球児ベストナイン2017!高校野球ドットコム編集部が選定した9人は?
清宮幸太郎(早稲田実業)
2017年がまもなく終わる。選抜では大阪桐蔭、夏では花咲徳栄が優勝を果たし、今年も激動の1年となった。今回は高校野球ドットコム編集部が独断で今年のベストナインを選出!高校野球ドットコムが選んだ9人は誰なのか?
投手:三浦銀二(福岡大大濠)
投手は三浦投手。選抜では、33回を投げ、防御率1.64、夏の福岡大会では54イニングで68奪三振、防御率0.83、奪三振率11.33、K/BBは5.66、U-18ワールドカップでは、12回を投げ、19奪三振、防御率0・00と快投を見せた。特に3位決定戦のカナダ戦は145キロ前後の速球を連発。スーパーラウンドでは日本の投手陣を攻略したカナダ打線を三浦はほぼストレート1本で押し込んでいった投球は爽快感があった。それを考えると今年の高校生投手で世界の強打者相手にも通用するストレートを投げる投手は誰か?と考えたとき、三浦となった。卒業後は法政大へ進むが、ぜひ4年後にはドラフトの目玉と呼ばれる存在になることを期待したい。
捕手:中村奨成(広島広陵)
高校通算45本塁打を放ち、夏の甲子園では大会新記録となる6本塁打を打ちたてるなで日本の高校野球ファンを熱狂させた。長打力だけではなく、強肩、高い俊敏性を誇るフットワークとすべてにおいてハイレベルなキャッチャーだ。あれから捕手でプレーしている高校球児に話を聞くと、中村に憧れを持つ捕手が増えた。卒業後は小さいときからファンだった広島東洋カープへ。ぜひミスターカープと呼ばれる存在になることを期待したい。
一塁手・清宮幸太郎(早稲田実業)
文句なしの選出。どの本塁打も素晴らしかったが、ドラマチックだったのは、愛知県で行われた招待試合で通算100号を達成したときだ。試合は9回裏だった。清宮が打席に立つと、ライトスタンドで見ていた野球少年から清宮に「あと1本!あと1本!」と声援が送られた。清宮は内角直球を振り抜き、ライトスタンドを超える場外本塁打を放ち、野球少年たちの期待を応えたのであった。本塁打の瞬間、スタンド、記者室にいた報道陣もどっと沸いた。そういう一発を数々と見せてくれた清宮はまさにスターだった。北海道日本ハムでの活躍も楽しみだ。
二塁手・千丸剛(花咲徳栄)
好二塁手が多かった今年の高校3年生だが、全国優勝の花咲徳栄のセカンド・千丸剛は、走攻守三拍子揃った二塁手だった。167センチ67キロだが、本塁打を打つパワーはあり、軽快な二塁守備、脚力の高さ。なんといってもリーダーシップの高さ。花咲徳栄は統率力が取れて、緊張感がある集団だったが、それは千丸選手が作り上げたものだろう。野球選手の能力、主将としての能力の高さを最大限評価。そして全国優勝の立役者として千丸を選出した。
三塁手・安田尚憲(履正社)
高校通算65本塁打を放ったスラッガー。清宮と比較されることは多いが、ツボに入った時の飛距離は清宮以上のものがあり、特に最後の夏は、打率.632、3本塁打、13打点と打ちまくった。U-18でも、打率.324、5打点と結果を残した。それでも、周囲が物足りなさを感じてしまうのは、それだけ安田に対する期待が高い証拠。千葉ロッテでは、清宮とともにパ・リーグを代表するスラッガーへ成長することに期待。
遊撃手・小園海斗(報徳学園)
激戦区のショートは小園を選出。2年生ながら攻守の総合力は、素晴らしい選手だった。U-18ワールドカップでは、打率.378を記録。また自慢の守備では、抜けたと思った打球があっさりと追いついてしまう出足の良さは一級品だった。来年、どんな進化を見せてくれるのか、楽しみな選手だ。
外野手
・植田拓(盛岡大附)
・増田珠(横浜)
・藤原恭大(大阪桐蔭)
外野手は総合力、パフォーマンスをすべて評価して、選出!
植田は165センチという小柄ながら、高校通算63本塁打を記録。とても高校生とは思えない打撃理論から次々と本塁打を記録するパフォーマンスは素晴らしかった。体が小さくてもホームランが打てる!勇気を与えるパフォーマンスを披露してくれた植田をベストナインに。
増田は、走攻守の総合力の高さを高く評価し選出。なんといっても三振を全くせず、本塁打も打てる打撃力が自慢だ。先を見た走塁、守備と野球選手としても隙がなかった。「自分は盛り上げ役となりたい」と話す増田は、プロでもしっかりと存在感を示してくれるはずだ。
藤原は打った瞬間、本塁打と分かる当たりを打ったり、見ている観客が魅了するベースランニングを見せたり、「凄い」と思わせるパフォーマンスを見せられる外野手だった。課題は安定感。爆発的なパフォーマンスを見せることが継続的にできれば、もっと高校球界を騒がせる選手となるだろう。
素晴らしいパフォーマンスを発揮した9人の選手たち。そして、彼らだけでなく、今年一年間、汗と涙を流しながら青春を謳歌した全国の高校球児の皆さんに、編集部一同、感謝の気持ちを伝えたい。来年は第100回記念大会が行われる。歴史に残る一年となることを楽しみにしたい。
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