕を閉じた。

 それでは結果を振り返ってみたい。
まず、地区大会では県北地区予選の代表決定戦では小瀬多賀が県内で初めての延長13回タイブレークにもつれ込んだ。

 続いて県大会の1回戦では竜ヶ崎一がエース幸山 耀平(2年)の好投で水戸葵陵に5対0で勝利し、昨秋コールド負けの雪辱を果たした。その後、竜ヶ崎一は昨夏4回戦で死闘を演じた明秀日立に対して二桁失点を喫して敗れた。

 2回戦では昨秋の準々決勝と同様に霞ヶ浦水城が激突。秋と同じく水城が最終回の猛攻で1点差と迫ったが、セカンド小儀 純也の好捕により霞ヶ浦が逃げ切った。
 水城は敗れたものの、安島友喜、須藤 太晴征矢 隼輔の3投手に力があることを印象付けるとともに、登板する順番によっては結果が違ったかもしれない紙一重の試合であった。

 石岡一佐竹は終盤までもつれる展開となった。同点で迎えた9回裏に石岡一5番の横田喜大がサヨナラタイムリーを放って接戦を制した。

 3回戦では第4シードの日立一石岡一という公立の好カードが実現した。石岡一エースの岩本 大地(2年)が146キロの豪速球を連発したが、コントロールが定まらずに苦しい投球を強いられた。日立一は高めの速球をきっちりと見極め、甘く入ったボールを捕らえ岩本 大地を早々にノックアウトした。石岡一は2番手で登板した稲葉遥も十分エース級の力を備えた投手である。大事な一戦は手堅く試合を作る稲葉でいくか、荒れ球だがツボにハマれば三振ショーになる岩本 大地を起用するか悩みどころだろう。

 水戸商土浦湖北は1点差の好ゲームとなったが水戸商に軍配が上がった。水戸商は2番手格の左腕・安 紀彦が7安打2失点で完投し、打っても2安打1打点と勝利に大きく貢献した。敗れた土浦湖北は例年どおりに守備力が高く失点が計算できるのことを示した。

 準々決勝の明秀日立藤代は接戦となった。同点で迎えた6回裏、明秀日立が2点を勝ち越して3対1で勝利した。藤代桜井 大規端村 壮平小川 航平の135キロを誇る3投手のリレーで強力打線を抑えたが、2番手で登場したエース細川拓也を攻略できなかった。夏には怪腕・稲荷田 朝陽も加えた右腕カルテットでもう一段階レベルアップしたチームになりそうだ。

 日立一水戸商の一戦は水戸商打線が左サイド清水 大海と右サイド綿引(2年)から8点を奪った。投手はエースの川澄 裕音安 紀彦の左腕リレーで昨秋準々決勝で敗れた借りを返した。

 昨夏の決勝と同一カードとなった霞ヶ浦土浦日大は、3点を追う土浦日大が6回表に3番・井上 莞嗣のスリーランホームランで同点としたが,霞ヶ浦がその裏に2点を勝ち越しそのまま逃げ切った。井上 莞嗣は高校通算15本のホームランを放っている強打者であり、最速137キロ右腕として先発の大役を担った。昨秋の明秀日立戦ではエラーもあり元気がなかったが、この試合はチームの中心として存在感があった。

 常総学院取手一は大差のゲームとなった。取手一は公式戦初先発の菊田 拡和(2年)の立ち上がりを攻めて1点を先制したが、すぐに常総学院が二瓶と菊田のホームランで4点を返した。その後代打・大久保 龍成にもホームランが飛び出すなど、常総学院がホームラン攻勢で大差を付け9対2の7回コールドで勝ち上がった。