「100回大会四国勢逆襲の夜明け」 春の土佐路対決は見どころ一杯!
3日開幕の春季四国大会のポイントとは?
毎年四国のゴールデンウィークを彩る「春季四国地区高等学校野球大会」。1948年の初開催から71回目を迎える今大会も5月3日(木・祝)・4日(金・祝)・5日(土・祝)の3日間、[stadium]高知県立春野運動公園野球場[/stadium]と[stadium]高知市営球場[/stadium](1回戦・3日のみ使用)の2会場に各県2校ずつ計8校が集い、四国勢出場4校で1勝4敗に終わったセンバツからの逆襲を期した7試合の熱戦が繰り広げられる。
今回は大会前日の5月2日(水)高知県高知市の高知サンライズホテルで行われた組み合わせ抽選会を踏まえ、1回戦を中心に最新情報と各校主将のコメントも踏まえた大会展望をお送りしたい。
春野会場は2試合ともに接戦必至か
抽選会の様子
5月3日(木・祝)
1回戦 [stadium]春野総合運動公園野球場[/stadium]
10:00 英明(香川県2位校・2年連続3回目)vs聖カタリナ学園(愛媛県1位校・初出場)
12:30 高知商(高知県2位校・5年ぶり28回目)vs鳴門(徳島県1位校・2年ぶり10回目)
*勝者同士が準決勝第1試合(5月4日(金・祝)10:00・[stadium]春野総合運動公園野球場[/stadium])で対戦
センバツで國學院栃木(栃木)と好勝負を演じた英明は、出場校唯一の初出場となる創部3年目・聖カタリナ学園と対戦する。英明は大手前高松との四国代表校決定戦で登板を回避した黒河 竜司(2年・180センチ76キロ・右投右打・高松市立屋島中出身)をはじめ、相次いでいたけが人もここに来てほぼ復帰。特に黒河は練習試合で自己最速の143キロを出すなど好調を堅持。春の愛媛大会では急成長した3番・兵頭 和弥(3年・左翼手・右投右打・176センチ80キロ・松山坊っちゃんボーイズ出身)をはじめ打棒が爆発し、初の愛媛王者に輝いた聖カタリナ学園打線との対決は、非常に楽しみである。
高知商と鳴門の名門対決も興味深い、高知商は春の高知大会で7本塁打・チーム打率.430。同大会で決勝戦の2本塁打含む3本塁打を放ち、高校通算も13本塁打に伸ばした6番・近澤 孝祐(3年・一塁手・177センチ77キロ・左投左打・高知市立愛宕中出身)に代表される上位から下位まで切れ目ない打線は脅威だ。鳴門は練習試合で完封された高知商の最速140キロ右腕・北代 真二郎(3年・180センチ88キロ・右投右打・香美市立鏡野中出身)を攻略し、左腕・西野 和輝(2年・173センチ71キロ・左投左打・鳴門市第一中出身)を軸とした投手陣が踏ん張れれば、接戦以上の結果が期待できる。
主将コメント
*英明:千原 凌平(3年・一塁手・171センチ82キロ・右投右打・京都木津川リトルシニア<京都>出身)
「(高校通算26号を放った)四国大会順位決定戦後はケガで離脱していましたが、昨日から完全合流しました。聖カタリナ学園とは練習試合で何度も対戦していますが、緊張感のある中で先をみることなく、目の前の1試合を戦いたいです」
*聖カタリナ学園:新保 雄太郎(3年・投手・175センチ78キロ・右投右打・松山中央ボーイズ出身)
「(春の愛媛大会決勝戦での打球直撃は)もうブルペンにも入っていますし、影響はありません。はじめての四国大会ですし、自分たちは一番弱いですが、愛媛県の代表として1つでも多く勝っていきたい。英明の黒河君に対してはセンター方向に低い打球を、泥臭く、しぶとくやっていきたいです」
*高知商:山中 大河(3年・内野手・171センチ73キロ・左投右打・高知市立愛宕中出身)
「鳴門との練習試合を2対0で勝てた要因は守備面がしっかりしていたから。この大会でも北代を中心にしっかりしたディフェンスをやっていきたい。エラーでいらない点をやらずに勝ち上がって、決勝戦で明徳義塾と戦ってみたいです」
*鳴門:三浦 光翔(3年・左翼手・167センチ72キロ・右投右打・生光学園中学校ヤング出身)
「高知商との練習試合ではチャンスに1本出せず北代君に完封されました。ですので、四国大会ではチャンスでの1本と積極性がポイントになると思います。最少失点に抑えたなかで、1点でも相手より多くとって打ち勝ちたいです」
明徳義塾vs松山聖陵の「名勝負数え歌」再び
優勝旗を返還する谷合 悠斗選手(明徳義塾)
5月3日(木・祝)
1回戦 [stadium]高知市営球場[/stadium]
10:00 小松島(徳島県2位校・8年ぶり6回目)vs大手前高松(香川県1位校・2年ぶり3回目)
12:30 松山聖陵(愛媛県2位校・3年連続4回目)vs明徳義塾(高知県1位校・5年連続23回目)
*勝者同士が準決勝第2試合(5月4日(金・祝)12:30・[stadium]春野総合運動公園野球場[/stadium])で対戦
基本の徹底が功を奏し、8年ぶりの四国大会出場を決めた小松島は四国版「機動破壊」を掲げる大手前高松と対戦。春の香川県大会では豪快なバックスクリーン弾を放った3番・内田 峻太(3年・中堅手・177センチ76キロ・右投右打・高松市立国分寺中出身)など、例年以上に長打力を誇る大手前高松打線に対し、小松島の絶対エース・久米 拓翔(3年・168センチ65キロ・左投左打・阿南市立阿南中出身)が匠の投球で対抗する。
そして第2試合は全国的にも注目のカード。最速146キロ右サイド・市川 悠太(3年・184センチ84キロ・右投右打・高知市立潮江中出身)率いる明徳義塾と、センバツ後初の実戦登板となった智辯和歌山(和歌山)との練習試合で6回1失点と改めて底知れぬポテンシャルを示した土居 豪人(3年・191センチ80キロ・右投右打・宇和島市立城南中出身)がエースナンバーを背負う松山聖陵が、昨春四国大会決勝戦、昨秋四国大会準決勝に続く3季連続の「名勝負数え歌」を演じる。
連覇を狙う明徳義塾にとっては市川の失点はある程度計算できるだけに、「現状ではいかないと思って」(荷川取 秀明監督)当初メンバーから5人を入れ替えるなど、攻めの姿勢を貫く松山聖陵に対し、満塁アーチで高校通算30本塁打に乗せるなど「派手さ」は健在の明徳義塾4番・谷合 悠斗(3年・左翼手・179センチ93キロ・右投右打・岡山メッツヤング<岡山>出身)ら打線がいかに「振り切れる」かが焦点となりそうだ。
主将コメント
*小松島:佐藤 辰誌(3年・二塁手・166センチ65キロ・右投左打・徳島中央リトルシニア出身)
「大手前高松とは練習試合でも対戦していないですが、徳島県大会同様に全員野球。絶対にあきらめない気持ちで戦いたいです」
*大手前高松:山本 大輔(3年・一塁手・176センチ77キロ・右投左打・綾川町立綾南中出身)
「小松島のデータはまだありませんが、香川県大会同様に投手を継投する中で守りから大事に入っていきたい。走塁を得点に連動できる動きで勝ちたいです」
*松山聖陵:眞榮城 隆広(3年・遊撃手・171センチ73キロ・右投左打・那覇ボーイズ<沖縄>出身)
「明徳義塾には昨秋も負けているし、昨年の決勝戦でも負けている。先輩たちの悔しさを晴らすと同時に、秋にできなかったことをできるように、強い気持ちで臨みたいです」
*明徳義塾:谷合 悠斗(副主将・主将の庄野 太喜が今大会ベンチ外のため、主将扱い)
「土居君に対しどう対応できるかが、夏を見据える上でもいい試金石になる。勝ちをめざしながら、現時点で自分たちに足りてない課題も見つけていきたいです」
文=寺下 友徳